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間切絵図

2017年03月9日

こんにちは、ブログ担当の仲宗根です。気温が低いと、朝、布団の中から出るのがつらくなりますね。今日もそんな1日です。

 

さて、前回ブログでは伊能忠敬(いのう・ただたか)が日本地図を作ったという簡単なお話と、琉球では伊能忠敬より63年も早く、地図を作るための測量に出ていたというお話をしました。

→【伊能忠敬にも負けてない? 琉球国の測量技術

 

伊能忠敬など、当時の日本の測量技術はオランダ流でした。ご存じの通り日本は鎖国時代ですから、世界の学問・技術と言えば限られた国から伝わってくるものです。

 

ですが当時世界一の測量技術を持っていたのはフランスと言われており、中国(清)経由でその測量技術を輸入したのが琉球です。琉球は日本の中でも特別な位置づけにあり、中国や東南アジア諸国とも交流がありました。

 

各地方の農地面積や石高を調査し、地域の生産力を算出する「乾隆検地(けんりゅうけんち)」を行うと同時に、世界一の測量技術を持って地図の作成も行う事にしました。

 

その検地を指揮したのが琉球王府の蔡温(さいおん)という人物です。彼については色々な逸話が残っているのですが、今回は地図作成の話にだけ絞りましょう。

 

蔡温は中国留学の経験もあり、中国の風水地理も取り入れ、フランスから伝わっていた当時の最先端測量技術を学びました。その知識・技術を持ち帰り、沖縄本島だけでなく離島に至るまで、精密な(琉球)国土調査を指示しました。

 

「乾隆検地」では、目印となるポイントに「印部石(しるびいし)」という石が設置されます。琉球全土に約1万個ほどが設置されたこの石ですが、それには符号と地名が刻まれています。

 

明治時代の土地整理で印部石の多くは撤去されましたが、150個ほどはまだ現存しています。例えば那覇市の具志(ぐし)という地域には、今でも住宅街の中にひっそりとそれが立っています。

 

高さは30cm~70cm程度で、琉球全土に散りばめられたその石を基準にして測量が進められました。これがフランス流の測量であり、現代の三角測量の原理と同じ形になります。

 

ちなみに伊能忠敬の行ったオランダ流の測量は、富士山など高い山を目印にして測量するものでした。

 

フランスでこの高精度な測量が始められたのが1733年。琉球が同じ技術で測量を開始したのはわずか4年後の1737年、そして日本に導入されたのはさらに100年以上も後の明治以降となります。

 

いかに琉球が、最先端の技術を迅速に導入したかがわかりますね。

 

【マルキヨ製菓 CM①】

 

農地や山・川など、あらゆる地域が隅々まで測量され、「竿入帳(さおいれちょう)」という測量簿が作成されました。

 

ここで問題です。測量の結果を収録した竿入帳ですが、何冊ほど作成されたでしょう? すぐに答えを言ってしまいますが、何と2653冊。ただし沖縄戦などにより、その多くは焼失。現存しているのは3冊だけだそうです。

 

その竿入帳を元に作成された琉球地図が「間切絵図(まぎりえず)」と言われるもの。「間切り」とは、今で言う市町村の呼び方になります。

 

縮尺は3000分の1。18世紀に作成されたにもかかわらず、現代の沖縄地図と比べてもほとんど誤差がないほど精巧な地図なのです。

 

当時、測量を行った人の日記が残されていますが、数年もの間、測量・測量・測量の日々。1年に2~3回ほどしか家に帰らないとまで言っていますので、今なら労働基準法に完全に抵触しちゃいますね。笑

 

とにかく「精緻な地図を作る」という執念はすごかった事だけは間違いないようで、彼らの作り上げた琉球地図「間切絵図」については、次のようなエピソードも残っています。

 

明治26年(1893年)、南西諸島や千島列島などを調査した探検家・笹森儀助(ささもりぎすけ)という人物が沖縄にやってきました。彼が訪れる100年も前に作成された間切絵図を見て、あまりの精巧さに驚いたという話が伝わっています。

 

江戸時代には各藩でも地図は作成されていましたが、それと比べてもこれほど優れた地図は見た事がないとまで言ったそうです。

 

残念ながら「間切絵図」の多くもまた沖縄戦で消失してしまいましたが、かの有名な伊能忠敬にも負けない「地図」にまつわる歴史が琉球・沖縄にもあったという事です。

 

こういう話を聞くと「自分も頑張らねば!」と思っちゃいますね。

 


【マルキヨ製菓 CM②】

 

昨日は県内の高校受験でした。受験生の皆様、お疲れ様でした。今はゆっくり休んで、また4月からの高校生活の準備をしっかりしていきましょう。

 

2週間後にはお彼岸、さらにその1週間後は旧の3月3日で「浜下り」という行事もやってきます。年度末にダブル行事で、マルキヨ製菓もまた忙しくなります。

 

行事用のお菓子をちゃんと提供できるよう、今からしっかりと準備をしていますよ。

4120805個人的に好きな「三月菓子」。浜下りの時に食べられるお菓子ですが、その行事やお菓子について近いうち紹介したいと思います。

 

今回はこの辺で。

mozu08

 

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