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ウガンブトゥチ

2026年01月30日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日は最高気温20度、最低気温12度の沖縄。朝晩は冷えますが、日中は20度に近い気温なので、特に寒さは感じることなく過ごしやすいですね。

 

気がつけば2026年が始まって明日で1か月が終わります。時の流れの速さにあせりつつ、今日も朝から仕事を頑張っていますよ。

 

今週の月曜日、無事に「ムーチー」という大きな行事が終わりました。ここでホッと一息つきたいところですが、今は次の行事に向けて頑張っているところです。

 

旧暦の世界で今は12月。特にこのブログを更新している新暦の1月30日は、旧暦の世界では12月12日。まさに年末の慌ただしい時期なのです。

 

「ムーチー」は旧暦12月8日の行事。その次にやってくる行事というのが、旧暦12月24日の「ウガンブトゥチ」です。今年(2026年)だと新暦2月11日、ちょうど「建国記念の日」の公休日がその日にあたります。

 

これまで「ウガンブトゥチって何?」と言われたことが何度かあります。「ウガンブトゥチ」という言葉自体ウチナーグチ(沖縄の言葉)ですし、ヒヌカンという沖縄独特の信仰に関する行事なので、「よくわからない」という方も多いでしょう。

 

今回はそんな「ウガンブトゥチ」についてのお話です。

 

ヒヌカン

まずは、沖縄に昔からある「ヒヌカン信仰」について。「ヒヌカン」は漢字で書くと「火之神」、すなわち「火の神様」です。各家庭の中で火を扱うところに鎮座し、その家の様子を見守っている神様なのです。

 

昔なら竈(かまど)の近く、現代だとコンロの近くにヒヌカンはいます。最近はIHの家庭も多いと思いますが、ヒヌカンはその近くで家庭を見守っているのです。そんな「ヒヌカン」について、もう少し掘り下げてみましょう。

 

はるか昔から人類は、火に対して神秘性や畏怖の念を持っていました。「火」を崇拝し、そこに「神」を見いだしてきたのは人類の歴史からもわかります。

 

例えば紀元前6~7世紀頃に生まれた最古の宗教の1つ「ゾロアスター教」は「拝火教」と呼ばれ、文字通り火を神格化し崇拝する宗教です。「ゾロアスター教」は、後に生まれる「キリスト教」や「イスラム教」にも大きな影響を与えています。

 

日本では古事記や日本書紀に登場する「迦具土神(かぐつちのかみ)」という火の神様がいます。日本各地において、火の神様は「荒神(こうじん)」や「土公神(どくじん)」という呼び名で知られています。

 

沖縄では「ヒヌカン」と呼ばれる火の神様。旧暦の1日と15日に「ヒヌカン」に手を合わせる独特の風習があります。その日はヒヌカンにお供え物をしたり、チャーギと呼ばれる植物を添えて手を合わせます。

 

家の中で手を合わせるといえば「仏壇」もあります。位牌(トートーメー)があり、線香を立てる場所があり、食事やお菓子、お酒をお供えする場所があり、線香を立ててウートートー。こちらは自分のご先祖様に対して手を合わせます。

 

沖縄では、ご先祖様に手を合わせる風習より、ヒヌカンに手を合わせる風習の方が長い事が知られています。尚巴志が三山を統一して、琉球王朝が成立するのが15世紀。ヒヌカン信仰は少なくとも14世紀にはあったそうです。

 

一方、家庭に仏壇を置いてご先祖様に手を合わせる風習が始まるのは17世紀の江戸時代から(原型となる仏像に手を合わせる風習は奈良時代から存在)。ヒヌカン信仰は仏壇に手を合わせる風習よりも長く、600年以上も続いているのです。

 

ウガンブトゥチ

沖縄に古くからある「ヒヌカン信仰」と、中国における「竈神信仰」が融合して生まれたのが「ウガンブトゥチ」で、沖縄独自の行事となっています。

 

