日本の暦【ユンヂチ①】
2023年03月24日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日は朝から曇り空の沖縄ですが、お昼になると晴れてきました。天気予報ではこの1週間、曇りと雨が交互に来る天気が続いています。今日の最高気温は26度とかなり暖かい方で、午前の曇り空と相まって蒸し暑い金曜日となっています。
昨日は今日より気温が高く、個人的にはクーラーもONにしていました。今日はまだOFFのままですが、暑いと感じたらクーラーのお世話になるでしょう。
さて、今日は3月24日ですが旧暦の世界だと2月3日になります。前回ブログを更新した火曜日は、新暦で3月21日ですが、旧暦だと2月30日となります。3日前が旧暦2月30日で、今日は旧暦2月3日。
まず、「2月って28日までじゃないの?」という疑問と、「3日前が2月末なのに今日も2月っておかしくない?」と、2つぐらい違和感を持つのではないでしょうか? これは沖縄の言葉で「ユンヂチ」が関係しています。
沖縄で何年か暮らしていたら、どこかで聞いた事のある言葉「ユンヂチ」。これは旧暦で行事を行う沖縄ならではと言えるでしょう。今回のブログでは「旧暦」と「ユンヂチ」についてお話ししましょう。
日本の暦
沖縄は旧暦で行事を行う事が多いですよね。そんな沖縄のカレンダーは旧暦を表示しているものもたくさんあります。旧暦の表示されているカレンダーを見ると、今日(新暦で3月24日)は「閏2月3日」(あるいは2月3日)の表示があるはずです。
実は1ヶ月前は旧暦2月でしたが、今は旧暦の閏(うるう)2月です。2月が連続してやってきて、その2回目の方の2月が今なのです。
これを理解するためには「新暦」と「旧暦」の違いを理解する必要があります。我々が普段目にしているカレンダーは新暦で、太陽を基準に刻まれた暦(こよみ)になります。それゆえ「太陽暦」ともよんだりします。古い暦から、今の暦に改暦したローマ教皇グレゴリウス13世で、彼の名前から「グレゴリオ暦」とも呼ばれています。
改暦したのは1582年の事で、日本ではその年、明智光秀による「本能寺の変」により、織田信長が討ち取られています。高校生時代、日本史を選択した私は「いちごパンツ(1582)本能寺の変」と覚えたものです。
1582年に登場し、現在も世界中で使われているグレゴリオ暦ですが、日本がそれを導入するのは明治時代の1872年から1873年にかけて。300年近くも後なんですね。
少し詳しく、日本の暦について歴史を見てみましょう。
日本が暦を使い始めたのは飛鳥時代で、6世紀頃に中国からもたらされた「元嘉(げんか)暦」が日本最初の暦と言われています。その後いくつかの中国の暦が採用されています。
西暦862年から1685年まで、約800年使われた「宣明(せんみょう)暦」が、日本では最も長く採用された暦となります。1685年には渋川春海という人物が作成した「貞享(じょうきょう)暦」を採用。日本史上、初めて日本人の作成した暦が使われています。
その後、1755年に「宝暦(ほうりゃく)暦」、1798年に「寛政(かんせい)暦」、1842年には「天保(てんぽう)暦」が採用されています。
この「天保暦」が現在使われている「グレゴリオ暦」の1つ前の暦で、「旧暦」と呼ばれるものはこれに当たります。「グレゴリオ暦」が世界で採用され、約260年が経過したところです。
では、旧暦と呼ばれる「天保暦」と、現在使われている「グレゴリオ暦」にはどんな違いがあるのでしょうか?
月と太陽
新暦が「太陽」を基準として刻まれた暦であるのに対し、旧暦は地球の衛星である「月」を基準に刻まれた暦になります。
月の満ち欠けの周期は約29.5日であるため、旧暦では「大の月」と呼ばれる「30日」と、「小の月」と呼ばれる「29日」をが交互にやってくるように「ひと月=1ヶ月」が設定されています。
旧暦1月は29日まで、旧暦2月は30日まで… といった感じですね。ちなみにこれから説明する閏(うるう)2月は29日までとなっています。以下、旧暦3月は30日まで、旧暦4月は29日まで… と、続きます。
この暦の刻み方だと、2ヶ月は「29+30=59日」、1年は「59×6=354日」となってしまいます。1年は本来365日であるため、旧暦と新暦では1年で約11日のズレが生じてしまいます。
新暦は地球が太陽を1周する期間を1年と捉えます。地球は太陽の周りを公転しており、その公転周期は、正確には365.242日となります。それゆえ、4年経つと小数以下のズレが約1日となっていまうため、新暦では4年に1度、うるう年を定めています。
うるう年は2月が1日増えます。それで、公転周期とのズレを調整しているのです。
人間にとって月も太陽も時間の流れを知る大事な要素です。ただし「暖かい」や「寒い」という感覚は太陽と地球の位置関係で決まるため、暦に季節感を反映させるためにはある程度太陽を基準としなければなりません。
月の周期に合わせてしまうと12ヶ月は354日。それは公転周期と11日以上ズレてしまうため、月の暦だけだと徐々に季節感とのズレが生じてしまいます。地球が3年かけて太陽の周りを3周する頃には約30日、すなわち1ヶ月近いズレにまで拡大します。
月だけの暦で20年も経過する頃には、7月に雪が降って、1月に暑い日が続いたりする事になり、「季節感」は完全におかしくなるでしょう。春に種をまき、夏や秋に収穫する。それら生活と結びついたサイクルは、どうしても太陽を基準にしなければなりません。
旧暦の月の呼び方には「睦月(1月)」「如月(2月)」「弥生(3月)」という名前がつけられていますが、旧暦9月は「長月(ながつき)」と言います。これは夜が長くなる「夜長月」が語源です。
なので、月だけの暦で放ったらかしにすると、「長月」が最も夜が短い月にもなりえるわけです。そんな季節感のズレを埋めるため、定期的に(約3年に1回)閏月(うるうづき)というものを設定するのです。
ユンヂチ
2023年新暦3月21日、侍JAPANがWBCメキシコ戦でサヨナラ勝ちした日は旧暦2月30日でした。翌日アメリカを倒して世界一になった日は、旧暦で閏2月1日となりました。2月が連続してやってくるのですが、後半は閏月の2月なのです。
この閏月の事を、沖縄の言葉で「ユンヂチ」と言うのです。ちなみに前回の閏月は西暦2020年で、新暦5月22日に旧暦4月30日となった翌実、閏4月1日となっています。沖縄では約3年ぶりのユンヂチ到来というわけです。
沖縄ではユンヂチになると、仏壇仏具のセールが始まります。実はこれにも理由があるのですが、それについては次回以降お話ししていきましょう。
今日で彼岸明けとなりますが、マルキヨ製菓はすでに次の行事「シーミー」に向けフル回転です。毎日、シーミー用お菓子の準備をするため忙しくしております。
マルキヨ製菓は沖縄の行事を支え続けます。そんなマルキヨ製菓のお菓子たちをよろしくお願いします。
今回はこの辺で。
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