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浜下りとアカマタ伝説

2025年03月25日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。先週は最低気温12度の日もあり、かなり寒い1週間となりました。今週は非常に暖かい。今日は最高気温26度まで上昇しています。外を歩くと暑い!

 

「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉どおり、春彼岸が明けるとだいぶ暖かくなりました。「今年はもうこれ以上寒くなることはないでしょう」と言いたいのですが、この1ヶ月、何度もその言葉を言った後にそれを覆されてきました。

 

実は週末、気温が落ちるという予報も出ています。この暖かさに油断せず、体調管理はしっかりしていきたいですね。

 

さて、3月最後の日にあたる3月31日は、旧暦だと3月3日になります。その日は「浜下り」という沖縄独特の行事があります。新暦の3月3日は「ひな祭り」で「女の子をお祝いする行事」ですが、「浜下り」はそれとは違う行事になります。

 

今回のブログでは、この行事に深く関連する伝説を紹介したいと思います。

 

浜下り

伝説を紹介する前に、「浜下り」という行事についてお話ししましょう。この行事は旧暦3月3日に行われる行事です。今年(2025年)は新暦3月31日がその日にあたります。

 

「浜下り」の名前が示すとおり、その日は浜へ下ります。すなわち、海へ行くことになります。「ひな祭り」はもともと、川や水に浸かって体のけがれを落とす「みそぎ」の行事でした。実は「浜下り」も同じで、海へ入って体のけがれを落とす行事となります。

 

とはいえ、現代の浜下りは「体全体を海水に浸す」ような仰々しいものではなく、例えば家族で潮干狩りするピクニックのようなものになっています。体全体ではなく、体の一部が海水に触れていればOKなのです。

 

毎年、浜下りの日には沖縄県内のニュースで潮干狩りをする親子のインタビュー映像が流れます。今年もきっと、その映像が流れることでしょう。

 

「浜に下って体のけがれを落とす」のには理由があります。それは、沖縄に伝わるある伝説に起因しています。それが「アカマタ伝説」です。

 

アカマタ伝説

昔むかし、首里城下のはずれに、とても美しい娘がおりました。娘が15歳になったある日の夜、どこからか現れた若い男が娘の家を訪れました。男と娘の間に面識はなし。ですが、気の合った2人はおしゃべりをしたりして、夜中まで楽しく過ごしました。

 

男は夜明け前に娘と別れ、どこかへ去っていきました。その男は翌日も翌々日も、雨の日も風の日も、毎晩毎晩、娘の家に訪れました。ただ、男が娘に会うのは太陽が沈んだ後に限られ、夜が明ける前には必ずどこかへと帰って行きます。

 

娘は「怪しい男」と思っていましたが、それは最初だけ。毎日、男と話していくうちに警戒心はとけ、より仲良くなっていきました。娘は男に名前や、どこから来たのかを聞くのですが、個人的な質問には全く答えてくれません。

 

いつしか娘は、彼の子どもを身ごもってしまいました。名前も知らない、出身も知らない、素性も一切知らない相手の子どもをお腹に宿してしまったのです。

 

母親が娘の妊娠を知ると、「父親は誰? どこから来たの?」と問いただしますが、当然娘は「知らない」と答えるだけです。母親として、毎夜訪れる男を不審に思うのは当然のこと。

 

そこで母親は、その男の正体を突き止めようと行動に出ます。まず、針にすごく長い糸を通し、娘に渡します。そして、「この針を彼の髪に刺しなさい。もちろん、バレないように」と言いました。

 

その日の夜も男は姿を現しました。娘は母親に言われた通り、男に気づかれないよう、糸を通した針を彼の髪に刺します。夜明け前になると、男はいつものように娘の元を去っていきました。

 

針に通った糸の先は娘の手にあります。これを辿れば、男の行き先がわかるはず。母と娘は2人で、男を追跡しました。こうして辿り着いた場所は、家から遠く離れた山奥。ある洞窟の中に糸は続いていました。

 

糸を辿って洞窟の中に入ると、男はどこにもいませんでした。そこにいたのは、ヘビの一種であるアカマタのみ。そしてそのアカマタには娘が刺した針がキラリと光っており、そこから伸びる糸の先は娘の手の内にあります。

 

そう。毎晩娘を訪ね、子供を身ごもらせた男の正体はアカマタだったのです。その事実を知り、驚愕した娘と母。すぐに洞窟を離れ、ユタの所へ駆け込みます。そして、今後どう対処すべきかを相談しました。

 

相談されたユタは「3月3日に海へ行きなさい。浜に下りて砂を踏みつけ、塩水で体を清めなさい」と娘にアドバイスしました。娘は言われた通りに3月3日、海へと向かいます。そして、浜へ下りて砂を踏みつけ、塩水に浸かって体を清めました。

 

海水に浸かってしばらく、娘の体から7匹の小さなへビが出てきて、海の底へと沈んでいきました。こうして娘は、身ごもったヘビの子どもを体外に出すことができ、子供を産むことはありませんでした。

 

それ以降は男が娘を訪ねる事もなく、母と娘はもとの生活に戻る事が出来ました。

 

浜下り

先に述べた「アカマタ伝説」には、いくつか話のパターンがあります。例えば、ユタが登場しない次のような話の流れもあります。糸を追って母娘が洞窟に行った時、実は針の刺さったアカマタとは別のアカマタもいて、2匹が会話していた。

 

「俺の子どもを人間の娘に身ごもらせたぞ」

「でも、娘が3月3日に海へ行って波を7回浴びたら、お前の種は外へ出てしまうぞ」

 

このようにユタではなく、アカマタ達で「みそぎ」の手順を喋ってしまい、それを聞いていた娘がそれを実践し、難を逃れたというパターンです。

 

一方で、針を刺されたせいでアカマタは死んでしまったというパターンもあります。いずれにせよ、「アカマタは人間に姿を変えることができる」「娘がアカマタの子供を宿してしまう」「浜下りをした事で、その難を逃れる」という大筋は共通しています。

 

この「アカマタ伝説」をもとに「浜下り」という行事が行われるようになりますが、そこら辺の詳しい話は次回に続きたいと思います。

 

マルキヨ製菓は「浜下り」の行事用お菓子として、

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「三月菓子」と

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「よもぎもち」を製造中です。すでに沖縄県内各スーパーで販売していますよ。行事用菓子ではありますが、3時のおやつとしてもオススメできます。店頭で見かけたら是非、手にとって下さい!

 

来週は「浜下り」、そして「シーミー」もやってきます。そのため今週もかなり忙しいマルキヨ製菓です。

 

みそぎの行事「浜下り」、ご先祖様に手を合わせる「シーミー」。行事の多い沖縄ですが、行事用お菓子を皆さんにしっかりお届けできるよう、今日も頑張りたいと思います。

 

今回はこの辺で。

 

平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。

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