黄金の瓜実(うりざね) ~ 前編 ~
2018年12月17日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日の沖縄は最高気温が20度。ウチナーンチュ(沖縄の人)からしたら、寒い気温となっていますね。
分厚いどんより雲が空を覆っていて、こういう天気が多くなっています。時折雲間から差し込む陽光や顔を出す太陽が気持ちよく感じられますね。
さて、このブログではこれまで、色々な沖縄の伝説を紹介してきました。「沖縄の伝説」って、非常にたくさんあるんですよね。今回はまた1つ、「黄金の瓜実(うりざね)」と呼ばれる伝説を紹介しましょう。
ちょっと長い話なので、前編と後編に分けて紹介します。
昔むかし、玉城間切(たまぐすくまぎり)にある百名(ひゃくな)に、白樽(しらたる)という青年がいました。
「玉城」や「百名」は地名で、沖縄の南城市にあります。「間切」とは、今で言う「市町村」にあたり、琉球王国時代の行政区分の事です。
白樽は親孝行で、思いやりがあり人に優しい。けして悪いことはせず、村でも評判の誠実な青年でした。玉城の按司(あじ=その地区を治めている長)にも白樽の誠実さは伝わり、「それならば」と、按司は自分の長男の娘と結婚させました。
結婚した2人は非常に仲の良い夫婦となり、2人で色々な所へ出かけました。ある日のこと、浜辺で海を眺めていると東の方角に小さな島を見つけました。その小さな島が気になった白樽は、時折その島を眺めに浜辺へと足を運びます。
穏やかな波間に見える、どこか神秘的な島。その島に心惹かれていく白樽夫妻。そんな海の向こうの神秘的な島とは違い、陸地では激しい争いが起きていました。
当時はまだ尚巴志が琉球を統一する前の三山時代。村のなかでも各派閥による争いが絶えず、心優しい白樽はそんな争いから逃げるように、妻と2人でその島を見に行きました。
ついに2人は、その島へ行くことを決心します。2人は小舟に乗り込み、東へとこぎ出しました。やがて島へ到着し、上陸。水は清涼で美味しく、野も広く土も肥えていて、農業をするのに適しているように見えました。
2人はここで暮らす事を決意。最初は海辺で貝などを拾って食べていました。というのも、肥沃な土地はあれど、そこへ蒔く種がなかったのです。
そこで2人は島の東側にある浜で、五穀豊穣と子孫繁栄を祈りました。お祈りを終えようとするその時、波間に白い壺が浮かんでいるのが見えました。
「これは?」と思った白樽はその壺を取ろうとしますが、取ろうとすると波にあおられ壺は離れてしまいます。しばらくすると、またこちらに近づくのですが、取ろうとするとまた離れていく。
その様子を見ていた白樽の妻は、「もしや」と思い、川へおもむきその中で身を清め、白装束をまとい、再び壺の見える浜辺へ戻ります。壺の方向へ両手を広げていると、やがてその壺は独りでに妻の元へやってきて、それを手にする事が出来ました。
この壺は神からの贈り物と悟った妻は「みそぎ」をし、正装する事で、その贈り物を手にする事が出来たのです。壺の中には麦や粟、豆の種が入っていました。それを植えて、水や肥料を与えて育てると、立派な実をつけ、それらの穀物をしっかり収穫出来ました。
そこで白樽はその麦を、玉城の王へと献上しました。王は喜び、それで御神酒(おみき=神へ献上するお酒)を作らせ、各ウタキ(神が降り立つ場所)へお供えさせました。
白樽夫妻のいる島では色々な穀物が実り、一男二女の子供にも恵まれ子孫繁栄していく事になります。やがて本島から移住してくる者もおり、小さな島は人々で賑わうようになりました。
そしてその島は、いつしか「久高(くだか)島」と呼ばれるようになりました。
そう、この島こそが「神の島」と呼ばれる久高島なのです。白樽の妻が壺を手にした浜が「伊敷浜(いしきはま)」で、五穀豊穣伝説の地として知られる神聖な浜です。
ただ、久高島における伝承によると、白樽夫妻ではなく「アカッチュミ」と「シマリバ」という名の夫妻が、壺ではなく瓢箪(ひょうたん)を手にしたとも言われているそうです。
また、白樽の妻が「みそぎ」をした川は「屋久留川(やくるがー)」で、今でも聖地の1つとされています。
その後も話は続きますが、それは次回へ繋げる事としましょう。
実はつい最近、ムーチーを食べました。行事としては約1ヶ月後なのですが、行事前に一度作って、味を確かめたり、保存してその様子をチェックするためにも、今、作っているのです。
マルキヨ製菓ではいくつかのムーチーを作っていますが、この行事前段階で食べた紅芋ムーチーは美味しかった。
写真は前回のものです。次は2019年1月13日となっています。早くこのムーチーを皆さんに食べて頂きたいですね。そんな事を思いながら、今日もお仕事頑張っていますよ。
今年も残り2週間まできちゃいました。気温が落ちている沖縄ですから、とにかく体調管理はしっかりして、2018年のラストスパートを頑張っていきましょう!
今回はこの辺で。
Dee沖縄さんによる「マルキヨ製菓工場見学」の記事はこちらです。
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