徳を積む日
2022年03月22日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。午前中はザーザー雨が降りましたが、それがやむと穏やかな天気といった感じです。
ここ最近は日中の気温が25度を超え、暖かいを通り超して暑さすら感じます。たま~に、クーラーもつけていますよ。「暑さ寒さも彼岸まで」。多くの人が、この言葉を口にした事でしょう。
3月18日に彼岸入りし、昨日が春分の日で「彼岸の中日」でした。明後日の3月24日木曜日が彼岸明けとなります。沖縄での春彼岸は、シーミーへの下準備の意味合いもあります。
仏壇・仏具の手入れやお墓掃除など、ご先祖様に手を合わせつつ… 実はある事を意識するのが彼岸です。今回は、彼岸に関するお話の最後。何を意識するのかをお話ししましょう。
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「彼岸」は悟りの境地を開いた仏の世界を指す言葉で、亡くなったご先祖様達がいるとされる場所。それに対し、我々の住む世界は「此岸(しがん)」といい、煩悩と迷いの渦巻く世界です。
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6つの徳を積む
お彼岸について、少しおさらいをしましょう。彼岸の時期に行う仏事を特に「彼岸会(ひがんえ)」と言います。春分の日を中心とする「春彼岸」、秋分の日を中心とする「秋彼岸」がありますので、「彼岸会」は年に2回あるわけです。
2022年「春分の日」は昨日、3月21日(月)でした。その前後3日ずつにあたる
3月17・18・19日、21・22・23日
実はこの6日は「やるべき事」があるのです。それは「6つの徳を修めること」です。1日につき1つ、6日で6つの徳を修めるために修行する事を「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と言います。
その6つの徳とは「布施」「持戒」「忍辱」「精進」「禅定」「智慧」であり、それぞれ、次のような意味を持ちます。
布施:完全な恵みを施すこと
持戒:自らを戒めること
精進:不断の努力を行うこと
忍辱:堪え忍ぶこと
禅定:冷静に自分自身を見つめること
智慧:仏教の究極目的である悟りの境地に達すること
1日1つずつ、これらの徳をつむために修行する。それが「六波羅蜜」というわけです。
修行と言うと、仏教徒の修行僧が行う過酷なものをイメージする人もいるでしょうが、仏教徒に限らず我々一般の人々も、これらの徳を修める事を意識して生活します。
悟りの世界に居るご先祖様に手を合わせるだけでなく、自らも悟りの境地に達するため、己を磨いて徳を積む。それがお彼岸なのです。
お彼岸に墓参りするのは日本だけの風習
日本ではいつ頃からお彼岸という行事を行うようになったのでしょうか?
平安時代初期に書かれた『日本後紀』(にほんこうき)という資料には「延暦25年(西暦806年)、早良親王のために、春分・秋分を中心とした7日間、お経を転読させた」という記述があります。
今から1200年以上も前の資料ですが、これが日本における最古の彼岸の記録と言われています。お彼岸は非常に長い歴史を持ち、伝統のある行事なのです。
しかし、仏教発祥の地であるインドでは、春分の日にご先祖様のお墓参りをするといった風習はありません。インドに限らず、他の仏教国でもそういう風習は見られず、日本だけがそれを行っています。
「彼岸」はその言葉と共に、中国から日本へと伝わってきました。そして、お釈迦様の教えを説いた仏教と、日本人が古来より信仰している「神道」とが結びついたという背景があります。
一説には「彼岸」を「日願」と表す事もあり、太陽の神を信仰する「神道」とつながる事で「日本におけるお彼岸」という行事が生まれたとも言われています。
特に日本では「春の豊作祈願」「秋の収穫に感謝」というように、自然に対する祈願・感謝を、ご先祖様に対する祈願・感謝と結びつける事がよくあります。
仏事である「彼岸」は、「神道」や「自然崇拝」と結びつき、日本独特の行事となったというわけです。ちなみに、国民の祝日に関する法律によって
春分の日:自然をたたえ、生物をいつくしむ。
秋分の日:祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。
と定められています。自然に感謝する事と、先祖を敬う事が規定されているんですよ。知っていました?
彼岸をまとめると
「彼岸」についてまとめてみますと、次のようになります。
・春分の日、秋分の日は「ご先祖様に手を合わせ、感謝する日」
・その前後3日ずつは6つの徳を積む期間
・日本の神道や自然に対する感謝なども含めた、日本独特の行事
・「もうすぐシーミーがやってきますよ」と、ご先祖様に報告する期間
最後の1つは、沖縄独特の内容になります。お彼岸の期間は、自然をいつくしみ、ご先祖様に感謝し、自らも徳を積むつもりで過ごしましょう。
明後日、お彼岸が開けたらシーミーの準備。その前に「浜下り」という行事もやってくるため、マルキヨ製菓はまだまだ忙しい日々を過ごします。
沖縄県内各スーパーにて、お彼岸用お菓子が販売中です。お供え用お菓子としてだけでなく、おやつとしてもオススメなので、見かけたら是非、手に取って下さいね。
もうすぐ2022年の4分の1が終わろうとしています。美味しいお菓子を届けるため、そして沖縄の行事を支えるため、マルキヨ製菓は今日もお菓子を作り続けます。
今回はこの辺で。
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