旧暦3月3日は浜下り
2024年04月9日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。昨日はだいぶ雨が降っていましたね。今日は午前に少し雨が降り、午後は曇り空。天気予報では、これから晴れるようです。
マルキヨ製菓としては、次の土日の天気が気になるところ。この土日でシーミーをやる方も多いと予想していますので、気持ちよく晴れてご先祖様のお墓参りをしてほしいなと思います。
さて、今日は旧暦の世界で3月1日。実はシーミーとは別の行事が、明後日の木曜日にあります。それが「浜下り」。今回は、この行事に関するお話です。
アカマタ伝説
行事「浜下り」に関連する「アカマタ伝説」というものがありますので、まずはそちらを過去ブログから抜粋して紹介します。
~ 過去ブログより ~
昔むかし、首里城下のはずれに、とても美しい娘がおりました。娘が15歳の時のある夜、若い男が娘の家を訪ねてきました。娘と男は初対面でしたが、夜の間2人はおしゃべりをしたりして楽しく過ごします。
男は毎晩、雨の日も風の日も娘に会いに来ました。娘には気になる事がありました。男が会いに来るのは必ず太陽が沈んだ後で、夜が明ける前には帰って行きます。どこから来たのか、どこへ帰るのかはけして教えてくれませんでした。
怪しいと感じていた娘ですが、毎日話していくうちに2人は仲良くなっていきました。事あるごとに男の名前や、どこから来たのか聞いてみるも、男は個人的な質問には全く答えませんでした。
ある日、娘はその男の子どもを身ごもった事に気づきました。未だに名前も知らない、出身も知らない男の子どもをです。
娘の母親が妊娠の事を知ると、「男は誰? どこから来たの?」と聞きますが、娘は「知らない」と返すだけ。当然、男に対して不信感を持った母親は、彼の素性を調べる事にしました。
男に質問しても答える事はないので、策を講じます。針にすごく長い糸を通すと、それを娘に渡し、「彼にバレないよう、この針を男の髪に刺しなさい」と言いました。その日の夜も現れた男に対し、娘は言われた通りやりました。
そしていつものように、男は夜明け前、娘の元を去っていきます。しかし男の髪には長い糸が通された針がからまったまま。娘と母親はその糸をたどる事で男の追跡を開始します。そうして辿り着いた場所は、家から遠く離れた山奥でした。
さらに糸をたどると、それは洞窟の中に。母娘が静かに洞窟に入るも、あの男の姿は見えません。その代わり、そこにいたのは蛇の一種であるアカマタでした。
そして、そのアカマタの頭部には、娘が刺したであろう針が刺さっており、そこに通された糸が2人がたどってきたものだったのです。そう、あの男はこのアカマタが姿を変えたもの。つまり、娘が身ごもっているのはアカマタの子どもなのです。
その事実を知った母娘は洞窟を離れ、ユタの所へ駆け込みます。事情を説明し「どうすればいいか?」と尋ねると、ユタは次のようにアドバイスしました。
「3月3日、海へ行きなさい。浜に下りて砂を踏みつけ、潮水で体を清めなさい」
ユタの言葉を受け取った娘は3月3日、言われた通り浜へ下りて砂を踏みつけ、潮水に浸かって体を清めました。体を清めていると、娘の体から7匹の小さなへビが出て、海の底へと沈んでいきました。
こうして娘は「けがれ」を落とすことができ、ヘビの子供を産むことはありませんでした。それ以降、あの男が娘を訪ねる事もなく、母娘は元の生活に戻る事が出来たのです。
以上が「アカマタ伝説」ですが、この伝説にはいくつかのバージョンがあります。例えば、突き止めた洞窟の中にはアカマタが2匹いて、彼らが次のように会話するというのもあります。
「あの娘に、俺の子どもを妊娠させたぜ」
「3月3日に海へ行って、波を7回浴びたら清められてしまうけどな」
と、何故か娘側の立場で解決案を話しています。このバージョンでユタは登場せず、娘は自ら海へ出向いてこのトラブルを解決します。他にも針を頭部に刺されたアカマタは死んでしまうというバージョンなどもあります。
ただ、どのバージョンも共通しているのは「娘が海へ出向いて、体を潮水にひたす事で難を逃れる」点です。
浜下り
アカマタ伝説をふまえたのが「浜下り」という行事です。旧暦3月3日、女性が海や川へ出向き、海水や川の水を浴びることで体のけがれを落とす。いわゆる「みそぎ」の行事がが行われるようになったのです。
実は新暦3月3日の「ひな祭り」も、元々は「みそぎ」の行事だったのをご存じでしょうか? 今では「女の子のお祝いをする」行事として認識されている「ひな祭り」ですが、もともとは中国から伝わった「みそぎをする」行事でした。
ただ、その行事が広まるきっかけを作った平安貴族達は、冷たい水に入るのがいやで、身代わりの「人形(ひとがた)」にみそぎをさせました。この「人形」が、後の雛人形につながります。
旧暦3月3日の「浜下り」は身代わりをたてる事などなく、直接本人が海や川に浸かって「みそぎ」を行います。ちなみに、明後日旧暦3月3日の最高気温予想は24度なので、この気温なら海に入っても寒く感じる事はないでしょう。
体の一部を潮水に浸せばいいので、現代の「浜下り」は弁当などを用意して、家族単位で海に出向き、潮干狩りをしたり水遊びしたりするのが一般的です。海や川へ遊びに出かける、それで「みそぎ」をしたことになります。
「シーミー」はご先祖様のお墓へ、「浜下り」は海や川へ出向くピクニック的な行事と捉えて問題ありません。実際、沖縄のニュースでは毎年旧暦3月3日には、海で楽しんでいる親子のインタビュー姿が「浜下り」として放送されていますよ。
三月菓子
「浜下り」の行事用お菓子として、マルキヨ製菓は
「三月菓子」を製造しています。すでに沖縄県内各スーパーにて販売中ですよ。いわゆる「長方形状のさぁーたーあんだぎー」といった感じのお菓子です。
「三月菓子」という名前ですが、3月だけ販売しているわけではありません。実は1年を通して販売していますが、特に3月の行事でよく食べられるという事で、この名前になっています。
毎週火曜日と金曜日に更新している本ブログですが、今週は次の木曜日にブログを更新し、2024年バージョンの「三月菓子」を紹介したいと思います。このお菓子がまた美味しくて、私も年中食べていますよ。
今日が入学式という生徒も多いようです。たくさん勉強して、素敵な大人になれるよう頑張って下さい。入学のお祝いに、マルキヨ製菓のお菓子はいかがですか?
今回はこの辺で。
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