家の中で愚痴ることなかれ
2025年01月17日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今日の沖縄は最高気温18度、最低気温13度です。さすがに朝は肌寒いですね。明日以降、最高気温20度以上の日が続くので、少しずつ暖かさを感じることでしょう。
さて、今日は新暦1月17日ですが、旧暦の世界では12月18日。もうすぐ大晦日、そして新年を迎えようとしている年末です。そして旧暦年末の大きな行事が、旧暦12月24日にやってくる「ウガンブトゥチ」という行事。
天に昇るヒヌカンを丁重に送り出す行事ですが、今回のブログでは各家庭を見守っているヒヌカンについてお話ししましょう。
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沖縄に古くからある「ヒヌカン信仰」。各家庭を見守っていると言われるヒヌカン(火之神)に対し、定期的にお供えしたり手を合わせたりします。旧暦12月24日はヒヌカンは天へ帰るので、丁重に送り出す「ウガンブトゥチ」という行事の日となっています。
⇒【ヒヌカンを丁重に送り出す】
ヒヌカン
旧暦1月4日、天から各家庭へ降り立ったヒヌカンは、火のあるところに鎮座します。最近はオール電化の家庭もありますが、そういう家庭ではIHコンロ付近だったり、料理を温める場所近くにいるかなと思います。
そして旧暦12月24日まで、その家庭を見守り続けます。旧暦12月24日になると天へ帰り、上司である天帝へ見守った内容を報告します。天帝は全宇宙を統べる存在で、各家庭の禍福(災難と幸福)も天帝が力をおよぼしています。
そんなヒヌカンに対し、丁重におもてなしする事は当然と言えるでしょう。ヒヌカンを祀っている場所に「チャーギ」という植物をそえ、水やお酒、白ウブク(ご飯をドーム状に盛ったもの)、塩などをお供えし、線香を立てる香炉も置きます。
旧暦の各月1日と15日はウチャヌクなどのお供え物をし、水やお酒を新しいものにします。そして、線香に火をつけヒヌカンに手を合わせます。その他、地域や家庭で受け継がれてきた作法もありますので、調べておくといいでしょう。
旧暦1日には家内安全や家族の円満な関係などを祈願し、旧暦15日にはその半月間を無事に過ごせた事へ感謝する気持ちを伝えます。また、旧暦12月24日はヒヌカンが天へ帰る特別な日なので、その日もお供え物を新しくして手を合わせます。
ヒヌカンへの御願(ウガミ・ウガン)に対してもっと知りたいという方は
沖縄の書店で売られている御願の本を購読するといいでしょう。
沖縄の書店には、旧暦で行う行事について書かれた書籍がたくさんありますので、自分がわかりやすそうなものを選ぶといいでしょう。
ヒヌカンへのタブー
さて、ヒヌカン信仰において「やってはいけない」、いわゆるタブーというものが存在します。知らず知らずのうちにタブーを犯してしまわないよう、これからお話しする内容もチェックしておきましょう。
まず、「やってはいけない」ことの代表格が「愚痴や文句を言うこと」です。ヒヌカンは家の守り神です。家の中で愚痴ったりすると、当然それそれはヒヌカンの耳にも届いています。
特に家に関する愚痴を言おうものなら、家を守る神様に文句を言っているのと同じ。そんな愚痴を聞いたら、ウガンブトゥチで天に戻った時、愚痴の内容を天帝に報告されてしまいます。
天帝は各家庭に幸せも災いももたらすとされている絶対的な存在。そんな報告を聞いたら・・・後は想像出来ますよね。個人的に、ヒヌカンにやってはいけない事の第1位がこの「愚痴を言ってはいけない」ですね。
逆に家を守るヒヌカンに「いつも家庭は平和です、ありがとう」など感謝の言葉を述べるのはOK。感謝する気持ちを天帝に報告してもらえたら、きっとその家にいい事が訪れることでしょう。
もし、どうしても愚痴りたい時は「ヒヌカンがこの家を見守っていなければ、もっとひどい事になっていたかもしれない」と思うようにしましょう。そして、自分自身が悪い事を改善するよう努力する。これで、物事はプラス方向に進むと思いますよ。
当然ですが、「ヒヌカンに嘘の報告をする」もやってはいけません。「嘘がばれたら」ではなく、相手は神様なのですから、その嘘はバレバレです。また、「家の中で夫婦喧嘩や親子喧嘩をする」のもNG。
ヒヌカンに対し、家庭のネガティブな面を見せることはタブーなのです。そうなると、ヒヌカンに気を遣って疲れるかもしれませんが、逆に「そういう面を見せない」「そういう事が起こらないように日々を心がける」という意識を持つ事が大事かなと思います。
日々穏やかで幸せな家庭を築くため、ヒヌカンは抑止力を持っているのかもしれませんね。
もう1つ、香炉にある灰をむやみやたらに触る事もタブーの1つ。ヒヌカンは、その灰に宿るとされています。それゆえ、その灰を気軽に触る事は神様に対して失礼という事になるのです。
とはいえ、ヒヌカンに手を合わせる日は香炉周りを綺麗にするため、灰に手を触れる事もあるでしょう。また、ヒヌカンは親子で継承する事もあります。例えば娘が結婚して家を出る時、娘の家庭をヒヌカンに守ってもらうため、親が使用していた香炉を娘に渡します。
その際、散らかっている灰に触れたり、香炉の中の灰をならしたりしますが、この時は「この灰にヒヌカンが宿っている」と意識して丁寧に取り扱ってください。大事な場面以外では、香炉の灰に手を触れないように意識してください。
灰を大事に扱う理由がもう1つあります。ヒヌカンはこの灰に、家の事を記録していると言われています。なので、何でもない日に灰に触れるという事は、「家の悪い記録を消すため」とヒヌカンに思われてしまう可能性があるのです。
香炉に灰が溜まって掃除しなければならない時は、ヒヌカンに手を合わせ「灰がたくさんになったので、お掃除します」と報告してお掃除してください。
ヒヌカンに対するタブーとして、他にも「玄関が見える位置にヒヌカンを祀る場所を配置してはいけない」、「悪い方角へヒヌカンを祀ってはいけない」というのもあります。
「午(うま)の方角」(南)には豊穣(ほうじょう)の神が住んでいるという事で、その方向へ設置する事はいいとされます。逆に「申(さる)の方角」(西南西)は縁起が悪い方角とされています(理由は諸説あり)ので、その方向にヒヌカンを祀ってはいけません。
今回紹介した「ヒヌカンに対して、してはいけない事」は、地域によって異なる場合もありますし、同じ地域でも家によってその内容が変わる時もあります。
お住まいの地域や家庭で、ヒヌカンに対してどのように手を合わせてきたか、どのような事はNGとされていたのかを調べておくとよいでしょう。
ウチャヌク
ヒヌカンにお供えするお菓子として、マルキヨ製菓は
「ウチャヌク」を製造しています。次回ブログでは、このウチャヌクを紹介するのでお楽しみに。
「ウガンブトゥチ」が終わると、その6日後は「旧正月」がやってきます。もちろんマルキヨ製菓は正月用お菓子の準備もしますよ。
2025年になって半月が過ぎましたが、相変わらず行事に追われているマルキヨ製菓です。今年も誠実に力の限り沖縄の行事を支えますので、店頭でマルキヨ製菓のお菓子を見かけたら是非、お買い求め下さい。
今回はこの辺で。
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