【旧暦１月１日】　キュウソーグヮチ（旧正月）

2016年02月8日

こんにちは、ブログ担当の仲宗根です。今日の沖縄は風が強いせいか、ちょっと冷え込んでいます。まぁ、暑がりな私は半袖で外を闊歩しておりますが。笑

いいーしょーぐゎちでーびる。

いわゆる「よい正月を」という意味で、まぁ、新年のあいさつ「明けまして、おめでとうございます」にあたる沖縄の言葉です。そう、今日（新暦２月８日）は、旧暦の一月一日にあたる、いわゆる「旧正月」の日なんですね。

沖縄で新暦の元日、いわゆる新正月が導入されたのは明治時代の後半からとなります。沖縄はウミンチュ（海人）の島国ですから、潮の満ち引きは彼らにとって仕事を左右する大事な要素。そして潮の満ち引きを誘発しているのが月なんですね。

したがって、月を基準とした暦である旧暦の方を、沖縄では長らく採用していました。本土の方では、明治５年旧暦の１２月３日に当たる日を、新暦の明治６年１月１日として改暦しました。ちなみに「明治政府が、あえてこのタイミングで改暦したのには裏がある」というのは有名な話です。

「旧暦から新暦に変えますよ」と公布したのが明治５年１１月９日、実際に施行したのがその後１か月にも満たない１２月３日でした。やけに急いでますよね。それには役人に支払う給料を節約するためだったのです。

旧暦のまま暦を進めると、明治６年には閏月（うるうづき）があります。沖縄でいう「ユンヂチ」ですね。ということは、その年は１３か月ある事になり、給料も１３か月分払わなければなりません。しかし新暦にしてしまえば、１２か月分の給料支払いでよいわけです。

当時はすでに役人の給料も月給制になっていたため（その前は年棒制）、新暦にしてしまえば１か月分の給与をカットできるというわけです。

さらに旧暦の最後の日付は１２月２日で「旧暦１２月分の給料も支払わない」としたため、この１か月分の給料もまるまるカットできたわけです。とはいえ、さすがに混乱や暴動が起こる地域もあるなど、日本全国に新暦が浸透するのは時間がかかったといわれています。

沖縄も旧暦で行う古くからの風習が多く残っており、今でこそ暦は新暦を用いてますが、今でも旧暦に合わせて行う行事もたくさんあります。１９５６年、琉球政府の「新生活運動」などにより、「新正月」が県内で普及していく事になりますが、沖縄にそれが根付くまで、正月といえば、旧暦の方の旧正月を祝っていました。

２１世紀になり、沖縄でも「正月」と言えば「新暦の正月」の方を祝う家庭が圧倒的に多いですが、少なからず旧正月に親戚が集まってお祝いをする所も、確かに存在します。

特にウミンチュの多い地域、たとえば糸満などの漁業地域では、「旧正月」を祝う家庭も少なくなく、この日にお年玉もあげたりする家庭もあるそうですよ。

一般の家庭では、特に正月としてのお祝いをする事はなくても、正月用のお菓子を買ったりして「気分だけでも、正月気分」と言った方も多いようです。したがって

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ふと思えば、先月、新暦の１月１日に元日を祝いました。新暦の２月４日は「立春」にあたり、春の始まりでした。春夏秋冬で代表格の春の始まりという事で、季節で区切った時の１年の始まりという事が言えます。そして、今日、２月８日は旧暦の正月。

新暦の正月（１月１日）、太陽の軌道で決めた春の始まり（２月４日）、月の運行で刻まれた暦・旧暦による正月（２月８日）。色んな「年の始まり」があるものだと感じてしまいます。

新暦と二十四節気（立春の定められている基準）は太陽、旧暦は月ですが、どちらも地球上の気候には密接な関係があります。地球の季節は太陽の影響と思われがちですが、月がいなければ、今のような四季折々の風景はないのです。

月という地球の周りを回る大きな衛星がいるからこそ、地球の軸（地軸）は安定して自転する事ができるのです。もし、月がいなければ、地球の自転は安定せずに例えば北極や南極の極地が太陽の方を向いたり、地球上のあらゆる面が、太陽に対して安定しない位置関係をとってしまい、「季節」というものが存在しないと言われています。

やはり春は春らしく、夏は夏らしくといった具合に、季節を感じながら１年を過ごしたいものですね。

ちょうどこのブログを書いている時、太陽の光が強くなってきました。旧暦の上では初日（はつひ）になりますので、手を拝んで、１年の健康や安全を願いたいと思います。

今回はこの辺で。