旧暦8月の行事⑦
2022年11月22日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日は朝から曇り空。お昼過ぎ以降は雨の予報も出ています。しかし最高気温28度となっており、なかなかの暑さ。暑がりの私はクーラーのお世話になっていますよ。
週間天気予報を見ても、11月中に最低気温が20度を下回る事はなさそうです。このままだと12月もクーラーのお世話になっているかもしれませんね。さすが沖縄といったところでしょう。
さて、今回は「旧暦8月の行事」シリーズ完結編となります。ちなみに今日(11月22日)は旧暦10月29日、明後日からは旧暦11月に突入しちゃいます。
すでに終了している旧暦8月ですが、興味深い行事が多くて自分自身が調べたいと思い、これまで6回に渡り10以上の行事を紹介してきました。本当に沖縄には不思議な行事が色々な地域で行われていますよ。
バックナンバー
多良間島で五穀豊穣を祈願して踊られる「八月踊り」。同じく勝連町津堅島で五穀豊穣を祈願した「八月遊び」の中で踊られる「トーウドゥイ」。県内各地で行われる魔除けの行事「ヨーカビー」。豊年祭などで演奏される「ルジカク」についてお話ししています。
⇒【旧暦8月の行事①】
沖縄にも獅子舞の文化があり、沖縄各地には獅子舞が150~200頭ほど保存されていると言われています。「操り獅子」という独特な獅子舞は、日本でもこの沖縄だけにしかない珍しいものです。
⇒【旧暦8月の行事②】
那覇市天久にあるサチヒージャー(崎樋川)のウタキをまわる「サチヒージャーウガミ(崎樋川拝み)」という行事も旧暦8月にあります。伊江島ではヤマトの歌や踊りを取り入れた独特の芸能が代々継承されており、旧暦8月15日、神に奉納するための踊りとして披露されました。
⇒【旧暦8月の行事③】
宮古島では過酷な人頭税を払い終わった後に行う「マストリャー」という行事があります。宮古では約300年も続く伝統行事です。また、沖縄のごく一部では「ターファークー」というアクロバティックな踊りを披露する行事があります。
⇒【旧暦8月の行事④】
棒を持ったアクロバティックな演技を披露する、沖縄県各地で行われる「フェーヌシマ」という行事や、人が亡くなった時に遺体を乗せて運ぶ龕(がん)に関する「ガンゴー」という行事があります。
⇒【旧暦8月の行事⑤】
八重山諸島では旧暦の8月、五穀豊穣や子孫繁栄、無病息災などを祈願する「キツィガン」という行事が各地域によって行われます。小浜島で行われるその行事は「ユーニンガイ(世願い)」と言われ、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
⇒【旧暦8月の行事⑥】
池間島の人々
「ミャークヅツ」は旧暦8月から9月にかけ池間島と宮古島の一部地域で行われる、約200年もつづく伝統的な行事です。粟の豊作を祈願するお祭りで、その起源は江戸時代に行われた人頭税にあるようです。
重い税に苦しんでいた池間島の人々は、凶作が続く時は生活に困窮し、貧しい家庭は子どもを売りに出す事もありました。やがて安定した収穫が得られるようになると、島の人々の暮らしも少しずつ楽になりました。その喜びを感謝する祭りを行ったのが「ミャークヅツ」の起源と言われています。
池間島は耕す土地が少ないため、納めるだけの収穫が全然足りていませんでした。そこで一部の人たちは琉球独特の船「サバニ」を漕いで伊良部島へ渡り、その地を開墾して納める穀物を育てることにしました。
その伊良部島の佐良浜という所に、池間島の人々による村が作られます。明治時代になると池間島から宮古島の西原へ移動した者が西原村を作りました。なので池間島をルーツとする人々は、池間島の他に伊良部島の佐良浜や宮古島の西原にたくさんいるわけです。
池間島、伊良部島の佐良浜地区、宮古島の西原地区で、池間島最大のお祭りと言われる「ミャークヅツ」は行われるのです。「ミャークヅツ」を「宮古節」と表現する事が多いですが、池間島で「楽しむ」を「ミャーク」と言うので、「楽しむ月」というのが本来の意味になります。
ミャークヅツ
「ミャークヅツ」はどんな事をするのでしょうか? 通常3日行われる(4日の地域もある)その行事は初日を「アラビ」、2日目を「ナカヌヒ」、3日目を「アトゥヌヒ」と呼びます。最終日は「ブートイビー」とも呼びます(4日ある所は4日目)。
各村の中心となるムトゥと呼ばれる家があり、その家を中心とした4つの組織のどれかに池間島の人々は属しています。行事の日は自分の属するムトゥに足を運び、酒などをお供えして祈りを捧げます。
ミャークヅツアーグという歌を歌い、泡盛に練乳を入れた「ミルク酒」を皆で飲み交わします。そして夕方になると広場へ出向きます。
島の男性陣がおそろいのハッピを身につけたりタオルを頭に巻き、酒やごちそうを手にして道を練り歩いて広場へ。広場に出ると、宮古独特の舞踊であるクイチャーをにぎやかに踊ります。
そして、ツカサンマという神の使いである神女たちが豊作や子孫繁栄を祈願する神歌を歌います。ツカサンマの作る輪を男性陣が囲んで、お互いに声を掛け合いながら、夜まで賑やかに踊り続けます。
ちなみにクイチャーは「雨ごい」の踊りとも言われています。豊作を実現するためには、適度な雨も必要ですからね。そのクイチャーも地域によって、それぞれの踊り方がありますよ。
正確にはもっと細かい事を行ったり、いくつかの儀式を行ったり(赤ちゃんの名前をムトゥに登録する儀式など)があります。また、年齢によって役割があったりしますが、その説明に関して今回は割愛させていただきます。
ただ1つ言える事は、島の人にとって重要な伝統行事であるだけでなく、島の人たちの結びつきがとても強いという事。本やネットでこの行事の事を調べましたが、奥が深くて「人のつながり」を強く感じる行事でしたね。
旧暦8月の行事といえば、他にも十五夜などあります。今回は7回に渡って旧暦8月の行事を調べてきましたが、本当にたくさんの行事があり、100年200年続く伝統行事も多かったです。
また来年あたり、他の月の行事も調べてみたいなと思います。勉強になりますしね。
2022年も残りわずか。今年は12月30日に「ムーチー」というそれはそれは大きな行事がやってきます。その行事用の商品だけで無く、正月用の商品も作らなければならないため、年末は非常にタフな日程となっているマルキヨ製菓。
沖縄の行事を支えるという責務を全うするため、今から準備をしっかりこなしていきます!
今回はこの辺で。
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