シーミーとは?
2021年03月30日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。早いもので、明日で今年度も終わりですね。TV業界では、週の頭である月曜日を新年度として捉え、新番組だったり既存の番組でも新体制で臨んでいるようですね。
マルキヨ製菓はこの年度替わりの時期、シーミーという行事に追われています。そしてこの行事は「マルキヨ製菓三大忙しい行事」の1つなのです。先週、お彼岸が明けたばかりですが、すでにスタッフ一同フル回転で頑張っています。
沖縄の人なら「シーミー」という言葉を聞いたことがないという人はいないでしょう。今回はそのシーミーについて、「どんな行事?」「由来は?」などについてお話ししてみたいと思います。
毎年この時期にお話ししていますが、ご先祖様に手を合わせる大事な行事ゆえ、今年も来年も「シーミー」については説明していきます。「あれ? どんな行事だったかな?」という方はこのブログをチェックし、周りの人に説明出来るようになりましょう。
二十四節気の1つ
「シーミー」は沖縄の言葉で、標準語では「清明」と書いて「せいめい」と読みます。これは二十四節気の1つになります。
このブログを読んでいる方なら、よく目にしているはずの「二十四節気」。地球から見た時の「太陽の1年間の軌道」を24等分した区切りの事で、その1つ1つに名前がつけられています。
「清明」も二十四節気の1つで、今年は4月4日の日曜日がその日にあたります。「清明」の1つ手前が「春分」で、今年は3月20日でした。いわゆる春分の日ですね。この「春分」を基準に前後3日ずつの1週間が、「春彼岸」という行事を執り行う期間でした。
ちなみに「清明」の1つ後は「穀雨」となっていますが、こちらは聞き馴染みのない方も多いかもしれませんね。「夏至」や「冬至」も二十四節気であり、こちらは聞き覚えがあるという方も多いでしょう。
「二十四節気」は太陽の運行を基準に定められているので、「シーミー」はお彼岸同様、新暦による行事になります。沖縄では旧暦を基準に行う行事が多いので、シーミーも旧暦の行事かなと思っている方もいるようです。
ただ、「シーミー」を解説するものの中にはそれを行う時期を「旧暦三月清明節」としているものもあります。
「新暦」が太陽基準の暦なら、「旧暦」は月の動きを基準とした暦です。地球は実際のところ月でなく太陽の周りを回っており、季節も太陽との位置関係で決まります。
そのため、「旧暦」だと同じ日付でも年によって「季節感のズレ」が生じてしまいます。その時期にあった季節感を表すために考案されたものが「二十四節気」であり、こちらも中国発となっています。
中国ではなんと紀元前から使われており、2000年以上の歴史があると言われる「二十四節気」。やがて日本にも輸入され、現代日本でも使用されています。「二十四節気」は、「新暦」と「旧暦」を橋渡しするというイメージになります。
したがって「シーミーを行う時期」として「旧暦三月清明節」と説明するのは、けして間違いではないのです。特に新暦が登場する前は、そのように説明せざるをえなかったでしょう。
そこら辺はあまり深く考えず、「シーミーは4月上旬にやってくるもの」と思った方がいいかもしれませんね。
ちなみに「旧暦」と「新暦」の間のズレが大きくなると、「ユンヂチ」(閏月【うるうづき】)によって調整したりします。
シーミーは中国由来の行事
シーミーは古くから行われている伝統行事……というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、歴史的には18世紀中頃、中国から伝わってきた行事になります。
二十四節気の1つ「清明」。この時期は農作業などがスタートする時期でもあり、中国では神様やご先祖様に豊作を祈願します。ご先祖様に対しては墓参りをして掃除をした後、手を合わせます。
18世紀にその風習が伝来すると、まずは首里にいた士族を中心にその行事が行われる事になります。そして、だんだんと首里を中心にこの行事が広がっていく事になるのです。
最初は首里の士族を中心に。後にそこから周りに風習が広がっていくというのは「あるある」で、遠い地域の北部や離島までは広まらないというのも「あるある」になります。
首里から遠い地域では、シーミーより「ジュウルクニチー」の方をしっかり執り行ったりします。「ジュウルクニチーはやるけどシーミーはやらない」というのも珍しくありません。
清明は4月の第1週にやってきますので、そこから行事としてのシーミー入り。まずはムンチューで集まっての「カミウシーミー」(解説は次回以降)。そして第2週の土日などに、一般の「シーミー」が行われるのが定番でした。
ただ、ここ10数年は第2週に限らず、第3週やゴールデンウィーク期間中にシーミーを行ったりもします。自分が子どもの頃は、ゴールデンウィークまでシーミーをやっていたというイメージはありませんが、最近ではそれも普通の光景になっています。
「一族が集まりやすい、まとまった休みの期間にシーミーを」という事でしょう。そういうわけで、マルキヨ製菓も約1ヶ月、行事用お菓子を作って作って作りまくる事になります!
ピクニック気分で
「シーミー」は地域によっても独特の作法や手順があります。小さな単位だとピクニック的にシーミーを行うところも多いでしょう。
家族や親族で墓参りをし、お墓の前でクヮッチー(ご馳走)を食べ、ご先祖様を偲びながら楽しく過ごす。みんなで楽しくピクニックのような形でご先祖様に手を合わせる。それもまたシーミーなのです。
去年は県知事からシーミーの自粛が呼びかけられたため、マルキヨ製菓としても大打撃を受けました。最近も飲食店の時短営業や、外出も最小限にという自粛要請が呼びかけられました。
今年のシーミーもちょっと厳しいかもしれないなと思っているところです。
一周忌
マルキヨ製菓前社長である友利正雄の一周忌が、3月28日に無事終了しました。普通に工場で働いていたのに、その5日後に亡くなるなんて誰も想像出来ませんでした。あれからもう1年が経ち、時の流れの早さを感じます。
沖縄の行事を支えるため尽力した前社長の遺志を引き継ぎ、今日もマルキヨ製菓はお菓子を作り続けます。
今は目の前のシーミーという行事に向け、スタッフ一同、誠実に頑張りたいと思います。
今回はこの辺で。
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