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王家によるシーミー【清明④】

2023年04月11日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。ここ最近、朝と夜はヒンヤリしている沖縄。「沖縄の4月、朝夜ってこんなに気温低かった?」と毎日思っていますよ。今日は日中26度まで気温が上がるようで、太陽の光もまぶしくいい天気です。

 

仕事柄、今日みたいな日にシーミーをしたら気持ちよく出来るだろうなと思ってしまいます。今週の土日でシーミーを予定している方も多いはずなので、マルキヨ製菓としてはご先祖様にお供えするお菓子をしっかり作っていくだけですね。

 

さて、今回もシーミーの話を継続していきますよ。2018年に復活した尚家によるシーミー。復活の経緯や、その様子をお話ししたいと思います。

 

バックナンバー

二十四節気の1つ「清明」は「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」を略した言葉。その意味は「万物が清らかで生き生きした状態のこと」となります。中国ではこの時期、墓参りをしてご先祖様に豊作祈願をします。その行事が18世紀に琉球へもたらされました。

⇒【清浄明潔

 

2日前の4月4日、伊是名村の玉御殿(たまうどぅん)で「公事清明祭(クージヌシーミー)」が行われました。伊是名村ではこの「公事清明祭」が終わってから、一般のシーミーが行われる事になります。「公事清明祭」とはどんなものなのでしょうか?

⇒【公事清明祭

 

尚円王生誕の地である伊是名で公事清明祭、すなわち王家によるシーミーが行われたのは、琉球王朝が消える直前になります。何故、その時期に伊是名で公事清明祭が行われるようになったのでしょうか?

⇒【伊平屋嶋玉陵公事帳

 

王家によるシーミーの記録

長らく途絶えていた首里玉陵でのシーミーを復活させるため、各所に動き回ったのが第2尚氏第19代国王・尚泰(しょうたい)王の玄孫(やしゃご)にあたる尚衛(しょうまもる)さんです。

 

当時、那覇市長を務めていた城間幹子さん(2022年5月に政界引退)に玉陵の使用許可を申請する等、シーミーを復活させるための協力要請を行い、2018年にそれが叶う事になりました。

 

首里玉陵でのシーミー復活の際、1番ネックになったのが「王家によるシーミーの記録」です。琉球王朝滅亡や沖縄戦で多くの史料が失われた沖縄。それゆえ、王家のシーミーがどのような形で行われていたのか、記録が残っていなかったのです。

 

復活のカギとなったのが、尚円王生誕の地である伊是名に残っていた「伊平屋嶋玉陵公事帳」という史料。これは首里玉陵で行われた王家のシーミーを参照して作られたもので、伊是名で行われるシーミー「公事清明祭」のマニュアルです。

 

これが伊是名に残っていたため、それを参考にして首里玉陵での王家シーミーの復活にこぎつけたのです。首里玉陵でのシーミーを参考にした「伊平屋嶋玉陵公事帳」を参考にして、首里玉陵でのシーミーを行ったというわけです。

 

ちなみに、首里玉陵でのシーミーを許可した城間幹子さんも伊是名の出身です。

 

王家によるシーミー復活

2018年4月、伊是名玉陵で公事清明祭が行われた3日後に首里玉陵でのシーミーが行われる事になります。伊是名村の全面協力のもと、公事清明祭で使われた祭事用具も首里まで運ばれ使用される事になりました。

 

尚衛さんは、息子の尚猛(しょうたける)さんと共に、20l8年4月6日、首里玉陵へ訪れました。伊是名の公事清明祭で使用された貴重な道具を使用し、古文書を元に当時のシーミーを再現する準備を整えました。

 

そして午前10時、40数年ぶりに首里玉陵でシーミーが行われました。神聖で厳かな儀式が行われ、その様子は当時のニュースでも放送され、大きな反響を呼びました。

 

その後は「球陽」に書かれているとおり「浦添ようどれ」まで足を運び、尚衛さんを筆頭に、こちらでも先祖達への供養をしました。

 

この一連の儀式の中で、過去の呪縛から解放すべく2つの「儀」を執り行っています。1つは「第一尚氏との和解の儀」。第二尚氏は、金丸のクーデターにより第一尚氏の血族を排除して王家を継いできました。

 

金丸は尚円王と名乗り、尚巴志の血を継いできた王家とは区別して「第二尚氏」となります。この第一尚氏と第二尚氏の間にある、目には見えない確執を取り除く、それが「第一尚氏との和解の儀」なのです。

 

そしてもう1つが、尚寧王の時代から続いてきた島津家への従属を誓う「起請文の破棄」の宣言。これについては次回お話ししましょう。

 

シーミー最初の週は

去った土日は、こちらの予想以上にシーミーを行ったところが多いようです。何故、それがわかるかと言うと、お供え用お菓子の追加注文が多かったからです。

 

毎年、シーミーの時期にどれだけ行事用お菓子を製造したかは記録されています。去年や一昨年の数値を元に、今年の製造数も決定されます。今年は去年・一昨年と比べて、かなり追加注文の数が多かったという事は、去年に比べてシーミーを行った人が多いという事です。

 

おそらくコロナによる制限が緩和された事がその要因だと思われます。よく「品切れがないよう、多めに作っておけば?」という人もいますが、作る側も売る側もたくさんの売れ残りがあると商売にならないので、そのバランスは非常に難しいところなのです。

 

特にシーミーのように家の外へ出て墓参りする行事だと、天気にも左右されてしまいます。雨降りだと外出を避ける人も多くなるだろうし、過去のデータをどこまで参考にするかは難しい判断なのです。

 

次の土日で、どれだけの人がシーミーに出向くのか。マルキヨ製菓としては、どれだけのお菓子を用意すればいいのか。悩みながらも、沖縄の皆さんがいい形でお墓参り出来るよう、縁の下でサポート出来ればと思います。

 

これからシーミーを行うという方は是非

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マルキヨ製菓のお菓子や

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お餅をよろしくお願いします。行事によらず、3時のおやつとしてもオススメです。

 

今回はこの辺で。

 

平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。

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