カミウシーミーとは？｜マルキヨ製菓スタッフブログ

2020年04月9日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日は朝から曇り空で、雨の予報も出ています。ニュースを見るとネガティブになりそうな話題が多く、メンタル面まで沈みがちになりそうな毎日です。

でも、そんな時こそ前を見て、足を地に着け歩いて行く。明けない夜はないし、去らなかった台風はありません。コロナ対策を巡って、誰かが誰かを叩く雰囲気が広がっているような気がしますが、人を叩くよりもまず、自分が責任ある行動を意識する事が大事だと思います。

先週の土曜日、清明入りした沖縄。ご先祖様のお墓参りをする【シーミー】という行事の開始となりますが、まずは「カミウシーミー」が行われます。

漢字で「神御清明」と書く「カミウシーミー」は、「本家」によるお墓参りの事です。ちなみに「本家」は、沖縄の言葉で「ムートゥヤー」と言います。

父方の共通祖先を持った血縁者達を「門中（もんちゅう・ムンチュー）」といい、彼らが本家に集まって、ご先祖様のお墓参りする事を「カミウシーミー」と言います。

「ムンチュー」という集団が発達したのは１７世紀後半。琉球王府が士族の家譜を編纂し、血縁関係の集団を明文化した事がきっかけでした。先祖崇拝の意識が高い沖縄の人々ですから、共通の祖先を持つという認識が、結束力の強い「ムンチュー」を発達させた事でしょう。

琉球王府のあった首里を中心に、それぞれの血縁に基づくムンチューが広まっていきます。

「球陽」という琉球王国の歴史書には、第２尚氏第１４代国王・尚穆（しょうぼく）王（在位：１７５２年～１７９４年）が１７６８年に、玉陵(たまうどぅん)で初めてシーミーを行ったという記録が残っています。それ以降、毎年シーミーは行われていたようです。

国王が指示して、行事を士族に行わせました。一般庶民へ広がるのは、琉球王国末期になります。

清明入りをすると、ムンチューが集まり遠いご先祖様のお墓参りをする。これが「カミウシーミー」と呼ばれる「シーミー」の１つです。

「カミウシーミー」が終わると、一般のシーミーが行われます。身近なご先祖様に対するお墓参りとなり、一昔前は清明入りした２週目の土日で行われる事が多かったです。

しかし今は何かと忙しい現代を反映しているのか、休みの多いゴールデンウィーク期間中に行う所も珍しくありません。

一般に「カミウシーミー」が終わらないと通常のシーミーに入れないため、「ムンチューがシーミー終わらせないと、自分たちのシーミーが出来ないさーねー」なんて会話も珍しくありません。

すでに先週の土日でカミウシーミーを終えた所も多いと思います。そして、今度の土日から一般のシーミーを行う家庭も多いでしょう。

読谷では、那覇よりも早く「シーミー」を行うところが多いと聞いた事あります。何と二十四節気の「清明」の前、【浜下り】が終わってからすぐに行うそうですが・・・。のんびり屋の多い沖縄では珍しいなと思っちゃいました。

４月の第１週で清明入りし、まずは「カミウシーミー」を行う。先述の通り、通常のシーミーは第２週の土日で行われる事が多かったのですが、今は県外に出た人がゴールデンウィークに帰省するのを見計らって行う所も多いです。

しかし、今年はコロナウイルスの影響で「外出の自粛」、沖縄でも「シーミーの自粛」が呼びかけられているため、どうなるのかよめない状況です。観光客の減少に伴い、お土産お菓子の売り上げにも影響が出ているだけでなく、沖縄の行事にも大きな影響が出ているわけです。

お菓子業者としては、行事用お菓子をどれだけ作ればいいのか、そのやりくりも難しい状況に立たされています。行事用お菓子は、去年や一昨年など「どれぐらい作ったのか？」を参考にしながら、製造する数量を決めるのですが、今年はその数を出すのが本当に難しい。

足りなくても困りますし、多く作りすぎて廃棄になるとその経済的損失で、大きなマイナスを被る事になります。

お菓子業界だけでなく、どの業界も今回の困難に直面していると思いますが、前を向いて明るいはずの未来へ進んでいくだけですね。

早くこの騒動が落ち着いて、平和な日常が戻る事を心から願い、今日も頑張りたいと思います。

今回はこの辺で。

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