大きな雛人形は禁止されていた
2021年03月5日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。基本毎日半袖の私ですが、朝の出勤時は少し肌寒かったりします。特に沖縄は風が強かったりしますので、気温が18度でも肌寒いと感じるんですよね。
今月はお彼岸がやってきます。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、私の予想では最低気温20度以上になる日はもうすぐじゃないかなと思っています。そうしたらもう、夏ですね~。
3月3日には無事、ひな祭りも終了しました。雛人形を出してひな祭りをお祝いした皆さん、人形はもう片付けましたか? よく「雛飾りを早く片付けないと、お嫁に行きそびれる」なんて言いますよね。今回はその言い伝えについてのお話となります。
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ひな祭りは中国由来の行事で、みそぎをする厄除けの行事でした。ひな人形は自分の身代わりに「みそぎ」をしてくれるもので、その由来も複数の要素がありました。
⇒【桃の節句】
ひな祭り用お菓子として、マルキヨ製菓は「ひしもち」と「桜もち」をリリースしました。
⇒【桜もち&ひしもち】
大きな雛人形は禁止されていた
先週お話しした「ひな人形」の由来については、平安時代ごろのお話。その時代はまだ、この行事が「女の子の日」というわけではありませんでした。
時代が進んで戦国時代。織田信長や豊臣秀吉を中心とする群雄割拠の安土桃山時代を経て、江戸幕府という長期政権を築いたのが徳川家康。いわゆる、江戸時代が始まります。
実は「ひな祭りをお祝いする」ようになったのは江戸時代から。それ以前は「お祭り」ではなく、「みそぎ」をする「厄払い」という位置づけの行事でした。
江戸時代初期の1629年、京都の御所で盛大なひな祭りが行われたという記録があります。大奥でもひな祭りが行われるようになり、それが少しずつ下の位の者へと広がっていき、一般庶民に「ひな祭り」が浸透するのは江戸中期ぐらいからとなります。
そして「ひな壇に雛人形を飾る」ようになるのも江戸時代です。当初は、学問の神様である「菅原道真」の人形も飾るなど、女の子だけでなく男の子に対してもお祝いをしていました。
幕府により、「上巳(じょうし)の節句(3月3日)」が「五節句」の1つと定められると、「上巳の節句では女の子」「端午の節句では男の子」を祝う行事として、世の中に広まっていきました。
そして「ひな祭り」は、江戸時代の安定期と共に豪勢に進化していきます。雛人形やひな祭りの道具を売る「雛市」と呼ばれる市が江戸中に軒を連ね、たいへん賑わいました。
雛人形や雛道具も多種多様になり、豪華なものも作って売られるようになります。今も昔も派手を好む人間が一定数いたようですが、幕府は質素倹約を良しとする主旨から「奢侈(しゃし)禁止令」を出したりしています。
「奢侈(しゃし)禁止令」というのは贅沢を禁止する令のこと。寛政の改革で名が知られる松平定信の時は、文化・風俗の取り締まりが強化され、なんと「8寸以上の人形を作ってはいけない」という命令まで出ています。
「雛市」を抜き打ち検査して取り調べをし、命令に違反していると閉店させられました。そこで考案されたのが、精巧な細工の施された「芥子(けし)雛」という雛人形。大きさは抑えられていても、服装など細かく豪華に作られたものです。
一般庶民に流行しただけでなく、将軍家といった地位の高い人にまで人気があったそうです。豪華さを抑えられても、ひな祭りを祝いたい。いかに「ひな祭り」が市民の間でも盛り上がっていたかが分かります。
雛飾りを片付けないと、お嫁にいけない
さて、「雛飾りを早く片づけないと、婚期が遅れる」なんて、よく耳にしますよね。これが言われるようになったのは、いつ頃でしょうか? やはり江戸時代? いえいえ、実はこの言葉が聞かれるのは昭和になってからなのです。
そう言われる理由は複数ありますので、紹介してみましょう。雛人形やひな壇など、ひな祭りに関わる道具は意外とたくさんあり、それを片付けるのはなかなか大変なものです。
そこで「早く片付けないと、結婚できない」という都市伝説をでっち上げた、というのが1つの説。いかにもそんな言い伝えが昔からありますよと伝える事で、子供達に片付けを促したというわけです。
また、娘が嫁に行った時、親が「うちの娘も、ようやく片付いたな」と言ったりします。親の立場からすると、娘の婚期は遅れて欲しくないもの。「雛人形を早めに片付ける」と「娘が結婚する=片付く」をかけた「縁起を担いだ説」というのもあります。
さらに、別の説も。もともと「雛人形」は、自分の身代わりに災厄を引き受けてくれる存在でした。行事が終わった後、悪いものを受け止めた人形を速やかに片付ける事は「災厄を遠ざける」事になります。
人形を出しっぱなしにするという事は、近くに災厄があるという事にもなるので「行事が終わって早めに片付けをしないと、厄が残ったままになり、結婚できないかもね」という「災厄隔離説」があるのです。
どれか1つでなく、複数の説が混合して「雛人形やひな祭りの道具は、早めに片付けないと結婚できない」という言い回しが出来たと、個人的には思っています。
もともとは「みそぎの行事」だったひな祭り。そして、己(おのれ)の災厄を身代わりに引き受けてくれたのが「雛人形」でした。「雛人形は、私の代わりに悪いものを受け止めてくれる」。そう思うと、雛人形に対して、感謝の気持ちもわくのではないでしょうか?
綺麗な雛人形を少しでも長く見ていたいという気持ちもわかりますが、ひな祭りが終わったら速やかに片付ける事が正解なようです。片付ける際は感謝の気持ちを込めて。
まだまだ行事は続く
3月3日にひな祭りがあり、今はそれが終わってホッとしているかというと、そうでもありません。今はお彼岸、そして4月の頭にやってくるシーミーに向けての準備をしているところです。
特にシーミーは「マルキヨ製菓三大忙しい行事」の1つですから、今から用意してもギリギリなのです。さらには平常のお菓子や、県外へ出荷する沖縄県産品商品なども作っており、本当に本当に毎日忙しいマルキヨ製菓です。
毎回言ってはいますが、「美味しいお菓子で食べてくれた人が笑顔になれるように」、そして「沖縄の行事を支える」。この2つをモットーに、スタッフ一同頑張っています。
そんなマルキヨ製菓のお菓子を店頭で見かけたら、是非とも手に取って下さいね。
今回はこの辺で。
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