スタッフブログ

邪気払いの行事

2024年12月27日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日の沖縄は最高気温20度、最低気温17度。個人的には心地よい気温です。

 

土日は最高気温18度、最低気温は12~13度で今年1番の冷え込みになります。慌ただしい年末、体調を崩さないよう気をつけて過ごしましょう。

 

さて、5日後は2025年の元日ですが、その6日後にあたる1月7日は「ムーチー」という大きな行事がやってきます。マルキヨ製菓は正月と「ムーチー」の準備で、大晦日まで忙しくしていますよ。

 

先週のブログではムーチーにまつわる伝説を紹介しました。今回は、行事としてのムーチーについてお話ししてみたいと思います。

 

バックナンバー

かつて首里に住んでいた兄妹(きょうだい)。妹が嫁いで家を離れると、兄は鬼となって周辺の家畜や子供を食べてしまいます。妹は鬼と化した兄を退治するため、鉄入りのお餅を用意しました。

⇒【ムーチー伝説

 

「ムーチー」はいつから行われていたのか?

行事としてのムーチーは旧暦12月8日に行われます。直近のムーチーは2025年1月7日になります。ムーチー伝説において、妹が鬼(兄)退治をした日が12月8日だった事に由来します。

 

鬼退治の伝説は『球陽』という史料に記載されています。『球陽』は18世紀中頃に編纂された歴史書であり、それによればムーチー伝説があったのは舜天王の時代の出来事だと記されています。

 

舜天王は1200年前後に活躍した人物で、歴史上最初の琉球国王です。鬼退治伝説がこの時期の出来事だとしたら、行事としてのムーチーはいつ頃から行われたのでしょうか?

 

西暦1735年に、当時琉球国王だった尚敬(しょうけい)王が、旧暦12月8日にムーチーを食べるように指示したという記録が残っています。

 

琉球史では名君として知られる尚敬(しょうけい)王ですが

 

「この年から、十二月庚午(かのえうま)の鬼餅を八日に改定す」

 

と命令した記録があるのです。「ムーチー」は漢字で「鬼餅」と書きます。ここから、2つわかる事があります。

 

まず、「ムーチー」という行事が300年近く続いているということ。1735年時点でムーチーを食べる風習があったわけですから、そこから現在(2024年)に至るまで、この行事は300年近く続いている行事のはずです。

 

そして、もう1つ。命令の中に「十二月」「八日」という記述と同時に「改定す」という記述もあります。という事は1735年以前、ムーチーは旧暦12月8日ではない日に行われていたはずです。

 

「庚午(かのえうま)」は十干(じっかん)十二支と呼ばれる中国の暦に刻まれている呼び方。本来、その日に行われていたムーチーを、旧暦12月8日に改定したようです。

 

ということは、ムーチー伝説で鬼退治した日は12月8日ではなかったと推測できます。では、何故、改定する必要があったのでしょうか? おそらく、琉球王府側がこの行事を「12月8日にしたかった」という事情があったのではないでしょうか?

 

実はこの「旧暦12月8日」、人間と神に関する重要な日付となっています。それゆえ、琉球王府側は「ムーチーの日は12月8日にした方が都合良さそうだ」と判断し、本来は12月8日でなかった鬼退治の日を、その日にした可能性があるのです。

 

では、旧暦12月8日とはどんな日なのか? それについては、来年お話しする事にしましょう。

 

邪気を祓(はら)おう

旧暦12月8日はカーサに包まれた餅、いわゆる「ムーチー」を食べます。鬼退治した際は鉄入りの餅が登場しますが、鉄入り餅を食べるのは鬼だけ。我々一般人は通常の餅を食べます。

 

それを食べる事で「邪気を祓(はら)う」と言われています。また、子どもがいる家庭はそのお子さんの健康を願います。一般的には、子どもの年齢の数だけムーチーを家の梁にぶら下げたり、玄関や家の隅っこに置いたりします。

 

沖縄では厄除けの効果があると言われるクバの葉を結んで軒先に吊すことで邪気祓い・厄除けをする風習があります。この風習とムーチーが結びつき、ムーチーを吊(つる)すようになったと言われています。

 

現代ではムーチーを吊す家庭は少なくなっていますが、今でもそれを行っている所もあります。特にお子さんが生まれたばかりの家庭は「初(ハチ)ムーチー」と言って、親戚やご近所などにムーチーを配ったりもしますよ。

 

ムーチーを作る家庭もあれば、お店で買って食べるだけという方も多いでしょう。沖縄のスーパーでは「ムーチーミックス」という商品が販売され、それを使って家庭でムーチーを作る人も多いです。

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マルキヨ製菓は4種類のムーチーをリリースしますが、他にもいろんな種類のムーチーがあります。ムーチーが近づくと、「今年はどんなムーチーを食べよう」とか「ムーチービーサは来るかな?」など、沖縄ではムーチーの話題で盛り上がります。

 

沖縄では昔から「ムーチーの時期は寒くなる」と言われており、その事を「ムーチービーサ」という言葉で表現します。ここ数年のムーチーはけっこう暖かい日になっており、「ムーチービーサが来ないのは温暖化の影響か?」と思ったりしています。

 

今回、マルキヨ製菓は11万個以上のムーチーを作る予定です。このブログを読んでいる皆さんも是非、旧暦12月8日はたくさんのムーチーを食べて下さいね。

 

次回の更新日は大晦日

2024年もマルキヨ製菓ブログを週2のペースで綴ってきましたが、次回12月31日大晦日が今年最後の更新となります。大晦日のブログでは

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正月用のお餅を紹介しますのでお楽しみに。その大晦日まで、スタッフ一同フル回転で商品を作り続けますので、正月もムーチーも是非、マルキヨ製菓のお餅やお菓子を食べて下さい。

 

来年もまた沖縄の行事を支え続けますので、マルキヨ製菓をよろしくお願いします。

 

今回はこの辺で。

 

平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。

⇒【マルキヨ製菓:Facebook

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