桃の節句
2021年02月26日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。早いもので、2月最後のブログ更新となります。とにかく2月は、とても行事が多い月。
「ウガンブトゥチ」「旧正月」「ヒヌカンウンケー」、そして明日の「ジュウルクニチー」。さらには来週の水曜日に「ひな祭り」もやってきます。本当にタフな2月です。
明日のジュウルクニチーに関しては、こちらの関連ブログをチェックして下さい。
⇒【旧暦1月16日はジュウルクニチー】
⇒【まんじゅう3選】
今回は来週の水曜日にやってくる「ひな祭り」についてお話しします。
桃の節句
「ひな祭り」と言えば「女の子をお祝いする華やかな行事」というイメージを持つ人が多いでしょう。しかしこの行事、もともとは「女の子を祝う行事」ではありません。そこら辺を話していきましょう。
まずは「節句」について。漢字が示すとおり「節目を表す日」とされていて、中国由来の「五節句」は次のようになります。
1月7日:人日 (じんじつ)の節句
3月3日:上巳(じょうし)の節句 ※上巳(じょうみ)とも読む
5月5日:端午 (たんご)の節句
7月7日:七夕(しちせき)の節句
9月9日:重陽(ちょうよう)の節句
日本人が聞いてピンとくるのは「端午の節句」だけかなと思います。日付がぞろ目になる日が節句になりますが、1月1日だけは元日でもともとが特別な日となっているため、五節句からハズれています。
その代わり1月7日が「人日の節句」として五節句の仲間入りとなっています。さて、3月3日は「上巳の節句」となっていますが、ちょうどその頃は桃の花が咲く頃。
中国では「桃には魔除けの力がある」と信じられていた事もあり、「桃の節句」という呼称が広がります。特に日本では「桃の節句」の方しか知らないという方も多いでしょう。
「ひな祭り」の起源は「厄除け」にも関連するため、「桃の節句」という呼び方はマッチしています。では、その起源はどんなものでしょう。
みそぎの行事
紀元3世紀頃(今から1700年以上前)の中国では、「3月上巳の日」に川へ入って悪い物をそぎ落とす「みそぎ」の習慣がありました。
ただ、「3月の上巳の日」は「3月上旬の巳の日」という意味で、3月3日というわけではありませんでした。後に「3月3日」で固定されたようです。
中国の「みそぎ」の習慣が日本へ伝わるのは、奈良時代あたりと言われています。最初は貴族の間で「みそぎ」が広まっていきます。しかし旧暦3月3日と言えば、まだまだ川へ入ると寒い時期。
そこで、自分の身代わりを川へ入れるという考えにいたります。木や藁を人の形にし、それを川へ投げ入れる事で「みそぎ」を行った事にしたのです。正直「それでいいのか?」と思いますが、自分でも同じ事をしますね。笑
「木や藁で作った身代わり」を「人形(ひとがた)」と呼び、これが「ひな人形」の原型になります。平安時代になると、陰陽師と呼ばれる冬至としては高役職の方が紙で「人形」を作り、それが広まっていきます。
「自分の身代わりをたて、みそぎをさせ厄払いとする」。1000年前に書かれた源氏物語にもその描写があり、「流し雛」(「雛」という単語は後に出てきます)というのが、それにあたります。
今でも鳥取や奈良など一部の地域で実際に「流し雛」が行われており、それが「ひな祭り」の起源というわけです。
しかし、この「流し雛」は女の子の行事ではありません。また、「人形(ひとがた)」は「雛人形」の起源の1つとなりますが、さらに2つ「雛人形」の起源とされるものがあります。
雛人形
平安時代の貴族の娘達の間では、紙で作った人形を用いた「ままごと」が流行しました。この人形を「雛(ひいな)」と呼び、雛を使ったままごとを「雛遊び(ひいなあそび)」と言いました。「お雛様」の「雛」は、ここから来ていると言われています。
そしてもう1つ。赤ん坊の枕元に布製の人形を置き、これが悪いものを身代わりに受け止めてくれると考えられていました。この布製の人形は「天児(あまがつ)」「ほう子」と呼ばれました。
先ほど紹介した自分の身代わりに川でみそぎをしてくれる「人形(ひとがた)」や、おままごとの主役となる紙人形の「雛(ひいな)」、そして赤ん坊の身代わりに悪い物を受け止めてくれる「天児(あまがつ)」「ほう子」。
これら複数の要素が、現代の「雛人形」の起源とされています。「おままごと」の所で、少し女の子の絡む要素が出てきますが、この時点ではまだ「ひな祭り」が「女の子の行事」というわけではありません。
一般の庶民に「ひな祭り」が広がり、そして現代のように「女の子の行事」として定着するには、江戸時代まで時間がかかる事になります。
長くなりましたので、この話の続きは来週に持ち越したいと思います。来週の火曜日にはひな祭り用のお菓子紹介。ひな祭りが終わった最初のブログで、「雛人形を早く片付けないとお嫁に行けない」という都市伝説(?)を紹介する予定です。
ひな祭り用お菓子
次回、くわしく紹介する予定ですが、マルキヨ製菓が提供するひな祭り用お菓子は
「さくらもち」と
「ひしもち」になります(写真は去年のもの)。来週火曜日、3月2日に大々的に2021年バージョンのこれらのお菓子を紹介します。是非チェックしてください。
「ウガンブトゥチ」「旧正月」「ヒヌカンウンケー」「ジュウルクニチー」「ひな祭り」と、行事ラッシュ中のマルキヨ製菓。今日も明日も、沖縄の行事を支えるため、美味しいお菓子を作り続けます。
店頭でマルキヨ製菓のお菓子を見かけた時、手に取っていただければ幸いです。
今回はこの辺で。
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