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菖蒲の節句

2025年04月29日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日は「昭和の日」で晴天に恵まれた沖縄。ゴールデンウィークスタートという方も多いでしょう。マルキヨ製菓はもちろん、今日も朝からお菓子を作っていますよ。

 

2日前の日曜日、祖父のお墓参りをして手を合わせてきました。沖縄では、このゴールデンウィーク期間中にシーミーをするという方もたくさんいらっしゃるようです。また、ゴールデンウィークの終盤には「こどもの日」もやってきます。

 

というわけで、今週のマルキヨ製菓は「シーミー」と「こどもの日」の2つに対応して仕事を進めています。すでに「シーミー」に関してはお話ししましたので、今回は「こどもの日」に関するお話をしたいと思います。

 

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「節句」は年に5つあり、これを「五節句」といいます。七草粥を食べる「人日の節句」、「ひな祭り」の「上巳の節句」、「こどもの日」の「端午の節句」、七夕の「七夕の節句」、そして日本では馴染が薄い「重陽の節句」があります。

⇒【五節句

 

屈原

マルキヨ製菓は来週の「こどもの日」に向け、「柏もち」を作っています。「こどもの日」には「柏もち」や「ちまき」を食べたりしますが、これらが食べられる理由がちゃんとあります。

 

「柏もち」を食べる理由は次回以降に譲るとして、今回は「こどもの日にちまきを食べる理由」についてお話ししましょう。ある人物が関係しているのですが、時は紀元前300年ごろまでさかのぼる事になります。

 

当時中国は春秋戦国時代真っ只中。秦・晋・斉・楚・燕・宋・・・といった国々が覇権を争い、後に秦の始皇帝が中国を統一することになります。

 

屈原(くつげん)は楚(そ)で生まれた政治家。非常に賢い男で、どんどん出世していきました。春秋戦国時代、最も力があった国は秦(しん)。楚の中には親秦派がおり、その連中により屈原は失脚させられてしまいました。

 

その人生全てを自国のために捧げた屈原は大きな絶望感を味わい、川に飛び込んで命を絶ってしまいました。その日が5月5日。生前の屈原は国民に愛されていたため、屈原の死を知った人々は心から悲しみました。

 

屈原を慕っていた人々は彼の命日(5月5日)になると、彼が身投げした川へ出向きました。そして米を竹筒に入れて川に投げ込み、それを屈原へのお供え物としたのです。ところがある年、その川に屈原の霊が現れて次のように言いました。

 

「その供物は川に住む龍に食べられています。龍が嫌う楝樹(せんだん)の葉で米を包み、五色の糸で巻きなさい。そうすれば厄除けになり、龍が食べる事はないでしょう」

 

人々は言われた通りにして、「葉っぱで米を包み糸で巻いた物」を川へ投げ込みました。それは後に「ちまき」と呼ばれる事になります。それから楚の国民は5月5日になると、川へ「ちまき」を投げ入れることで屈原を供養し、国の安寧を願いました。

 

「子どもの日にちまきを食べる」という風習は、このエピソードが元になっているのです。

 

菖蒲の節句

「こどもの日」は「端午の節句」と呼ばれますが、「菖蒲の節句」とも呼ばれることをご存知でしょうか?

 

5月といえば気候的にも暖かく、日本ではちょうど田植えなどの農作業が始まる時期になります。奈良時代の日本ではこの時期、「早乙女(さおとめ)」と呼ばれる若い巫女が菖蒲(しょうぶ)やよもぎで作られた小屋、あるいは神社に出向いて身を清めました。

 

これは「五月忌み(さつきいみ)」と呼ばれる儀式で、女性は身を清め、田の神様を祀り、豊作を祈願するのです。

 

また、5月といえば雨がよく降る時期であり、中国ではその頃、流行病(はやりやまい)が蔓延する事が多々ありました。そのため、屈原の命日である5月5日に合わせ、お祓いや魔除けの行事を行うようになりました。

 

魔除けの効力があるとされる植物「菖蒲(しょうぶ)」の葉を家の門にさし、悪いものが家に入ってこないようにします。沖縄の「シバサシ」という行事と同じですね。菖蒲は酒に入れて飲んだり、風呂に入れ「菖蒲湯」としてつかったりもします。

 

「端午の節句」が「菖蒲の節句」と呼ばれる事もあるのは、中国のこの風習によるものです。この中国の魔除けの行事が日本にも輸入され、日本でも5月5日に行事を行うようになりました。

 

先述した日本における「五月忌み」、そして中国から伝わった「菖蒲を用いた邪気払いの風習」。これらが融合し、日本における「こどもの日」という行事につながっていきます。

 

しかし、「五月忌み」は女性が行う風習であり、当時の端午の節句は「男の子をお祝いする行事」というわけではありませんでした。では、いつ頃から日本における端午の節句は「男の子をお祝いする行事」になったのでしょうか?

 

しょうぶ

日本におけるみそぎの行事「五月忌み」、そして中国から伝わった邪気払いの風習において、「菖蒲」という植物が登場しました。「菖蒲」は「あやめ」や「しょうぶ」という読み方があります。

 

「しょうぶ」という発音は、敵と戦う「勝負(しょうぶ)」や、武道・武勇を重んじる精神を表す言葉「尚武(しょうぶ)」と同じ発音になります。また、「菖蒲」の葉っぱは鋭く尖っており、武士が持つ刀を連想させます。

 

多くの戦国武将が菖蒲をモチーフとした家紋を持っており、戦勝祈願で甲冑などに菖蒲紋をあしらえていました。「菖蒲」=「しょうぶ」は、「勝負」「尚武」と同じ読みという事で、ここから強い男子がイメージされるのです。

 

鎌倉時代の武家は「鎧(よろい)」や「兜(かぶと)」など身を守る武具を神社に奉納しました。そうする事で家を守り、家系存続を祈願するのです。

 

武家にとって、何より大事なのは家を守り続ける事。そのためには跡継ぎとなる男子がしっかり成長し、家を守り続けなければなりません。これが「たくましい男子の成長を願い、武具を奉納する」という風習につながるのです。

 

現代の「こどもの日」において、鎧兜を飾ったりしますよね。それはかつて武家の間で広まった風習の名残なのです。

 

こうして「端午の節句は、男子がたくましく成長する事を願う」ようになり、江戸時代になると、徳川幕府が「端午の節句」を公的行事として制定するに至ります。さらに時代が進み、この行事は一般庶民にも広がっていきました。

 

長くなったので、このお話は次回に続きます。マルキヨ製菓は「こどもの日」用のお菓子として

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「柏もち」を準備しています。5月3日より沖縄県内各スーパーにて販売を予定しています。期間限定商品となりますので、是非、ゴールデンウィーク終盤はマルキヨ製菓の「柏もち」もご賞味下さい。

 

ゴールデンウィーク期間中は気持ちよく晴れ、「シーミー」や「こどもの日」などの行事が滞りなく行える事を願い、今日も頑張りたいと思います。

 

今回はこの辺で。

 

平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。

⇒【マルキヨ製菓:Facebook

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