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盆は中国から伝わった【旧盆特集-3-】

2023年07月11日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。最近は朝に蝉が大合唱しており、目覚まし代わりとなっています。それにしても毎日、殺人的な暑さ。室内にいても、冷房がないと暑さを感じます。

 

気がつけば7月も中旬に入っています。とにかく今は「マルキヨ製菓三大忙しい行事」の1つ「旧盆」に向け、しっかり準備をしているところです。

 

今年の旧盆は来月下旬ですが、たった3日間で沖縄県内の多くの人が一斉に行事を行うため、たくさんのお供え用お菓子が消費されます。今から準備しなければ、とても間に合わない。そんな行事が「旧盆」なのです。

 

今回はその旧盆に関するお話の第3回となります。来月やってくる旧盆の前に、この行事について学んでおきましょう。

 

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2023年、旧盆の日程は「新暦8月28日(月):ウンケー」「新暦8月29日(火):ナカビ」「新暦8月30日(水):ウークイ」となっています。

⇒【今年(2023年)の旧盆

 

目連は死後に餓鬼道へおとされた母親を救うため、師匠である釈迦に「どうすれば母親を救えるか」を聞きました。釈迦は「自分の母親だけでなく、周りの者も救うように」とアドバイスし、目連はそれを実行します。

⇒【釈迦の教え

 

盆は中国由来の行事

現代のお盆は、過去のいくつかの風習が融合した形になっています。イランでは死者の魂を祀る際、杜松(ねず)というヒノキ科の針葉樹を燃やします。その香りをたどって、ご先祖様はその家に戻ってくると信じられています。

 

この風習が古代中国に伝わり、インド伝来の仏教や道教とも結びついて「盆」という行事が形作られていきます。中国での「盆」が飛鳥時代の日本へ伝わり、1400年以上経った現代でも継続している行事となったのです。

 

この日本での「盆」に関する記述は、西暦720年(奈良時代)に完成したといわれる「日本書紀」に見られます。推古天皇の時代である606年から4月8日と7月15日に斎会をすることになったという記述(十四年七月十五日斎会)があります。

 

この「斎会」に関する詳細は記されていないのですが、4月8日は釈迦生誕の日。7月15日は釈迦の弟子である目連が、母を救うため過酷な修行を終えた僧達に食事や寝床を与えた日。このことから、お盆関連の行事だったと推察出来ます。

 

今は2023年、盆に関する最初の記録が606年。「盆」は1400年も前から日本に存在した、非常に伝統的な行事なのです。

 

さらに斎明天皇の時代である657年に、飛鳥寺で盂蘭盆会を催したという記録があります。インド世界観の中心にそびえているといわれる山「須弥山(しゅみせん)」の像を飛鳥寺に造り、盂蘭盆会を行っています。

 

奈良時代に入ってからも、天皇が盆を行った記録はあります。733年、聖武天皇が宮中行事としてお盆を行っていますが、それ以降毎年の恒例行事として盆が行われるようになりました。

 

奈良時代から平安時代に時代が進むと、空海ら中国へ留学した僧達が仏教に関する事を日本に持ち込みます。飢えに苦しむ生き物や、弔ってくれる者がいない死者の霊に対し、飲食物を供えて経を読む「施餓鬼(せがき)」という供養があります。

 

この「施餓鬼」と「盆」が融合し、宮中の中でも特に重要な年中行事の一つとして定着していくのです。まずは宮中行事として盆を定期的に行い、やがてそれが貴族社会・武家社会へと広まっていきます。

 

さらに一般庶民までお盆が広まっていきますが、それは戦国の世が落ち着いた江戸時代になってからとなります。この一般庶民にお盆が広まるきっかけは「ろうそく」が大量生産出来るようになってからと言われています。

 

先祖供養では仏壇にろうそくを立てたり、提灯を出したりします。この「ろうそく」ですが、かつては高級品の1つであり、それを購入できるのは裕福な上流階級にいる人たちだけでした。

 

江戸時代になってしばらくすると、「ろうそく」は大量生産されるようになり、安価になりました。一般庶民にも「ろうそく」が手に入るようになってから、その階級でも「盆」が行えるようになったのです。

 

ご先祖様供養のため、「ろうそく」は必須アイテムの1つ。庶民に盆が広がるには、その「ろうそく」が大量生産され、安価になるまで待たなければならなかったのです。

 

「盆」の意味は「逆さづり」

目連の母親は生前の不道徳から「餓鬼道(がきどう)」という飢えと渇きに苦しむ世界へ落とされます。そこで逆さづりにされると、食べ物も飲み物も与えられず、ずっと飢えと渇きに苦しむ事になります。

 

後に目連の師匠である釈迦のアドバイスにより、その苦しみから解放されることになります。

 

「手足を縛り付け、逆さに吊す」や「逆さ吊りにされるような大きな苦しみ」の意味を持つサンスクリット語が「ullambana(ウラバンナ)」です。その発音に対応する漢字をあてはめたものが「盂蘭盆(うらぼん)」となります。

 

「盂蘭盆(うらぼん)」を省略したのが「盆」であり、我々は接頭語をつけて「お盆」と言ったりするわけです。「盆」は「ウラバンナ」の発音が当てはまるというだけなので、漢字自体には行事との関連はありません。

 

沖縄の人は旧暦でお盆を行うため、本土で行われる新暦の盆とは区別して「旧盆」と言うことが多いですね。

 

普段我々が使っている「盆」の元々の意味をたどると、「逆さづり」や「逆さづりのような大きな苦しみ」にたどり着くのです。「盆の準備をする」は「逆さづりの準備をする」と捉えられなくもないわけです。

 

ちなみに「盆」は、ペルシャ語の「ウラヴァン」(「霊魂」を意味する)という言葉が由来という説もありますよ。

 

お供え用お菓子

マルキヨ製菓はすでに旧盆用お菓子の準備を始めています。

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「レモンケーキ」や

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「餅各種」など、お供え用お菓子をたくさん用意しますが、盆とは関係なく、普段から仏壇にお供えする家庭もあるでしょう。また、行事とは関係無しに3時のおやつとしてもオススメですので、店頭で見かけたら手にとっていただくとうれしいです。

 

旧盆が来るまで毎日暑い日が続きそうですが、暑さに負けず、沖縄の行事を支えるため頑張りたいと思います。

 

今回はこの辺で。

 

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