【旧暦8月9日~11日】 シバサシ
2015年09月14日
こんにちは、ブログ担当の仲宗根です。9月も中旬だというのに、お昼の日差しは鋭い。風が強く、自宅の洗濯物が絡まっております。笑
さて、お菓子業界にとって、来週から始まる1週間は恐ろしい日程になっています。というのも、1週間で「シバサシ」「お彼岸」「十五夜」の3つの行事が行われるからなんです。
旧暦で行う行事と、新暦で行う行事が短い期間にやってくる事を、我々は「行事が重なる」と呼んでいます。ちょうどシルバーウィークと重なっているのですが、もちろん休みはございません。今週から来週にかけて、またまた忙しい日々が続くというわけです。
忙しいではありますが、各家庭に行事用のお菓子が供えられるよう、頑張っていきますよ!
では、そのシバサシとは何なのでしょう?
旧暦の8月10日頃に行われる行事【シバサシ】。「シバサシ」の「シバ」は、漢字で「柴」と書きます。これは「ススキと桑を束ねたもの」もしくは「ススキを結んだもの」で、魔除けの役割を担います。これを屋敷の四隅や、門などに差し込むことから「柴差し」=「シバサシ」と言われるのです。
では、この「柴差し」について、もう少しくわしく。 旧暦の8月、沖縄ではマジムン(魔物・妖怪など悪いもの)が現れる不吉な月とされていまして、魔除けの行事が集中してる時期でもあります。この「シバサシ」も魔除け行事の1つとなります。
何故、ススキや桑の葉で「柴」を作るのか? ススキは稲に形が似て繁殖力が高い事と、皮膚などを切ってしまう葉は剣を思わせるという事から、マジムンを遠ざける力があるとされていました。また、桑には「害を避ける力」があると信じられ、雷を避ける際には「桑木の下」というおまじないの言葉もあったそうです。
実はこの「柴差し」、「ハチグヮチカシチー(八月強飯)」と呼ばれる行事の中で行われるもの。「ハチグヮチカシチー(八月強飯)」は「ヤシチウガン(屋敷の御願)」の1つで、小豆(あずき)や粟(あわ)を炊き込んだ赤カシチー(強飯:こわめし=かたい飯の事)を、仏壇やヒヌカン(火之神)にお供えします。
「ルクグヮチカシチー(6月強飯)」という行事もありますが、こちらは豊作祈願の行事。収穫が終わりを迎える今の時期は、マジムンが現れるという事もあり、「ハチグヮチカシチー(八月強飯)」は厄払いの行事となります。「カシチー(強飯)には、マブイ(魂)を強める力がある」とも言われています。
また、「ハチグヮチカシチー(八月強飯)」は、別名「シバサシウイミ(柴差し折り目)」とも呼ばれ、先ほど言ったように、屋敷の四隅や門等に柴を差します。マジムンは、柴を差し込んである所には近づけないので、部屋の四隅に柴を差す事で、家全体に結界を張っているわけなんですね。
「柴差し」=「結界を張る」。この結界のおかげで、「屋敷(家)にはマジムンが入ってこられない」というわけなのです。
シルバーウィークならぬ「行事ウィーク」とでもいうべき来週からの行事ラッシュ。3つのうち、最初に来る行事が「シバサシ」です。かつてはマイナーな行事だったのですが、ここ数年はスーパー等でも行事の告知などが行われ、シバサシを行う家庭も増えています。
シバサシで供えるお菓子と言えば「ウチャヌク」です。マルキヨ製菓ではオリジナルの「タンナウチャヌク」という商品もあります。次回のブログでは、そのウチャヌクを紹介する予定です!
今回はこの辺で。
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