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ウチカビ【旧盆特集-10-】

2023年08月22日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日も朝から暑いです。クーラーの偉大さを実感しながら、仕事を頑張っているところです。

 

今日は旧暦7月7日という事で、旧の七夕です。朝、とある霊園前に車がたくさん止まっているのを見ました。そして、お墓周りの草刈りをする人の姿も。

 

来週の旧盆に向け準備する。それが旧の七夕ですが、暑い中ご先祖様を迎え入れるために頑張っていて偉いなと思います。マルキヨ製菓としては、来週の旧盆に向け、お供え用お菓子作りのラストスパートといった感じですよ。

 

今週に関しては土日を返上してお菓子を作る予定です。さて、ご先祖様に渡すお金といえば「ウチカビ」ですよね。今日は旧盆関連記事として、「ウチカビ」に関するお話をしたいと思います。

 

バックナンバー

2023年、旧盆の日程は「新暦8月28日(月):ウンケー」「新暦8月29日(火):ナカビ」「新暦8月30日(水):ウークイ」となっています。

⇒【今年(2023年)の旧盆

 

目連は死後に餓鬼道へおとされた母親を救うため、師匠である釈迦に「どうすれば母親を救えるか」を聞きました。釈迦のアドバイスとは?

⇒【釈迦の教え

 

盆は中国から伝わった行事です。日本へ伝わったのは今から1400年以上も前の飛鳥時代です。

⇒【盆は中国から伝わった

 

「エイサーの祖」と呼ばれる袋中上人(たいちゅうしょうにん)は、福島県出身の僧。エイサーのルーツは、福島の「じゃんがら念仏踊り」にありました。

⇒【袋中上人

 

「エイサー」という言葉は、念仏歌謡の中に出てくる囃子詞(はやしことば)「エイサー、エイサー、ヒヤルガエイサー」から来ていると言われています。

⇒【エイサー

 

「踊り念仏」から「念仏踊り」へ、そして「念仏踊り」から「盆踊り」へ。宗教的側面が強かった念仏を唱える事が、時代の流れと共に盆踊りへ発展していきます。

⇒【盆踊り

 

正月の時に子どもへ渡すのがお年玉なら、お盆の時に渡す「お盆玉」というのもあります。どれぐらいの人がお盆玉を渡すのか? 渡す金額はどれぐらいなのでしょうか?

⇒【お盆玉最新情報

 

旧暦しか使われていなかった時代の日本では、お盆は7月に行われていました。しかし新暦が採用されると、8月に行われるようになります。

⇒【旧暦7月の旧盆と新暦8月の盆

 

旧暦7月7日は旧の七夕です。旧盆でこちらの世界にやってくるご先祖様を迎え入れる準備をします。また、この日は色々と制約のある物事に対して、それを気にしなくてもよい日です。

⇒【旧の七夕

 

ウチカビは中国由来

今年は新暦8月30日が旧盆の最終日。その日はご先祖様が再びあの世へ帰る日で、沖縄の言葉で「ウークイ」と言います。ご先祖様を送り出すとき、「ウチカビ」と呼ばれるものを燃やします。その風習はどこから来たのでしょうか?

 

14世紀以降多くの中国人が、琉球へやってきました。特に那覇の久米村という所に住んでいた彼らの勢力は大きく、令和になった今でもそのコミュニティは健在です。そんな彼らを通し、中国の文化や風習が沖縄に持ち込まれたのです。

 

昔の中国では「この世にある物を燃やせば、あの世でも使えるようになる」という考え方がありました。例えば故人が愛用していた机を燃やすと、あの世でも使えるようになるわけです。

 

お金を燃やせば、あの世でもお金として使えますが、さすがに本物のお金を燃やすわけにはいきません。紙や藁など燃えやすい素材で「あの世のお金」を作り、それを燃やす事で、ご先祖様にあの世で使ってもらおうというわけです。

 

この「紙銭を燃やす」という風習も中国由来で琉球にやってきます。当初は久米村の士族間で行われていた風習ですが、それが後に琉球全土へ広まっていきます。その「紙銭」こそが「ウチカビ」なのです。

 

沖縄の人なら見たことがあるはずの「ウチカビ」。

8082302

よく見ると、「紙銭」と書かれていますので是非、チェックしてみて下さい。

utikabi

沖縄の言葉で「紙」は「カビ」、「お金」は「ジン」と言いますので、「紙銭」と書いて「カビジン」と読むのです。

 

1726年に編纂された「四本堂家礼」という資料には、「シーミー(清明)の時に、ウチカビを燃やした」という記述があります。18世紀当時は、ウチカビを燃やすのは士族までで、一般市民へその風習が広がるのは明治以降になります。

 

旧盆に限らず、ご先祖様が関係する行事で「ウチカビを燃やす」のは、ご先祖様に「あの世で使えるお金を渡す」という意味です。この「ウチカビを燃やす」という風習は沖縄では身近だと思いますが、日本でその風習があるのは沖縄と奄美の一部地域だけです。

 

国外では、中国や台湾、韓国、ベトナムでも「紙銭を燃やす」風習は見られます。中国のウチカビはやけに大きかったり、台湾のウチカビはたくさんの量をガンガン燃やしたりと、国によって「ウチカビ」の個性があったりします。

 

基本、ウチカビは室内で燃やす事が多いです。外で燃やすと風の影響で、灰が飛び散ったりして大変ですからね。ボウルに水を引いてその上にアルミホイルなどを敷き、その上でウチカビを燃やしたりします。

 

ただ、マンションなどにお住まいの方は、ウチカビを燃やす際、火災探知機が反応しないよう気をつけて下さい。探知機が反応すると、ご先祖様もあの世に戻りづらくなるでしょう。

 

現代のお金に換算すると?

ウチカビを燃やす際は5枚1束となっている事が多いです。あの世に送金する1回分のお金の価値は「5万ぐゎん」。「ぐゎん」=「貫(かん)」で、これは銀と銅の重さを基準に決められた単位です。

 

現代の価値にしますと(計算の仕方はいくつかあるようです)、約7500万円だとか。1人1束燃やすと7500万円をグソー(あの世)に送金している事になるわけです。4人分を燃やせばなんと3億円。

 

これなら、あの世でも贅沢な暮らしが出来そうなので(あの世の物価はわかりませんが)、あの世へ行くのも悪くないなと思う自分がいます。ひょっとしたら近い将来、「○○ペイ」のように、ウチカビもポイント送金の時代がくるかもしれませんね。

 

旧盆を行う家庭がしっかりご先祖様をおもてなし出来るよう、マルキヨ製菓はお餅やお供え用お菓子をたくさん作ります。すごく大変ですが、スタッフ一同頑張ります。マルキヨ製菓のお菓子を是非、お供えしていただければと思います。

 

沖縄の人にとって一大行事となる「旧盆」。そして、今日は旧の七夕です。先祖様を迎え入れる準備をしっかりやりましょう。

 

今回はこの辺で。

 

平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。

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