旧暦7月の旧盆と新暦8月の盆【旧盆特集-8-】
2023年08月11日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。台風が過ぎ去って数日、風もおだやかになると同時に暑さが増してきました。水分をこまめに取って熱中症対策を意識しているところです。
今日は「山の日」で、世間一般は公休日ですね。公休日関係無しのマルキヨ製菓は旧盆に向け、朝からお菓子作りを頑張っています。8月も中旬に入り、旧盆は下旬にやってきます。これからさらに忙しくなるので、台風での遅れを取り戻すためにも頑張りどころです。
さて、今回は旧盆特集の記事を掲載しましょう。
バックナンバー
2023年、旧盆の日程を確認しておきましょう。
⇒【今年(2023年)の旧盆】
目連は死後に餓鬼道へおとされた母親を救うため、師匠である釈迦に「どうすれば母親を救えるか」を聞きました。釈迦のアドバイスとは?
⇒【釈迦の教え】
盆は中国から伝わった行事です。日本へ伝わったのは今から1400年以上も前の飛鳥時代です。
⇒【盆は中国から伝わった】
「エイサーの祖」と呼ばれる袋中上人(たいちゅうしょうにん)は、福島県出身の僧。エイサーのルーツは、福島の「じゃんがら念仏踊り」にありました。
⇒【袋中上人】
「エイサー」という言葉は、念仏歌謡の中に出てくる囃子詞(はやしことば)「エイサー、エイサー、ヒヤルガエイサー」から来ていると言われています。
⇒【エイサー】
「踊り念仏」から「念仏踊り」へ、そして「念仏踊り」から「盆踊り」へ。宗教的側面が強かった念仏を唱える事が、時代の流れと共に盆踊りへ発展していきます。
⇒【盆踊り】
正月の時に子どもへ渡すのがお年玉なら、お盆の時に渡す「お盆玉」というのもあります。どれぐらいの人がお盆玉を渡すのか? 渡す金額はどれぐらいなのでしょうか?
⇒【お盆玉最新情報】
月送り
新暦8月28日[旧暦7月13日](月):ウンケー
新暦8月29日[旧暦7月14日](火):ナカビ
新暦8月30日[旧暦7月15日](水):ウークイ
今年の旧盆の日程は上の通りです。本土では新暦8月13日から15日で盆を行います。旧暦だと7月に行うお盆が、新暦だと8月に行うのには理由があります。
旧暦で行事を行う事の多い沖縄ですが、普段の生活はもちろん新暦に合わせています。今の新暦が日本で採用されたのが明治時代の初期の頃ですが、新暦採用前は日本全体で旧暦が使われていました。
それゆえ新暦が使われる前の日本では、全国どこでもお盆は旧暦7月に行うものでした。明治6年、明治新政府が現在でも使われている新暦(グレゴリオ暦)を採用します。
明治6年は西暦1873年なので、今からちょうど150年前になります。旧暦と新暦には1ヶ月前後の差があるため、切り替わった直後は各地でいろいろな混乱をきたしました。
例えばこのブログを更新している日は新暦だと8月11日ですが、旧暦だと6月25日です。もし昨日まで旧暦で今日から新暦に変わったとしたら、昨日は6月24日で今日は8月11日となります。なんと7月がまるまる消滅する事になるのです。混乱するのも当然ですね。
それゆえ新暦が日本全国に浸透するまでは時間を要します。そして旧暦から新暦に切り替わって以降数年の間、今まで通り旧暦7月にお盆を行う家庭と、新暦の7月に合わせてお盆を行う家庭に分かれました。
旧暦と新暦では約1ヶ月近いズレが生じることが多いため、まず新暦7月でお盆を行う家庭があり、その約1ヶ月後に旧暦の7月がやってきて、そこでお盆を行う家庭も出てくるわけです。同じ地域なのにお盆を行う時期がバラバラな事態が各所で現れたのです。
新暦の7月に合わせると、これまでやってきたお盆より1ヶ月早くご先祖様がこちらに降りてこなくてはならないため、ある地域では「これまでのお盆の時期に合わせよう」となりました。
その声に賛同者も多く、旧暦では7月に行っていたお盆を新暦では1ヶ月ズラして8月に行う事にしました。こうすると、これまで行っていたお盆と近い時期にご先祖様を迎え入れられるわけです。これが旧暦と新暦によるお盆の時期の違いになります。
このように「行事を1ヶ月先にズラす事」を「月送り」と言います。
終戦記念日
そしてもう1つ、お盆を新暦8月に行う理由があります。それは8月15日が終戦記念日だからです。
太平洋戦争が終結した年は1845年、後にその8月15日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とすることが閣議決定し(1982年)、「終戦記念日」が設定されました。
新暦8月15日は戦没者に手を合わせる日であり、それはすなわち戦争で亡くなったご先祖様がいれば、その方達にも手を合わせる事になります。それゆえ新暦8月15日(終戦記念日)をお盆と重ねる事は「タイミング的にもいい」というわけなのです。
ご先祖様も7月と8月、立て続けにこちらの世界にやってくるのもきっと大変です。沖縄なら旧暦7月、本土まら新暦8月、時期的にも近いこの期間に、こちらへ降りてきてもらうというわけです。
改めてまとめます。旧暦7月で行っていたお盆を新暦8月で行う主な理由は2つあり、それは旧暦で行っていたお盆の時期に合わせるための「月送り」、そして「戦没者の慰霊」です。
今年は新暦の盆がやってきた後、月末に旧盆がやってきます。霊が見える知り合いが「沖縄のご先祖様は旧暦に合わせてこちらに降りて来る」と言っていました。沖縄で旧盆を行う方は月末の旧盆に向け、ご先祖様を迎え入れる準備をしっかりとしておきましょう。
旧盆の対義語は新盆ではない
旧暦で行う盆が「旧盆」なので、新暦で行う盆を「新盆」と言いそうですが、それは間違いなので気をつけましょう。「新盆」は故人とお別れしてから初めて迎えるお盆の事で「にいぼん」「みいぼん」という読み方になります。
「しんぼん」と呼んで、「新暦で行う盆」という意味で使う事もありますが、正確には故人が初めて迎えるお盆という意味で「新盆」という言葉を使うので、使い方を間違えないように気をつけましょう。
旧盆まで約2週間。マルキヨ製菓としては、ものすごく忙しい時期に突入します。
今年は過去最高の量の「菓子セット」をリリース予定なので、旧盆の時は是非、マルキヨ製菓のお餅やお菓子をお供えしていただければと思います。
今回はこの辺で。
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