ヒヌカンは1月4日に戻ってくる
2024年02月6日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。3週間前のムーチーの時は暑く、2週間前は気温11度の日があるなど寒かったです。そして、先週はまた25度の日もあって暑かったのですが、今日はまた最高気温が20度を下回り、朝晩は寒い沖縄です。
今週は13度まで下がる日もあり、さらに雨降りの日もちらほら。この1ヶ月は寒い週と暑い週が交互に来ている感じですね。この気温変化で体調を崩さないよう、体調管理をしっかりしていきましょう。
さて、先週の土曜日に【ウガンブトゥチ】という行事が無事に終わりました。現在、各家庭にはヒヌカンがいない状況となっています。家の守り神であるヒヌカンがいないので不安になるかもしれませんが、来週また各家庭に戻ってくるのでご安心下さい。
沖縄では昔からあるヒヌカン信仰。このヒヌカンについて、今回はいくつかお話ししていこうと思います。
バックナンバー
沖縄には古くから「ヒヌカン信仰」があり、各家庭を見守っていると言われるヒヌカン(火之神)に対し、定期的にお供えしたり手を合わせたりします。旧暦12月24日にヒヌカンは天へ帰るので、丁重に送り出しましょう。
マルキヨ製菓はヒヌカンにお供えするお菓子として「ウチャヌク」を製造しています。オリジナルの「タンナウチャヌク」など、「ウチジフェーシ」という作法も合わせて紹介します。
通常は月2回ヒヌカンに手を合わせる
旧暦の1日と15日、家を見守っているヒヌカンに対してお供えものをし、手を合わせて拝みます。旧暦の1日は新月、15日は満月に近い日となり、その日に手を合わせます。
旧暦1日には家内安全や家族の円満な関係などを祈願し、旧暦15日にはその半月間を無事に過ごせた事へ感謝する気持ちを伝えます。
ヒヌカンを祀る場所は、各家庭のコンロ近くだったりが多いと思います。チャーギという植物や水、お酒、白ウブク(ご飯をドーム状に盛ったもの)、塩などをお供えし、線香を立てる香炉も置きます。
旧暦1日や15日には線香に火をつけてその場所へ立て、ヒヌカンに手を合わせるのです。手を合わせる際は「水やお酒を新しいものに変えたりする」「線香は何本立てる」などの他、地域や各家庭での作法もありますので、自分なりに調べてみるといいでしょう。
タブーも知っておこう
ヒヌカン信仰において「やってはいけない」、いわゆるタブーというものが存在しますので、それも紹介しておきましょう。
個人的に1番やってはいけないと思っているのが「愚痴や文句を言うこと」です。ヒヌカンは家の守り神です。家の中で愚痴ったりすると、当然それそれはヒヌカンも聞いています。
特に家に関する愚痴を言おうものなら、家を守る神様に文句を言っているのと同じになるわけで、それはけしてやってはいけないのです。
ヒヌカンはウガンブトゥチでいったんその家を離れ、天帝という上司にその家の事を報告します。天帝は各家庭に幸せも災いももたらすとされている絶対的な神です。
「家の中で愚痴る」→「ヒヌカンは自身への愚痴ととらえる」→「それを天帝に報告する」→「その事をよく思わない天帝は、その家に災いをもたらす」。そんな可能性もあるというわけです。
家を守るヒヌカンに感謝の言葉を述べるのは構いませんが、愚痴ったりする事はやめましょう。ただ、そこは人間。どうしても、文句の1つや2つ、言いたくなる時もあるでしょう。
そんな時は「ヒヌカンがこの家を守っていなければ、もっとひどい事になっていたかもしれない」とい思うようにしましょう。そして、自分自身も良い方向になるよう努力する事を意識する。そうすれば明るい未来が待っている事でしょう。
「ヒヌカンに嘘の報告をする」や「家の中で夫婦喧嘩や親子喧嘩をする」のもNGです。ヒヌカンに気を遣って疲れるかもしれませんが、逆に「そういう事が起こらないように日々を心がける事」も大事だと思います。
日々穏やかで幸せな家庭を築くためにも、ヒヌカンはいい形で抑止力を持っているのかもしれませんね。
灰をやたらと触ってはいけない
ヒヌカン(火之神)はその名の通り、火のある所にいる神様です。特に香炉の中にある灰に宿るとされています。それゆえ、その灰をやたらと触る事はタブーの1つとされています。
例えば、ヒヌカンに手を合わせる日など、香炉周りを綺麗にするため、灰に手を触れる事もあるでしょう。
また、ヒヌカンは親子で継承する事もありますので、例えば娘が結婚して家を出る時、娘の家庭をヒヌカンに守ってもらうため、親が使用していた香炉を娘に渡す事もあるでしょう。
その際、散らかっている灰に触れたり、香炉の中の灰をならしたりしますが、「この灰にヒヌカンが宿っている」と意識して丁寧に取り扱いましょう。
そういう時でない場合は、香炉の灰に手を触れる事はやめましょう。神が宿っているので、むやみやたらに触るのは失礼にあたります。そして、もう1つ。
ヒヌカンはこの灰に、家の事を記録していると言われています。なので、何でもない日に灰に触れるという事は、「家の悪い記録を消すため」とヒヌカンに思われてしまう可能性があるのです。
「灰にはヒヌカンが宿っているため」「家の記録を改ざんしていると誤解されないため」。この2点で、安直に灰に触れる事は良くないと言われているのです。
香炉に灰が溜まって掃除しなければならない場合、ヒヌカンに手を合わせ「灰がたくさんになったので、お掃除します」と報告してから掃除するのがベストですね。
他にも「玄関が見える位置にヒヌカンを祀る場所を配置してはいけない」、「悪い方角へヒヌカンを祀ってはいけない」というのもあります。
「午(うま)の方角」(南)には豊穣(ほうじょう)の神が住んでいるという事で、その方向へ設置する事はいいとされます。逆に「申(さる)の方角」(西南西)は縁起が悪い方角とされています(理由は諸説あり)ので、その方向にヒヌカンを祀ってはいけません。
今回紹介した「ヒヌカンに対して、してはいけない事」は、地域によって異なる場合もありますし、同じ地域でも家によってその内容が変わる時もあります。
お住まいの地域や家庭で、ヒヌカンに対してどのように手を合わせてきたか、どのような事はNGとされていたのかを調べておくとよいでしょう。
今は天にいるヒヌカンですが、その間にヒヌカンの事を調べておくのもいいですね。ちょうど1週間後の旧暦1月4日(新暦2月13日)には再び各家庭へ降り立ちます。
ウチャヌクなどをお供えして、しっかりお迎えしましょう。
今度土曜の旧正月、来週のヒヌカンウンケー、さらにはジュウルクニチーと、マルキヨ製菓は今月も沖縄の行事を支えるため頑張ります。スーパーでマルキヨ製菓のお菓子を見かけたら是非、手にとっていただけたらと思います。
今回はこの辺で。
平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。
ブログランキング参加中です。よかったらポチッとお願いします。
↓
商品取り扱い店舗
- ・タウンプラザかねひで
- ・イオン琉球㈱
- ・リウボウストアー
- ・㈱丸大
- ・㈱サンエー
- ・ユニオン
- ・コープおきなわ
- ・JAおきなわAコープ
- ・野原食堂(宮古島)
- (順位不同)
※工場でもご購入可能です。毎日製造する商品は異なりますので、事前にお問合わせください。