中国では竈(かまど:火を焚く場所)に「竈神(かまどがみ)」が鎮座して、その家庭を見守っているという信仰があります。竈神は全宇宙を支配する天帝に仕えており、定期的にその家庭の様子を天帝に報告します。

 

天帝とは中国発祥の道教における最高神「玉皇大帝(ぎょっこうたいてい)」の事で、全宇宙の支配者です。この世界の万物、天界・地上・地底にまでその支配力は及び、なんと各家庭の禍福(かふく=不幸と幸福)でさえも、天帝にコントロールされているのです。

 

最近auのCM「三太郎シリーズ」で天帝が登場しています。CMでは「かぐや姫」の父親として描かれていますが、実際の天帝の娘は七夕伝説に登場する「織姫」です。

 

まぁ、CMでは「かぐや姫」「乙姫」「織姫」が三姉妹という設定なので、細かいところは軽く流しておきましょう。

 

「ウガンブトゥチ」に話を戻しましょう。これは旧暦12月24日に行われ、「御願解き」と表し、文字通り「ウガミ(御願)を解く」行事となります。

 

家を見守っていたヒヌカンは旧暦12月24日、天へ帰ります。家の者はその日、家の中を掃除したり、ヒヌカンへのお供え物を新しくして、「この1年間、ありがとうございました」と、ヒヌカンに感謝して手を合わせます。

 

平たい線香「ヒラウコー」に火を灯し、ヒヌカンはその煙に乗って天へと昇って行きます。こうして、その年のウガミ(御願)を解く、それが「ウガンブトゥチ」という行事なのです。この行事は「ヒヌカンウークイ」とも言われますよ。

 

ちなみにヒヌカンは旧暦12月24日に天へ昇ったあと、10日後の旧暦1月4日に再び各家庭に戻ってきます。その日は「ヒヌカンウンケー」という行事の日になります。

 

「ウガンブトゥチ」と同様、その日も家をしっかり掃除し、ヒヌカンを祀っている場所でお供えものを新しくしたり、チャーギを用意して丁重に出迎えます。戻ってきたヒヌカンは、次の旧暦12月24日までその家を見守るのです。

 

「ウガンブトゥチ」と「ヒヌカンウンケー」、この2つはセットの行事と覚えておくといいでしょう。

 

ヒヌカン関連行事は女性が行う

旧暦12月24日の「ウガンブトゥチ」、旧暦1月4日の「ヒヌカンウンケー」、毎月旧暦の1日と15日。これらがヒヌカン関連の行事の日ですが、一般にそれを行うのは女性です。その理由は主に2つあります。

 

1つは、昔からある「台所は女性が守るもの」という思想から。そのため、ヒヌカンがいる場所(主に火を扱う場所)での行事は女性が行うのです。令和の時代となった今では、男性の方が台所に立つという家庭も多いでしょうが。

 

もう1つの理由は、女性が神聖な力を持っていたとされるからです。琉球王国時代、祭祀(さいし)を行う時に祈りを捧げたのは「ノロ」という女性の神職者でした。男性より女性の方が神に通じる力を有しており、令和の現代にも「ノロ」は存在します。

 

そんな理由で火の神であるヒヌカン関連の行事は女性が行う事になっています。とはいえ、女性陣に行事を任せっきりにするのではなく、男性陣は片付けしたりお供え物を買いに行くなど、サポート役になってみてはいかがでしょう。

 

マルキヨ製菓としては「ウガンブトゥチ」に向け、ヒヌカンにお供えするお菓子

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「ウチャヌク」をたくさん製造します。今年は過去一の発注数があり、毎日スタッフ一同頑張って準備していますよ。

 

「ムーチー」もきつい行事でしたが、「ウガンブトゥチ」もなかなかきつい行事です。みなさんの家庭がしっかりとヒヌカンを送り出せるよう、きっちり準備したいと思います。

 

旧暦の世界では年末。そして、もうすぐ年始。旧暦での年末年始も沖縄の行事を支えるため、マルキヨ製菓は頑張ります!

 

今回はこの辺で。

 

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