旧盆① ~ 盂蘭盆会(うらぼんえ) ~
2016年08月4日
こんにちは、ブログ担当の仲宗根です。8月の激務に、ふらふら状態です。とにかく、たくさん寝ることを意識して、仕事以外でも「仕事のために」考えて行動する日々です。
さて、もうすぐ旧盆がやってきますよ。というわけで、沖縄の人も意外と知らない、この「旧盆」についてのお話をしてみたいと思います。
ウヤファーフジ(ご先祖様)が、グソー(あの世)から戻って家族らと過ごすので、丁重におもてなしをする。そしてまた、あの世へ送り出す行事… 「お盆」。もともとは、先祖の霊を家に招いて豊作に対する感謝をし、来年も豊作でありますようにと祈願する「農耕行事」の1つでした。いわゆる「ウマチー」と同じ系統の行事です。
この「農耕行事」に、仏教行事である「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が合わさって、今のお盆の形になりました。「盂蘭盆会(うらぼんえ)」とは、地獄に堕ちた死者の苦しみを取り除いてあげ、成仏させる儀式の事で、旧暦の7月15日に行われます。そして、その日は盂蘭盆(うらぼん)と呼ばれます。
そこら辺、もう少しくわしく話をしてみましょう。
むかしむかし、御釈迦様の弟子に目連(もくれん)という人物がいました。目連の母は、他人に対して生涯冷たい態度をとり、人を思いやるような事をしませんでした。それゆえ、死後は地獄の1つである飢えや渇きで苦しむ餓鬼の世界へ堕ちてしまいます。
それを悲しんだ目連は地獄へ堕ちた母を救うため、持っている神通力で地獄の母へ食べ物を与えようとしました。しかし、母のいる地獄では、食べ物や飲み物は口に入る前に火になって食べられません。逆に母を苦しめる結果になりました。
困った木連は、お釈迦様に相談します。するとお釈迦様は「自分の母だけを救おうとせず、餓鬼の世界に堕ちた多くの人々を救いなさい」とアドバイスしました。アドバイスに従った目連は、母だけでなく、多くの人を救おうとしました。結果、彼の母は餓鬼の苦しみから逃れられたそうです。
餓鬼の世界に堕ちた多くの人に食べ物や飲み物を与え、供養する事を「施餓鬼会(せがきえ)」と言い、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」ではそれを行います。
また、「7月15日」は厳しい修行を終えた僧が、仏の教えを広めるため各地に向かうとされる日だそうです。家庭にいる人は、その日にお供え物をし、通りかかった僧にも施しもあげると、多くの僧の力によって地獄に堕ちた者は救われると言われています。
そういう理由で「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を行うのは、7月15日。僧が各地へ向け出発する日であり、たいへん徳に満ち満ちている日です。あの世で迷っている魂を、僧の力によって供養し安らかに成仏させる。これこそが、お盆の始まりと言われているんですね。各地方や宗派によって、多少の違いはあれ、おおまかな流れは一緒です。
この「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と、先に述べた先祖の霊に豊作祈願をする農耕行事とが結びつき、今のお盆の形になったと言われています。ちなみに日本だと、自分達のご先祖様に対してお供え物をしたり、ウートートーしたりですが、他の国だと自分の祖先以外の霊のためにもお供えをする所があります。
あの世へもいけず、そこら辺をさまよう霊もあり、それらに対しても施しを与えるのです。これは御釈迦様の「自分の母だけを救おうとせず、餓鬼の世界に堕ちた多くの人々を救いなさい」というアドバイスによるものだと想像できますね。
沖縄では固有の先祖信仰が色濃く残っているため、今述べた多くの人を救おうとする仏教の影響は薄い「お盆」となっています。
ちなみに「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という言葉ですが、これはサンスクリット後の「ウラバンナ」という言葉から来ています。そして「ウラバンナ」の意味は… なんと「逆さづり」。目連(もくれん)の母が「地獄で逆さづりしているような苦しみを味わう」から来ているそうです。
「盆」の語源が「逆さづり」… 1つ賢くなりましたね。というわけで、今回はお盆の起源のお話でした。「お盆」の事について少しでも学習し、ウヤファーフジが心地よく家に迎え入れられるよう、しっかりと準備をしましょう。
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さて、今日もマルキヨ製菓のお菓子をつまみながら、午後のお仕事を頑張ります!
今回はこの辺で。
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