旧暦は7月、新暦は8月にお盆をする理由[旧盆⑥]
2022年07月12日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日も朝から蝉の大合唱。天気も非常によく、室内にいてもクーラーが効いてないとけっこう暑さを感じます。
旧盆まで残り1ヶ月。とにかくスタッフ一同、旧盆に向けお菓子作りを頑張っているところです。シーミーも忙しいですが、その行事は約1ヶ月の間に分散して執り行います。
しかし旧盆は、ウンケー・ナカビ・ウークイの3日に全集中で行事を執り行うため、集中的にお菓子を店頭に出す量がハンパないのです。そのための準備もなかなかタフで、旧盆まで「まだ1ヶ月ある」ではなく、「もう1ヶ月しかない」状態が今なのです。
というわけでこの1ヶ月が勝負。気合いを入れて、お供え用お菓子を準備したいと思います。
そんな旧盆まで、毎週火曜日はお盆関連の記事を掲載中です。金曜日は旧盆用のお供えお菓子を紹介中ですので、そちらと併せてお読み下さい。
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釈迦の弟子、目連の母親はその身勝手な性格が災いして地獄へ落ちてしまいました。目連は何とか母を救うために神通力を使いますが、うまくいきません。釈迦に相談したところ、母と同じように苦しむ人も助けよとアドバイスされました。
⇒【釈迦のアドバイス】
「盆」という言葉の由来は「逆さづり」です。「盆」が中国経由で沖縄に伝わったのは、今から1400年も前の飛鳥時代。一般庶民にこの行事が広がるのは江戸時代になってから。「ろうそく」が安価になったのが要因と言われています。
「盆踊り」の起源は平安時代の「踊り念仏」。念仏を唱える事がメインの「踊り念仏」から、エンターテインメント性が強くなった「念仏踊り」に変遷。盆の時期に踊る「念仏踊り」が「盆踊り」として定着していきます。
⇒【盆踊り】
沖縄では旧盆の時期に踊る姿をよく見る「エイサー」。その語源は「念仏踊り」を踊る際に出てくる囃子詞(はやしことば)「エイサー、エイサー、ヒヤルガエイサー」からきています。
⇒【エイサー(前編)】
エイサーを沖縄で広めたのは、袋中上人(たいちゅうしょうにん)という人物でした。彼の故郷である福島県の伝統芸能「じゃんがら念仏踊り」をアレンジしたものが「エイサー」につながります。
⇒【エイサー(後編)】
今年の盆の日程
沖縄、および鹿児島の一部地域では旧暦7月13日~15日の3日間でお盆を行います。それに対し、本土では新暦8月13日~15日の3日間でお盆を行うのが一般的です。それゆえ、本土にいる沖縄の人が「お盆休みが合わない」というのが悩みの種になる事もしばしばです。
今年(2022年)の旧盆の日程を見てみましょう。
旧暦7月13日(水)(新暦8月10日水曜日):ウンケー
ご先祖様がグソー(あの世)から、こちらの世界に戻ってくるのをお出迎えする日です。
旧暦7月14日(木)(新暦8月11日木曜日):中日(ナカビ)
ご先祖様と一緒の時間を過ごす日です。
旧暦7月15日(日)(新暦8月12日金曜日):ウークイ
グソー(あの世)へ戻るご先祖様を送り出す日です。
ちょうど旧盆であるウークイの翌日から、新暦での盆がスタートします。ここで1つ疑問が生じます。旧暦では7月に行うお盆が、新暦だと8月に行うのは何故でしょうか? これには深い理由があるのです。
月送り
沖縄では旧暦を基準に行事を行う事が多いですが、普段の生活はもちろん新暦に合わせています。今の新暦が日本で採用されたのが明治時代の初期で、明治政府が新暦を採用する以前は、日本でも旧暦が使われていました。
それゆえ日本全国、新暦採用前のお盆は旧暦の7月に行われていました。
明治政府が現在使われている新暦(グレゴリオ暦)を採用したのは明治6年。西暦で1873年なので、今から約150年前になります。旧暦から新暦に切り替わる時、いきなり1ヶ月ぐらい飛んだため、当初は混乱をきたしました。
そして、新暦が日本全国に浸透するまでは時間を要します。この旧暦から新暦に切り替わって数年の間、今まで通り旧暦7月にお盆を行う家庭と、新暦の7月に合わせてお盆を行う家庭に分かれました。
旧暦と新暦では約1ヶ月近いズレが生じることが多いため、まず新暦7月でお盆を行う家庭があり、その約1ヶ月後に旧暦の7月がやってきて、そこでお盆を行う家庭も出てくるわけです。同じ地域でもお盆を行う時期がバラバラという事態が出てきたわけです。
新暦の7月に合わせると、これまでやってきたお盆より1ヶ月早くご先祖様がこちらに降りてこなくてはならないため、ある地域の住民は「これまでのお盆の時期に合わせよう」となりました。
その声に賛同者も多く、旧暦では7月に行っていたお盆を、新暦では1ヶ月ズラして8月に行う事にしました。こうすると、これまで行っていたお盆と近い時期にご先祖様を迎え入れられるわけです。
このように「行事を1ヶ月先にズラす事」を「月送り」と言います。
終戦記念日
実はもう1つ、お盆を新暦8月に行う理由があります。それは8月15日が終戦記念日である事に関連します。
周知の通り、太平洋戦争が終結したのが1845年。1982年には、8月15日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とすることが閣議決定され、終戦記念日が設定されました。
新暦8月15日は戦没者に手を合わせる日であり、それはすなわち、戦争で亡くなったご先祖様がいれば、そちらにも手を合わせる事になります。それゆえ新暦8月15日をお盆と重ねる事は「タイミング的にもいい」というわけなのです。
ご先祖様も7月と8月、立て続けにこちらの世界にやってくるのもきっと大変でしょう。沖縄だと旧暦7月、本土だと新暦8月、時期的にも近い期間に、こちらへ降りてきてもらうというわけです。
以上をまとめると、旧暦7月で行っていたお盆を新暦8月で行う主な理由は2つ。旧暦で行っていたお盆の時期に合わせるための「月送り」、そして「戦没者の慰霊」というわけです。
今年は旧盆直後に新暦の盆もやってきます。沖縄のご先祖様は、ちゃんと旧暦に合わせてこちらに降りて来るそうなので、沖縄の方は旧暦カレンダーを確認しておいて下さい。
旧盆までの1ヶ月、暑さはさらに本格的になっていく事でしょう。熱中症対策やコロナ対策も忘れず、旧盆に向けご先祖様をしっかりと迎え入れる環境作りを心がけましょう。
今回はこの辺で。
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