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袋中上人【旧盆特集-4-】

2023年07月14日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。連日の熱中症指数が「危険」の沖縄。熱中症対策だけはしっかり意識して、毎日の仕事を頑張っています。

 

来月やってくる旧盆ですが、まだその準備も全然追いついていません。来月の旧盆で、ご先祖様にお供えするお菓子が望む所にちゃんと行き渡るよう、今日もその準備を頑張っているところです。

 

盆の時期に踊るものがあります。本土だと「盆踊り」ですが、沖縄だと「エイサー」が主流になります。エイサーはいくつかの行事で踊られる事も多いし、小中学校の体育祭などで披露される事もしばしば。

 

その衣装のかっこよさや、踊りのダイナミックさから、県外の舞台で披露される事もあります。そのエイサーですが、実は福島県にそのルーツがある事をご存じでしょうか。

 

そして、沖縄でエイサーが広まるきっかけを作った人物が福島県出身の「袋中上人(たいちゅうしょうにん)」です。今回の「旧盆特集」はエイサーに関するお話という事で、袋中上人を取り上げてみたいと思います。

 

バックナンバー

2023年、旧盆の日程は「新暦8月28日(月):ウンケー」「新暦8月29日(火):ナカビ」「新暦8月30日(水):ウークイ」となっています。

⇒【今年(2023年)の旧盆

 

目連は死後に餓鬼道へおとされた母親を救うため、師匠である釈迦に「どうすれば母親を救えるか」を聞きました。釈迦のアドバイスとは?

⇒【釈迦の教え

 

盆は中国から伝わった行事です。日本へ伝わったのは今から1400年以上も前の飛鳥時代です。

⇒【盆は中国から伝わった

 

袋中上人

琉球王府によって1713年に編纂された「琉球国由来記」。この中には、「袋中上人が仏教文句を俗にやわらげ、初めて那覇の人々に伝える。これが念仏の始め」という記述があります。

 

その記述にある袋中上人が伝えたものこそが「エイサー」のルーツとなるものです。「琉球国由来記」に、その名がしっかり刻まれている事から「エイサーの祖」と呼ばれる事もあります。

 

袋中上人は1552年、福島県のいわき市に生まれました。おじが住職を務める寺に入り、僧侶となるために勉強を始めたのが7歳の時。14歳で出家し、25歳の時には江戸に訪れ、極楽浄土の概念を学びます。

 

勉強熱心な彼は、52歳の時に明(当時の中国)へ渡ろうとします。そのため琉球を訪れ、そこから明行きの帆船に乗ろうとしました。しかし明への入国許可が降りず、許可が出るまで琉球の地にとどまることになりました。

 

結局、3年経っても許可が降りず、袋中上人は明へ行く事あきらめました。本土へ戻った袋中上人は京都や奈良に滞在し、京都の壇王法林寺という寺を拠点として念仏を唱える事を広める活動に従事しました。

 

76歳の時に西寿寺(さいじゅじ)を建立するなど、年を取っても精力的に活動。88歳に死去するまで、その生涯を念仏の布教に努めました。

 

ちなみに「袋中(たいちゅう)」とは、「きりを袋の中に入れていても、いつかは袋を破って外に現れる。真に優れた人物も、今は何かに隠されて見えなくても、やがてその徳によって世に現れる」という意味を持つそうです。

 

彼の生涯の中で、約3年間琉球に滞在した時期がありました。その間に、彼はエイサーのルーツとなるものを琉球に広める事になります。

 

じゃんがら念仏踊り

袋中上人の出身である福島県いわき市には、無形民俗文化財に指定されている「じゃんがら念仏踊り」という独特の踊りがあります。毎年8月13~15日のお盆の間、いわき市を中心に亡くなった方を供養するために踊られるもので、地域の伝統芸能の1つです。

 

鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らしながら踊る姿は、エイサーとの共通点を感じられます。沖縄にエイサーを踊る青年会や各種団体が多数いるように、いわき市ではこの「じゃんがら念仏踊り」を踊る団体が100以上もあります。

 

袋中上人は浄土念仏の布教に生涯を捧げた人物です。彼は琉球に滞在中、経文(きょうもん)を「じゃんがら念仏踊り」にのせて唱える事を広めたのです。経文とは、お経に出てくる文章や言い回しの事です。

 

「経文」を「じゃんがら念仏踊り」にのせて唱える。これこそが、琉球の「エイサー」の始まりであり、そのルーツは福島県にあるというわけです。

 

「経文」+「じゃんがら念仏踊り」ですが、まずは琉球の王族や士族など、高い身分の人たちを中心に広まりました。一般庶民に広がっていくのは、1700年以降。念仏を唱えて先祖供養する風習として、琉球各地に広まってきました。

 

行事や風習が身分の高い人の間で広まった後、身分が低い人達へ広まるというのは「あるある」ですね。

 

それにしても、一介の僧であるはずの袋中上人。彼は何故、琉球でエイサーを広められたのでしょうか? 実は袋中上人という人物、ものすごく徳の高い僧だったのです。

 

琉球国民に慕われた人物

袋中上人が琉球を訪れた当時の琉球国王は「尚寧王(しょうねいおう)」でした。袋中上人は尚寧王にも謁見しており、難しい仏教の教えをわかりやすく伝えたそうです。尚寧王は彼の教えに深く感銘を受けたと伝わります。

 

袋中上人はエイサーを広めただけでなく、その知見を琉球の人達に与え、産業振興や子どもの教育発展にも尽力しています。どんな身分の人に対しても誠実な活動を行い、多くの琉球国民に慕われたそうです。

 

色々調べても「袋中上人は素晴らしい人物だった」という事しか出てきませんので、願わくば彼の望みであった明への入国は叶えさせて欲しかったですね。

 

袋中上人が琉球を訪れたのは1603年。琉球滞在はわずか3年ですが、彼がふるさとの踊りに経文をつけるアレンジを施して広めたエイサーは、2023年の今でも踊り続けられているのです。

 

来月やってくる旧盆に向け、青年会でエイサーの練習をする人たちも多い事でしょう。熱中症や感染症には十分気をつけ、来月にはその練習の成果を見せて欲しいですね。

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マルキヨ製菓も沖縄の行事を支えるため、暑さに負けず頑張っていきたいと思います。旧盆の時は、マルキヨ製菓のお菓子やお餅をよろしくお願いします。

 

今回はこの辺で。

 

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