3種類のシーミー【シーミー②】
2024年04月5日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日の午前は小雨がパラついていました。午後になり、曇り空は多いのですが、時折地上に降り注ぐ太陽の光がまぶしいです。最高気温27度で、室内にいても扇風機やクーラーのお世話になっていますよ。
今日は4月5日、昨日から二十四節気の1つ「清明」に入りました。2024年のシーミーシーズンが到来したわけです。さっそく昨日、いたるところでシーミーの準備をしている人達を見ました。
シーミーは約1ヶ月続く行事。マルキヨ製菓もこの1ヶ月はかなり忙しく、シーミー用お菓子をたくさん作ることになります。土日にシーミーを行う方が多いので、週末に多くのお菓子が店頭に並ぶよう、製造を進めています。
シーミーの時期、気になるのは天気。特に土日は晴れて欲しいと思うのですが、明日と明後日の天気予報は雨と曇り。なんとか晴れて欲しいですが、人の力でどうこう出来るものではないので、祈る事しかできません。
今回のブログ内容も前回に引き続き、シーミーに関するお話となります。
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二十四節気の1つ「清明」。これは「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」を略した言葉で、「万物が清らかで明るく、生き生きと活気に満ちているさま」という意味です。この行事は18世紀に、中国から伝わりました。
⇒【清明祭】
ムンチュー
ご先祖様のお墓参りをする「シーミー」ですが、大きく分けると2種類あります。1つは家族や身近な親族で、近い祖先の墓参りを行うシーミー。もう1つは「神御清明(カミウシーミー)」と呼ばれるものです。
「カミウシーミー」とは、いわゆる「ムンチューのシーミー」のことで、一般のシーミーより先に行うことが多いです。まず、「ムンチュー」について説明しましょう。
父方の共通祖先を持つ血縁関係者を「門中(もんちゅう)」といい、沖縄の言葉では「ムンチュー」といいます。琉球の歴史の中で、「ムンチュー」が発展するきっかけがありましたので、それを紹介しましょう。
17世紀後半の琉球王朝時代、王府は士族の家譜を調査し、その結果を記録して取りまとめました。血縁関係のグループが明らかになると、琉球で行われていたあらゆる行事はムンチュー単位で行うようになっていきます。
身分の高い士族は、首里を中心に生活しています。それゆえ、ムンチューでの結束が強くなっていくのは首里中心となります。特にご先祖様に関連する行事は、先祖の血を色濃く受け継いでいるムンチューが率先して行うようになりました。
「ムンチューによる行事が終わった後で、家族単位や身近な親族で行事を行う」という流れが出来ていきます。シーミーもまた、その流れを受け継いでいるのです。
このムンチューによるシーミーが「カミウシーミー」というわけです。本家にムンチュー単位で集まり、ご先祖様にお供えするためのクヮッチー(ごちそう)やお酒、お菓子を準備し、遠い祖先の眠るお墓を巡拝します。
その後で行われる通常のシーミーは、家族や近い親戚とともに、近い祖先のお墓参りをします。「カミウシーミー」は二十四節気「清明」の日に行う事が多く、通常のシーミーは土日や祝祭日を利用して行うところが一般的です。
ただし、地域によっては「シーミー」に関する細かいルールなどが設定されている場合もありますので、自分の地域ではどのような形でシーミーが行われているのかを調べておくとよいでしょう。
昨日、いろんな場所でシーミーをやっている人達を見ました。「カミウシーミー」かもしれませんし、あるいは「清明」になった当日、通常のシーミーを終わらせていたのかもしれませんね。
国王が行ったシーミー
琉球国王自らシーミーを行った記録も残っています。1752年から1794年まで40年以上の間、琉球国王を務めた尚穆(しょうぼく)王は、第2尚氏第14代国王です。
1768年、尚穆王が王家陵墓の玉陵(たまうどぅん)にてシーミーを行い、それ以降、毎年シーミーを行ったという記録を『球陽(きゅうよう)』という史料で見ることができます。
『球陽』は尚穆王が生きていた時代の1743年から45年にかけて編纂されたものですが、その後100年以上にわたって追記され、当時の琉球を知る事が出来る貴重な史料となっています。
その当時は国王が士族らに指示を出し、行事を執り行っていたようです。一般庶民にはまだ浸透していなかったようですが、庶民がシーミーを行うようになるのは琉球王国末期の頃だと言われています。
公事清明祭
シーミーには「通常のシーミー」、「カミウシーミー」の2種類があるといいました。特に通常のシーミーよりも先に、カミウシーミーの方を先にやると話したのですが、実はもう1つ、カミウシーミーよりも先にやる特別な第3のシーミーがあります。
それが「公事清明祭」と呼ばれる、伊是名の玉御殿(たまうどぅん)で行われるシーミーです。これは王家ゆかりのシーミーであり、二十四節気の「清明」に入る前に行われます。この「公事清明祭」が終わってから、他のシーミーが行われるのです。
今年(2024年)は4月4日から、二十四節気の「清明」になります。なのでその前日、4月3日に「公事清明祭」が行われました。
ただ、この4月3日ですが、沖縄ではある事が起きました。そう、津波警報が発令されたのです。台湾で起こった地震を起因とする津波が沖縄に押し寄せるという事で、沖縄全域に津波警報が発令されました。
4月3日当日、関係者が公事清明祭の準備中に警報が発令されたため、準備を中断して避難したそうです。午前10時から行う予定だった公事清明祭ですが、警報が解除された後、開始時刻を午後1時からに変更し、無事に行われたとのこと。
この公事清明祭が終わらないと、通常のシーミーも出来ませんから、無事に終わって良かったですね。次回以降のブログにて、この公事清明祭のお話をしたいと思います。
4月3日に公事清明祭を終え、4月4日にカミウシーミーを終えたところも多いようです。一般のシーミーを明日明後日の土日を利用してやる予定の人も多いでしょう。土日の天気がいずれも「曇りと雨」となっているのが気になります。
沖縄の人は多少の雨を気にしない人も多いので、小雨程度ならシーミーを行うかもしれませんね。あるいは天気が回復してからという人も多いでしょう。
シーミーを行う際は是非、マルキヨ製菓のお餅やお菓子たちをお供えください。いい形でシーミーを行えるよう、お供えするお菓子の面で行事を支えるマルキヨ製菓をよろしくお願いします。
今回はこの辺で。
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