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「みそぎ」はピクニックしながら?

2017年03月27日

こんにちは、ブログ担当の仲宗根です。今年度も残りわずか。めまぐるしく忙しい日々を過ごしております。今週金曜日からは、個人的に春休みを取っていますので、それまでは身を粉にして働きたいと思います!

 

さて、前回のブログでは【アカマタ伝説】を紹介しました。簡潔に話をすると、ヘビの子供を身ごもった女性が、浜に下りて身を清める… そんな感じでした。

 

今回は、その伝説が由来となる「浜下り」という行事についてお話ししましょう。

 

3月3日に行われるこの行事、沖縄本島では「ハマウリ・ハマウイ(浜下り)」と呼んだり、「サングヮチサンニチー(3月3日)」と呼ばれる事もあります(後者は、最近あまり聞かないですが)。

 

ちなみに宮古では「サニツィ」や「シャニツ」、八重山では「サニジ」とも呼ばれています。新暦3月3日で祝う【ひな祭り】同様「女の節句」、すなわち女性に対する行事となります。

 

ひな祭り】は、もともと中国における「みそぎ」の行事が由来となっていました。「みそぎ」とは、川の中に入っていってけがれを落とす、いわゆる厄払いの行為です。

 

ただし川の中に入るのは寒いという事で、木や藁(わら)を人の形にして川に流し、自分の身代わりとして「みそぎ」をさせました。この身代わりを「人形(ひとがた)」と呼び、それが「ひな人形」の原型でした。

 

「ひな人形を片づけないと、婚期が遅れる」と言われる理由の1つに「ひな人形を片づけていないという事は、みそぎが出来ていない。すなわち、厄払いが終わっていないので嫁に行けない」という説があります(他にもいくつかの説あり)。

 

直接川に入るのは寒いというのが、身代わりをたてる理由なのですが、もともと気候的に温暖な沖縄は身代わりを立てる必要がありません。ちなみにこの時期、すでに海開きも終わっているビーチもたくさんある沖縄です。

 

そんな沖縄ですから、女性は直接海に入って「みそぎ」を行い、けがれを払う事で健康を祈願していました。

 

【マルキヨ製菓 CM①】

 

四方を海で囲まれた沖縄にとって、潮の満ち引きを知ることは大事な事。潮の満ち引きの要因となっているのが月であり、月の運行を元にした暦が旧暦です。

 

旧暦の3月3日は年間を通して干満の差が大きく、干潮時には浜辺が最も広がる時期となります。すなわり旧暦の3月3日は、浜に下りていくのにちょうどよい時期なのです。

 

この「浜下り」、例えば那覇では三枚肉や魚のてんぷらなどのクワッチー(ご馳走)を重箱に詰め、浜に出かけます。勝連町では、ノロ(女性の神官)を中心に健康祈願をし、歌や舞を踊り潮干狩りを楽しみます。

 

宮古や八重山では、よもぎ餅を神仏にお供えし健康祈願してから、浜に向かい「みそぎ」を行います。地域によって、その行事の内容は様々なのです。

 

宮古には八重干瀬(ヤビジ)という、広大なサンゴ礁群があります。普段は海面下にあるサンゴ群が、旧暦の3月3日はまるで島が現れるように、2~3時間だけ姿を見せるのです。船で近づき、サンゴ群が姿を現すとそこへ女性が上陸していきます。

 

波を浴びて身を清め、神に祈りを捧げる。その後、海の幸をもたらしてくれる神に感謝をし、浜辺で魚貝をとって楽しみます。潮が満ちてくると船に戻り、再び潮水を体にかけて身を清め、神に感謝の祈りを捧げます。これら一連のルーティンは、神聖なものとされていました。

 

特に宮古では「潮や砂にふれる事で、身の汚れをはらう事が出来る」と言われていたため、直接海に行く事ができない病人や高齢者のために、砂や潮水を持ち帰る人もいたそうです。

 

どの地域でも共通しているのが、潮干狩りや魚をとって「楽しむ」こと。現代の沖縄でも「浜下り」と言えば、家族などで海へ出て潮干狩りをするピクニック的な行事となっています。

 

毎年ニュースでは、クワッチー(ご馳走)を持参し、潮干狩りをしている家屋にインタビューする映像が流れています。今年もそんなニュースを見られるかなと思います。

 


【マルキヨ製菓 CM②】

 

潮干狩りで楽しみながら、意識せずとも「みそぎ」をしている。現代の「浜下り」は、そんな感じなのでしょう。この行事の際、首里では重箱に

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「三月菓子」を詰めて行きました(写真は去年のもの)。「三月」の名前は、もちろん「浜下り」が「三月三日」に行われるところからきています。ちなみに「三月菓子」というからには「三月」だけ作られている期間限定… 

 

というわけでもありません。不思議とこのお菓子、どの時期でもまれに注文が入ります。なので三月でなくても、注文があれば製造しているのです。

 

「三月菓子」とは、基本さぁーたあんだぎーです。ただ、重箱に詰めやすいようにという事で、長方形の形にしているのが特徴。一方、宮古や八重山では

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「よもぎもち」を持って行ったりします(写真は去年のもの)。

 

マルキヨ製菓では、普段からこのお菓子を製造していますが、この行事の時はいつもの10倍ぐらい作っていますよ。県内の各スーパーでは、大々的に売られていますので、チェックしてみて下さい。

 

次回ブログでは、浜下り用のお菓子を紹介しますので、お楽しみに。

 

実はここ数日、夜は気温が15度ぐらいで、お昼も20度を切っている沖縄。なので寒がりの沖縄の人は、浜下りの日は寒くて海へは行けない… 

 

と思いきや、予報では旧暦3月3日にあたる3月30日は、最高気温24度。さすがは沖縄、行事を行うのに全く問題無いですね。今年も、浜辺に下りていくたくさんの人達を見る事が出来そうです。

 

ちょうど春休み、沖縄を訪れる観光客も多い事でしょう。沖縄のスーパーで「三月菓子」を買って、浜に下って潮干狩りしながら「みそぎ」をし、沖縄の行事を体験してみてはいかがでしょう?

 

今回はこの辺で。

mozu08

 

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