旧暦1月の行事
2024年02月13日
明けましておめでとうございます。マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。新年始まって、最初のブログ更新となります。もちろん「新年」とは、旧暦での話です。先週土曜日、新暦で2月10日になりますが、その日が旧暦1月1日の元日でした。
今日は旧暦1月4日という事で、正月三が日が明けたところです。特に今日は「ヒヌカンウンケー」という行事の日でもありますが、旧暦1月には他にもたくさんの行事があります。
今回はそれら「旧暦1月の行事」の中でも、特に行っている人が多いであろう行事をピックアップして紹介したいと思います。
旧暦1月1日:旧正月
旧暦1月1日は旧正月。沖縄ではこの日、ご先祖様に手を合わせたりお祝いする家庭も多いですよ。
かつての琉球では、旧暦1月1日になると早朝に水を汲(く)みに行く風習がありました。現代のように各家庭に水道がある時代ではありません。井戸や泉まで足を運び、水を汲みに行きました。
とくに、元日の早朝に汲んできた水は神から人間へ贈られた「若返りの水」という事で、「若水」と言われます。
まだ初日の出が昇る前、男子は集落にあるカー(泉)から若水を汲んで家に持ち帰り、ヒヌカンや仏壇にお供えします。若水を汲むのは男子の仕事だったようですが、糸満など地域によっては女性が汲みに行くところもあります。
仏壇やヒヌカンへのお供え物を新しくし、鏡餅やしめ縄などを必要なところに飾って正月の準備は完了。ご先祖様やヒヌカン(この時は家ではなく天にいる)に手を合わせ、新年の挨拶をします。
ちなみに「明けましておめでとうございます」は、ウチナーグチ(沖縄の言葉)で「イーソーグヮチデービル」と言いますよ。
旧暦1月4日:ヒヌカンウンケー
沖縄ではヒヌカン信仰というものがあります。各家庭にはヒヌカン(火之神)が常駐し、家の事を見守っています。そのヒヌカンは旧暦12月24日になると、天へ昇っていきます。そして、上司である天帝に各家庭の様子を報告するのです。
この旧暦12月24日はヒヌカンを天へ送り出す「ウガンブトゥチ」という行事の日となります。ヒヌカンに対するお供え物やお酒、米などを新しくし、チャーギと呼ばれる植物を用意。ヒヌカンに手を合わせ、丁重に送り出します。
この「ウガンブトゥチ」と対(つい)になるものが、旧暦1月4日の「ヒヌカンウンケー」という行事です。旧暦12月24日に天へ昇ったヒヌカンは、その10日後にあたる旧暦1月4日、再び各家庭へと舞い戻ってきます。
ヒヌカンが帰ってくる前に、ヒヌカンが鎮座すると言われている台所まわりをしっかり掃除し、綺麗にしておきます。「ウガンブトゥチ」同様、酒や米、ウチャヌクなどのお供え物も新しくし、チャーギも用意します。
準備が整ったら丁重にヒヌカンをお迎えし、手を合わせます。そして「昨年、家を守っていただいた事」に感謝し、「今年も家をしっかり守って下さい」と祈願します。
この「ヒヌカンウンケー」は、中国の竈(かまど)の神をお迎えする風習に由来すると言われています。沖縄では「ヒヌカン」ですが、中国では「竈の神様」を信仰する風習があります。昔の中国では特に、竈の神様が戻ってくる正月は盛大におもてなししました。
この風習が琉球へもたらされたのが14世紀頃で、すでにあったヒヌカン信仰と結びついて「ヒヌカンウンケー」という行事に発展したと考えられています。「ヒヌカンウンケー」は700年近く続く、伝統ある行事なのです。
このブログが更新されている日がまさに「ヒヌカンウンケー」の日です。
ヒヌカンに手を合わせている家庭は是非、マルキヨ製菓の「ウチャヌク」をお供え下さい。
旧暦1月16日:ジュウルクニチー
マルキヨ製菓にとって、旧暦1月で最も大きい行事が「ジュウルクニチー」です。現在、この行事に向け、マルキヨ製菓はスタッフ一同フル回転で行事用お菓子を製造中です。
「ジュウルクニチー」は旧暦1月16日に行われる行事。沖縄県内、特に首里から離れた地域では盛大にお祝いするところも多いですよ。この行事に関しては後日、このブログにて細かくお話ししたいと思います。
他にもいろいろ
新年という事で、旧暦1月の行事は他にもいろいろあります。
旧暦1月2日、3日に行われる「ハチウクシー」は仕事始めの儀式で、その年の安全祈願や豊作・豊漁を祈願します。
旧暦1月20日の「ハチカソーグヮチ」では、こちらの世界の正月とあちらの世界の正月が全て終わる、いわば旧正月のしめくくりの行事です。かつて「那覇三大まつり」の1つであった「ジュリ馬まつり」も、この日に行われました。
300年以上の歴史があると言われる「ジュリ馬まつり」ですが、諸事情により1988年を境に途絶える事になりました。しかし2000年代に復活、今年(2024年)も3月17日に開催される事が決定しています。
その他、離島や一部地域で行われる行事も含めると、旧暦1月は行事で忙しい月といえるでしょう。
何百年も続く行事もあれば、廃れてしまった行事もあります。「ジュリ馬まつり」のように復活したものもあります。
10年後、20年後、あるいは100年後。今行われている行事がどうなっているのか。さすがに100年後はこの世にいませんが、あの世から沖縄の行事がどうなっているのか、見守っているかもしれません。
世間一般では3連休が明けたばかりでしょう。マルキヨ製菓は公休日は関係ないので、昨日から「ジュウルクニチー」に向け、行事用お菓子をたくさん作っていますよ。沖縄の行事を支えるため、午後も頑張りますよ!
そんなマルキヨ製菓を、今年もよろしくお願いします。
今回はこの辺で。
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