「シーミー」シーズン到来
2025年04月4日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。4月に入って最初は肌寒い日が続きましたが、昨日から暖かくなってきました。朝7時頃と夜は気温15度と肌寒いですが、日中は20度を超え、昨日今日と晴れているため、外を歩くと気持ちいいですよ。
4月といえば、沖縄は「シーミー」の時期です。今日は二十四節気の「清明」の日であり、まさに「シーミー」のシーズンが始まった事になります。明日明後日の土日から、ご先祖様の墓参りをする人もいるでしょう。
それに先がけ、昨日の4月3日、伊是名にて「公事清明祭」が行われました。今回のブログでは、それに関連するお話しをしたいと思います。
清明
今日は二十四節気の1つ「清明(せいめい)」です。これは「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」を略した言葉であり、「万物が清らかで生き生きした状態のこと」という意味。沖縄の言葉で「シーミー」と言うのは周知の通りです。
沖縄ではこの時期、親族でご先祖様のお墓参りをして手を合わせますが、その行事も「シーミー」と言います。ただ、必ず二十四節気の「清明」の日にお墓参りするわけではなく、土日など親族が集まりやすい日に行います。
私が子どもの頃は、「清明」の次の二十四節気である「穀雨」(今年は4月20日)、その日までに墓参りを済ませるのが一般的だったと記憶しています。
しかし、最近は「穀雨」を過ぎてゴールデンウィークにお墓参りをするのも珍しくありません。マルキヨ製菓もこれから約1ヶ月、この行事に対応すべく、ご先祖様にお供えするお餅やお菓子をたくさん作り続けます。
そんな「シーミー」ですが、大きく分けると2種類あります。1つは家族や身近な親族で行う一般的なシーミー。もう1つは「神御清明」と書いて「カミウシーミー」と呼ばれる「シーミー」です。
そしてもう1つ。この2種類の「シーミー」とは異なる、特別な「シーミー」があります。それは琉球王家が行う「シーミー」です。
王家のシーミー
琉球の歴史書『球陽』によれば、1768年、当時の琉球国王・尚穆(しょうぼく)王が王家の陵墓である「玉陵(たまうどぅん)」で「シーミー」を行ったという記録があります。
今から約250年前のことですが、この年以降、王家による「シーミー」は戦争で中断されるまで、毎年行われるようになりました。
尚穆王は第2尚氏第14代国王です。三山を統一した尚巴志の血筋による統治の時代は第1尚氏と言います。その第1尚氏が排除され、金丸という人物が新たに尚(しょう)の姓を名乗り、尚円王として王座に就きます。
尚円王以降の王家を、尚巴志の血筋からなる王家と区別して第2尚氏と言います。第2尚氏は第19第の尚泰(しょうたい)王まで継続した後、琉球処分によりその幕を閉じることになります。尚泰王は琉球王朝最後の国王となりました。
ただ、琉球処分の後も、王家によるシーミーは継続されていました。沖縄戦により王家のシーミーが中断されると、半世紀以上も行われる事はありませんでした。
この沈黙を破ったのが、琉球最後の国王・尚泰王の玄孫(やしゃご)にあたる尚衛(しょうまもる)さん。王家による「シーミー」を復活させた人物です。
王家の親族が眠る玉陵は、首里だけでなく伊是名(いぜな)島にもあります。伊是名島は第2尚氏初代国王・尚円王の故郷であり、伊是名の玉陵に眠っているのは、主に尚円王の親族になります。
尚円王の父である尚稷(しょうしょく)らが眠る伊是名の玉陵は、尚衛さんの父親である尚裕(しょうひろし・1997年没)さん(第2尚氏22代目当主)の遺骨も納められています。
また、尚泰王のひ孫で歌人としても知られる井伊文子(いいふみこ・2004年没)さんも分骨されています。ちなみに、井伊文子さんの夫は桜田門外の変で暗殺された大老・井伊直弼のひ孫にあたる井伊直愛(いいなおよし)という人物です。
第二尚氏の始祖・金丸(後の尚円王)の子孫にあたる四つの家柄は現代も存続しており、それらは「四殿内(ゆとぅぬち)」と呼ばれています。彼らが中心となり、伊是名玉陵でシーミーを行うのです。
そのシーミーを特に「公事清明祭(クージシーミー)」と言い、二十四節気「清明」の前日に行われます。
伊是名の玉陵で「公事清明祭」が初めて行われたのは1870年。琉球王朝最後の国王である尚泰の命令によります。首里の玉陵で最初にシーミーが行われたのが1768年ですから、約100年の開きがあります。
公事清明祭
長い歴史を誇る琉球王朝は、1872年から1897年の間に行われた琉球処分により消滅。琉球処分が始まる直前の1870年、初めて伊是名村でシーミーが行われました。何故、琉球王朝が消える直前に、伊是名のシーミーが行われたのでしょうか?
それは「明治維新」と関係します。幕末から明治にかけ、国内では無血開城や大政奉還、新政府樹立や戊辰戦争など、多くの混乱を招きました。後に琉球処分を下される琉球王府も、その不安定な内情を注視していました。
そんな不安定な情勢に対応するため、当時の琉球国王のとった行動が「ご先祖様の供養をしっかりやり、ご先祖様に明るい未来へ導いてもらう」だったのです。そして、それが「伊是名村の玉陵で清明祭(シーミー)をやる」という決断に至るのです。
このシーミーを「公事清明祭」といい、琉球処分後も王家の血を引く者により継続されました。しかし、沖縄戦の混乱により「公事清明祭」が途絶えると、その中断は半世紀以上も続きます。王家によるシーミーが復活したのは2018年、つい最近のことです。
この復活の経緯は次回以降お話しすることにします。「公事清明祭」は二十四節気「清明」の1日前に行われます。今年は今日(4月4日)が「清明」なので、昨日、その「公事清明祭」が行われました。
伊是名村での「公事清明祭」は、昨日の午前10時に開始し、多くの関係者や見学者が見守るなか、厳(おごそ)かに執り行われたようです。
この「公事清明祭」が沖縄で真っ先に行われる「シーミー」であり、その後に「カミウシーミー」や一般の「シーミー」が行われることになります。というわけで、王家でない方は今日から「シーミー」のシーズン到来というわけです。
マルキヨ製菓はご先祖様にお供えする
お餅や
お菓子をたくさん製造しています。明日あさってで「シーミー」を行う方もいるでしょう。その際は是非、マルキヨ製菓の商品もお供えしていただけたらと思います。沖縄県内各スーパーにて絶賛販売中です。
これから約1ヶ月、週末に行われることの多い「シーミー」に対応していきます。沖縄の行事を支えるマルキヨ製菓をよろしくお願いします。
今回はこの辺で。
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