スタッフブログ

ウチカビ[旧盆⑨]

2022年08月2日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。前日まではけっこう天気が荒れていた沖縄。台風の影響もあったと思いますが、ガッツリと雨が降っていました。一転、今日は朝から晴天が広がっています。

 

今週は「旧の七夕」、来週は「旧盆」がありますので、このままいい天気が続いて欲しいですね。

 

さて、来週の「旧盆」がやってくるまで、本ブログでは毎週火曜日にお盆関連の記事を、毎週金曜日にお供え用のお菓子を紹介する記事を掲載中です。今日は火曜日なので、お盆で必須のアイテムについてお話ししますよ。

 

バックナンバー

釈迦の弟子、目連の母親はその身勝手な性格が災いして地獄へ落ちてしまいました。目連は何とか母を救うために神通力を使いますが、うまくいきません。釈迦に相談したところ、母と同じように苦しむ人も助けよとアドバイスされました。

⇒【釈迦のアドバイス

 

「盆」という言葉の由来は「逆さづり」です。「盆」が中国経由で沖縄に伝わったのは、今から1400年も前の飛鳥時代。一般庶民にこの行事が広がるのは江戸時代になってから。「ろうそく」が安価になったのが要因と言われています。

⇒【日本に盆が伝わったのは1400年前

 

「盆踊り」の起源は平安時代の「踊り念仏」。念仏を唱える事がメインの「踊り念仏」から、エンターテインメント性が強くなった「念仏踊り」に変遷。盆の時期に踊る「念仏踊り」が「盆踊り」として定着していきます。

⇒【盆踊り

 

沖縄では旧盆の時期に踊る姿をよく見る「エイサー」。その語源は「念仏踊り」を踊る際に出てくる囃子詞(はやしことば)「エイサー、エイサー、ヒヤルガエイサー」からきています。

⇒【エイサー(前編)

 

エイサーを沖縄で広めたのは、袋中上人(たいちゅうしょうにん)という人物でした。彼の故郷である福島県の伝統芸能「じゃんがら念仏踊り」をアレンジしたものが「エイサー」につながるのでした。

⇒【エイサー(後編)

 

お盆は旧暦の7月で行う「旧盆」と、新暦の8月で行う通常の「お盆」に分かれます。旧暦で行うのは沖縄と鹿児島の一部地域のみですが、何故旧暦で行う時は7月で、新暦で行う時は8月なのでしょうか? それには2つの理由がありました。

⇒【旧暦は7月新暦は8月にお盆をする理由

 

お正月、子供たちに渡すものといえば「お年玉」ですが、お盆の時期に子供たちに渡す「お盆玉」というのもあります。どのぐらい渡すのか、もらった子供たちはどんなものにお盆玉を使うのか等、お盆玉関連のお話になります。

⇒【お盆玉という風習

 

旧盆の1週間前にやってくるのが「旧の七夕」で、いわば旧盆に向けた準備をする日です。仏壇や墓の移動など、それを行う日取りなどに制限がつくものは、その日にやっても大丈夫とされ、それを「七夕日なし」と呼びます。

⇒【旧の七夕

 

ウチカビ

このブログの更新日が8月2日で、旧暦だと7月5日になります。明後日、旧暦7月7日が「旧の七夕」となりますよ。ここ数日は霊園前を通ると、そこで掃除をしている方も見かけます。

 

ご先祖様をこちらの世界に迎え入れるため、準備に励む人たちを見ると、沖縄の人は本当にご先祖様に対して敬う気持ちが強いんだなと感じます。

 

旧盆の最終日は、ご先祖様が再びあの世へ帰るウークイです。その時に「ウチカビ」と呼ばれるものを燃やしますよね。この風習は中国由来のものだという事から紹介しましょう。

 

14世紀以降多くの中国人が、琉球へやってきました。特に那覇の久米村という所に住んでいた彼らの勢力は大きく、令和になった今でもそのコミュニティは健在です。彼らを通して、中国の文化や風習が沖縄に持ち込まれました。

 

「紙銭を燃やす」という風習も中国由来のもの。当初は久米村の士族間で行われていた紙銭を燃やす風習。それが首里の士族へ、さらに時間をかけて一般庶民に広まります。その紙銭が「ウチカビ」なのです。

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沖縄のお店でよく見るウチカビですが、ちゃんと「紙銭」と書いているの、知ってましたか? ちなみに「紙銭」は沖縄の言葉で「カビジン」と言います。文字通り、紙で出来たお金というわけです。

 

1726年に編纂された「四本堂家礼」という資料には、「シーミー(清明)の時に、ウチカビを燃やした」という記述があります。18世紀当時は、ウチカビを燃やすのは士族までで、一般市民へその風習が広がるのは明治以降になります。

 

昔の中国では「この世にある物を燃やせば、あの世でも使えるようになる」という考え方がありました。その考えが受け継がれ、お金も燃やす事であの世で使えるようになるというわけなのです。

 

ただ、本物のお金を燃やすわけにはいきません。紙や藁など燃えやすい素材で「あの世のお金」を作り、それを燃やす事で、ご先祖様にあの世で使ってもらおうというわけです。

 

ご先祖様が関係する行事で「ウチカビを燃やす」のは、ご先祖様に「あの世で使えるお金を渡す」という意味なのです。「ウチカビを燃やす」という風習は沖縄では身近だと思いますが、日本でその風習があるのは沖縄と奄美の一部地域だけ。

 

国外では、中国や台湾、韓国、ベトナムでも「紙銭を燃やす」風習は見られます。中国のウチカビはやけに大きかったり、台湾のウチカビはガンガン燃やしたりと、国によって「ウチカビ」の個性があったりしますよ。

 

基本、ウチカビは室内で燃やす事が多いです。外で燃やすと風の影響で、灰が飛び散ったりして大変です。ボウルに水を引いて、その上にアルミホイルなどを敷き、その上でウチカビを燃やしたりします。

 

ただ、マンションなどにお住まいの方は、ウチカビを燃やす際、火災探知機が反応しないよう気をつけて下さい。探知機が反応すると、ご先祖様もあの世に戻りづらくなるでしょう。

 

あの世の価値に換算すると

ウチカビを燃やす際は5枚1束となっている事が多いです。あの世に送金する1回分のお金の価値は「5万ぐゎん」。「ぐゎん」=「貫(かん)」で、これは銀と銅の重さを基準に決められた単位です。

 

現代の価値にしますと(計算の仕方はいくつかあるようです)、約7500万円だとか。1人1束燃やすと7500万円をグソーに送金している事になるわけです。4人で燃やせば3億円です。あの世は、こちら以上にインフレが起こっているようです。

 

明後日が旧の七夕なので、旧盆のスタートはその日と言っていいかもしれません。今週のマルキヨ製菓は、この行事のためスタッフ一同クタクタになるまでお菓子を準備しています。今年の旧盆は是非、マルキヨ製菓のお菓子もお供え下さい!

 

今回はこの辺で。

 

平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。

⇒【マルキヨ製菓:Facebook

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