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12月24日はクリスマスイブ? ウガンブトゥチ?

2024年01月26日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。ここ数日は寒い日が続いています。今日は最低気温14度ですが、2日前は11度でした。沖縄でこの気温は1年間を通して最も寒いといえるでしょう。

 

ただ、少しずつ気温が上がってきて、来週には最高気温25度の日もあるようです。ひょっとしたら、冬の終わりはもうすぐなのかもしれませんね。

 

旧暦の世界は年末

今日は新暦1月26日ですから、とっくの昔に正月気分は去っている事でしょう。ただ、旧暦の世界で今日は12月16日となっており、まさに年末という状況です。

 

新暦の世界でも年末年始は何かと忙しいように、旧暦の世界でも年末年始はかなり忙しいです。旧正月は沖縄で祝う家庭も多いですが、その前にやってくる「ウガンブトゥチ」という行事が、マルキヨ製菓としても対応が忙しくなる行事です。

 

「ウガンブトゥチって、どんな行事ですか?」と聞かれる事がしばしばあります。特に、沖縄県外から沖縄の家に嫁いできた女性にとっては、名前からして謎の行事のようです。

 

周りからはヒヌカンに対する大切な行事と言われる事が多いようです。今回は沖縄県の人にもそうでない人にも、「ウガンブトゥチはどんな行事なのか?」をわかりやすくお話ししたいと思います。まずは関連のある「ヒヌカン信仰」を先に話しましょう。

 

沖縄のヒヌカン信仰

沖縄ではヒヌカン信仰というものがあります。「ヒヌカン」とは「火之神」、すなわち火の神様の事で、家の中の火を扱うところに鎮座して、家を見守っています。昔なら竈(かまど)、現代ならコンロの近くにヒヌカンはいるのです。

 

今ではIHの家庭も多いと思いますが、ヒヌカンは家を見守るのが仕事なので、その近くにいるでしょう。そのヒヌカンに対し、沖縄では旧暦の1日と15日に手を合わせる独特の風習があります。

 

その日はヒヌカン(火之神)にお供え物をしたり、チャーギと呼ばれる植物を添えたりし、手を合わせます。昔から沖縄で続けられる風習です。家の中で手を合わせる場所といえばもう1つ、ご先祖様の位牌がある仏壇があります。

 

実はヒヌカンに手を合わせる方が、仏壇でご先祖様に手を合わせるよりも歴史的に長いのです。沖縄に仏壇が入ってくるのが17世紀ごろなのに対し、ヒヌカンに手を合わせる風習はそれ以前から沖縄にありました。

 

沖縄固有のヒヌカン信仰ですが、その由来は諸説あります。特に中国の道教と深く結びついていると言われています。

 

地域や家庭によって違いはあるものの、一般にヒヌカン関連の行事を行うのは女性です。「台所は女性が守るもの」という昔の考えがあり(今はその限りではありませんが)、基本的にヒヌカンに手を合わせる事に対して男性は参加しませんでした。

 

しかし、今や令和の時代。「男女関係なく」となりそうですが、沖縄では昔から祭祀を行うのは神に通じる力を持つと言われた女性という背景もあります。そういうわけで、ヒヌカン関連の行事も一般には女性が行う事になっています。

 

例えば周りの男性に、ヒヌカンやウガンブトゥチについて聞いてみるといいでしょう。しっかり答えられる人は少ないと思います。個人的には、ヒヌカンやウガンブトゥチについて、男性陣にも知っておいて欲しいし、知っていて損はないと思います。

 

では、次に「ヒヌカン」についてお話ししましょう。

 

ヒヌカンの仕事

火の神様である「ヒヌカン」は旧暦1月4日に天から地上へと降りてきます。そして、各家庭の台所のある所へ鎮座し、その家を約1年間見守り続けます。旧暦12月24日になるとその役目を終え、天へ戻ります。

 

天に戻ると、上司にあたる天帝様にその家で起こった1年間の様子を報告します。そして年が明け、旧暦1月4日になると再びヒヌカンは地上へ降り、各家庭に入って家を見守ります。この1年を通したサイクルがヒヌカンの業務となります。

 

ヒヌカンの上司にあたる天帝とは、中国の道教における最高神「玉皇大帝(ぎょっこうたいてい)」の事です。このことから、「ウガンブトゥチ」という行事は中国の風習とも結びついている事がわかります。

 

玉皇大帝は全宇宙の支配者であり、天界だけでなく地上に住む我々や地底に住むあらゆるものにまで、その支配力が及びます。各家庭の財政や禍福(かふく=不幸と幸福)をもたらすだけでなく、地上のありとあらゆるものをコントロールしているのです。

 

普段からヒヌカンに手を合わせている人でも、実はヒヌカンに上司がいて、その上司がこの世の全てを支配しているという事まで知っている人は少ないんじゃないかなと思います。

 

ウガンブトゥチ

では、「ウガンブトゥチ」とはどんな行事なのでしょうか? 「ウガンブトゥチ」は「御願解き」と表し、文字通り「ウガミ(御願)を解く」という意味になります。

 

旧暦12月24日に行われる行事ですが、この日はヒヌカンが天へ帰る日です。12月24日と聞くと、世間一般はクリスマスイブで浮かれているイメージですが、それは新暦での話。

 

旧暦12月24日は家の中を掃除し、ヒヌカンへのお供え物を新しくして、「この1年間、ありがとうございました」と、家を見守ってくれたヒヌカンに感謝して手を合わせます。

 

それをもって、その年のウガミ(御願)を解く。それが「ウガンブトゥチ(御願解き)」という行事なのです。

 

ウガミ(御願)を解く際、ヒラウコーという平たい形の線香を焚きます。この煙と共にヒヌカンは天へ昇っていきます。ちなみに旧盆最終日の「ウークイ」もヒラウコーを焚き、ウヤファーフジ(ご先祖様)はその煙にのってグソーへ旅立ちますよ。

 

そして、「ウガンブトゥチ」から10日後にあたる旧暦1月4日になると、ヒヌカンは天から降りてきて各家庭の台所のある場所へ鎮座し、再びその家庭を1年間見守ります。

 

なので、この日は丁重にヒヌカンをお迎えする「ヒヌカンウンケー(火之神迎え)」という行事の日になります。「ウガンブトゥチ」と「ヒヌカンウンケー」は、対(つい)になっている行事なのです。

 

ウチャヌクをお供えする

 

ヒヌカンにお供えするお菓子の1つに

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「ウチャヌク」があります。マルキヨ製菓は来週やってくるウガンブトゥチに合わせて、このウチャヌクをたくさん作っていますよ。

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すでに、いくつかのスーパーでは販売も開始しています。基本的にヒヌカンへお供えするお菓子ではありますが、おやつとしても食べていただけたらと思います。10個の餅やタンナファクルーが入っていて、けっこうコストパフォーマンスのいいお菓子です。

 

来週の金曜日は、そのウチャヌクを紹介する予定なのでお楽しみに。このウチャヌク、なかなか大量に作っているので、今週来週は忙しいマルキヨ製菓です。

 

沖縄の行事を支えるため今日も頑張りますので、マルキヨ製菓のお菓子たちをよろしくお願いします。

 

今回はこの辺で。

 

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