事納め　【ムーチー⑥】｜マルキヨ製菓

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日は朝から寒いです。最低気温１１度、朝は１３度で小雨が降り、さらに風も強い。暑がりの私でも今日は長袖を身につけました。

 

夕方以降はさらに気温が下がりますし、明日もあさっても気温は低いです。寒さ対策をしっかりして、風などひかぬように過ごしましょう。

 

先週、無事に「ムーチー」が終わりました。おかげさまで、多くの店でマルキヨ製菓のムーチーは売り切れていたようです。今年食べ逃した方は、来年に是非、お買い求め下さい。

 

すでに終了したムーチーですが、今回はムーチーとも関わる「旧暦１２月８日」に関連したお話をしましょう。

 

バックナンバー

昔、むかし、首里に住んでいた兄妹（きょうだい）がいました。妹が結婚して兄の元を離れると、兄は鬼と化して村の家畜や子どもを食べていきました。妹は鬼を退治するべく、鉄入りの餅を食べさせる作戦を立てます。この餅が「鬼餅（ムーチー）」です。

⇒【ムーチー伝説】

 

首里城から歩いて１０分ほどの所に、ムーチー伝説ゆかりの地があります。伝説では妹が鬼となった兄を退治していますが、その鬼退治をした場所が実際にあるのです。首里城からその場所へ行くルートを実際に歩きながら案内します。

⇒【鬼退治した場所】

 

ムーチー伝説で鬼退治の舞台となった場所。そこはパワースポットとしても有名です。年に１度、神が降り立つ場所があり、そこで願いごとをすれば叶えてくれるとも言われています。その日は旧暦６月１５日だと言われています。

⇒【願いを叶えてくれる場所】

 

行事としてのムーチーは「厄祓い」と同時に、お子さんがいる家庭では子ども成長を願います。記録を見ると、３００年以上は続いている行事のようです。

⇒【行事としての「ムーチー」】

 

マルキヨ製菓が２０２４年に提供した４種類のムーチーを紹介。１番の売れ筋は「黒糖ムーチー」ですが、個人的に１番好きなのは

「紅芋ムーチー」です。

⇒【あなたの好きなムーチーは？】

 

事納め

西暦１７３５年、当時の琉球国王である尚敬（しょうけい）王が、「この年から、十二月庚午(かのえうま)の鬼餅を八日に改定す」と宣言しました。つまり、ムーチーの日を旧暦１２月８日としたのです。

 

実はこの「旧暦１２月８日」ですが、「事納め（事八日・ことようか）」と呼ばれる日なのです。いわば「仕事納め」という意味になのですが、仕事を納める側は人間にとっての話になります。

 

現代人だと１２月８日に仕事を納めるのはかなり早いでしょうが、その理由は後ほど。１２月８日は、とある神様が人間界に降りてくる日でもあります。それは「年神様(としがみさま)」。

 

年を司る神様で、正月に向けて「年越し」や「元日」の準備を始めるのが旧暦１２月８日と言われています。ちなみに、年神様がやってくる方角の事を「恵方」といい、縁起の良い方角とされています。その方向に向かって食べる太巻きが「恵方巻」ですね。

 

旧暦１２月８日から年神様は年を越すための準備を始め、年末から年始にかけて色々な神事を執り行います。それゆえ、旧暦１２月８日は「神様にとっての事始め」にもなります。

 

年末年始に関する全ての業務を終えるのが旧暦２月８日であり、その日は「神様にとっての事納め」となります。

 

一方、人間にとっては逆。年末年始は神様を迎え入れるための期間であり、その間は自分達の事は後回しにして、神様を丁重におもてなしするための期間となります。

 

なので、年神様がこちらの世界にやってくる１２月８日までに事を納めておかなければならないのです。そして旧暦２月８日に年神様が人間界を去ると、ようやくそこから自分達の日常が始まります。

 

つまり、人間にとって旧暦２月８日は「事始め」となるのです。そこから１０ヶ月経ち旧暦１２月８日になると、再び神様をおもてなしするため自分達の事はいったん休止します。つまり、人にとっての「事納め」が旧暦１２月８日となるのです。

 

旧暦１２月８日は「神様にとっての事始め」であり、「人間にとっての事納め」。そして、旧暦２月８日は「神様にとっての事納め」であり、「人間にとっての事始め」になるというわけです。

 

鬼

旧暦１２月８日にムーチーを食べるという事は、人間としての事納めの日に「厄払い」をするという意味もあります。神様がやってくるのに、厄払いをする必要があるのかと思う人もいるかもしれませんが、実は「神と鬼は表裏一体の側面を持つ」のです。

 

というのも「荒ぶる神」が「鬼」になる事もあるからです。旧暦１２月８日に神様がこちらの世界にやってくるわけですが、もし、その神が荒ぶっていた場合、それは鬼がやってくる事に他ならないのです。

 

「鬼」というと、筋肉が凄くて金棒を持ち、角を生やしているというイメージを持っている人も多いでしょう。あるいは『鬼滅の刃』に登場する鬼のように、人間の姿を始め多種多様な容姿の鬼を想像するかもしれません。

 

日本には八百万（やおよろず）の神がいると言われており、その一部は荒ぶる神、すなわち鬼と化したものもいるでしょう。つまり旧暦１２月８日には、こちらの世界へ神様が降りてくるかもしれないし、鬼がやってくるかもしれないのです。

 

実は中国でも旧暦１２月８日は邪気を払う日とされており、琉球のムーチー伝説と結びついて、「この日にムーチーを食べて厄払いの行事とする」となった事が推測されます。

 

神と鬼、通じているものがあるんですね。

 

行事ラッシュ

旧暦の世界で今日は１２月１３日。来週は１２月下旬に突入し、ウガンブトゥチや旧正月、ヒヌカンウンケーやジュウルクニチーという行事がこの１ヶ月で訪れます。いわゆる行事ラッシュと我々が呼んでいる状態に突入します。

 

「マルキヨ製菓三大忙しい行事」である「ムーチー」が終わったばかりですが、すでに今週も忙しくお菓子作りを頑張っていますよ。

 

沖縄の行事を支えるマルキヨ製菓のお菓子たちを、今後ともよろしくお願いします。

 

今回はこの辺で。

 

平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。

⇒【マルキヨ製菓：Facebook】

 

ブログランキング参加中です。よかったらポチッとお願いします。

　↓

【沖縄 ブログランキングへ】