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ムーチーという行事

2022年12月27日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。先週末は最高気温14度が続いて、沖縄としてはかなり寒かったです。昨日・今日と最高気温19度で、普段なら寒いと思う沖縄の人が多いでしょうが、先週末に比べればだいぶ温かく感じてるのではないでしょうか?

 

今度の金曜日、12月30日になりますが、とうとうマルキヨ製菓三大忙しい行事の1つ「ムーチー」がやってきます。というわけで、今回はムーチーのお話になりますよ。

 

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旧暦12月8日にムーチーを食べるという行事「ムーチー」には、由来となる伝説がありました。ある兄妹の兄の方が鬼になってしまい、妹がその鬼を退治するという伝説。『鬼滅の刃』とは違った鬼退治のストーリーですが、非力な妹はどのようにして怪力の鬼を退治したのでしょうか?

⇒【鬼退治した娘

 

国王がムーチーを食べるように指示した

ムーチーは旧暦12月8日に行われる行事です。先週お話ししたムーチー伝説において、妹が鬼となった兄を退治したのが12月8日だった事に由来します。

 

記録に寄れば西暦1735年、当時の琉球国王で名君としても名高い尚敬(しょうけい)王が、「旧暦12月8日に、ムーチーを食べるよう」にと指示を出したとあります。

 

「この年から、十二月庚午(かのえうま)の鬼餅を八日に改定す」

 

という記録があり、この中に「十二月」「八日」という言葉が見えます。ただし「改定す」という言葉もある事から、どうやらこれ以前、ムーチーは旧暦12月8日以外の日に食べられていた事も予想できます。

 

この事から察するに、ムーチー伝説における鬼退治の日付は12月8日でなかったのかもしれません。王府側がムーチーという行事を12月8日にしたかった事情があったため、伝説における鬼退治を12月8日に「上書き」したのかもしれませんね。

 

その「旧暦12月8日」ですが、実はかなり大きな意味を持つ重要な日となっています。

 

旧暦12月8日

旧暦12月8日なのですが、「事納め(事八日・ことようか)」と呼ばれる日です。わかりやすく言えば「仕事納め」という意味になりますが、それは人間にとっての話。「人間の話」とはいったいどういう事なのでしょうか?

 

旧暦12月、新年が始まる前に人間界へ降りてくる「年神様(としがみさま)」という神様がいます。彼は年を司る神様で、正月に向けて「年越し」や「元日」の準備を始めるのが旧暦12月8日と言われています。つまり12月8日は「神様にとって事始め」になるのです。

 

旧暦12月8日から年神様は年を越すための準備を始め、年末から年始にかけて色々な神事を執り行います。年越しに関する全ての業務を終えるのが旧暦2月8日であり、この日は「神様にとっての事納め」となります。

 

一方で人間にとっては逆。年末年始は神様を迎え入れるための期間であり、その間は自分達の事は後回しにして、神様を丁重におもてなしするための期間となります。旧暦2月8日に神様が人間界を去ると、ようやくそこから自分達の日常が始まります。

 

つまり、人間にとって旧暦2月8日は「事始め」となるのです。そして旧暦12月8日になると再び神様をおもてなしするため、自分達の事はいったん休止。つまり、人にとっての「事納め」が旧暦12月8日となるのです。

 

要約すると、旧暦12月8日は「神様にとっての事始め」であり、「人間にとっての事納め」。そして、旧暦2月8日は「神様にとっての事納め」であり、「人間にとっての事始め」になります。

 

そして、もう1つ。旧暦12月8日にムーチーを食べるという事は、人間としての事納めの日に「厄払い」をするという意味もあります。神様がやってくるのに、厄払いをする必要があるのかと思う人もいるかもしれませんが、実は神と鬼は表裏一体の面もあるのです。

 

というのも「鬼」は「荒ぶる神」という側面を持っているからです。旧暦12月8日に神様がこちらの世界にやってくるわけですが、もし、その神が荒ぶっていた場合、それは鬼がやってきてしまうという事になるのです。

 

「鬼」というと、すごい筋肉質で金棒を持ち、角を生やしているビジュアルをイメージするかもしれません。あるいは『鬼滅の刃』に登場する鬼のように、色んな姿の、それこそ人と変わらない鬼を想像するかもしれませんね。

 

日本には八百万(やおよろず)の神がいると言われており、その一部は荒ぶる神、すなわち鬼と化したものかもしれないのです。つまり旧暦12月8日には、こちらの世界へ神様が降りてくるかもしれないし、荒ぶる神である鬼がやってくるかもしれないのです。

 

中国でも旧暦の12月8日は邪気を払う日とされており、琉球のムーチー伝説と結びついて、「この日にムーチーを食べて厄払いの行事とする」となったのでしょう。

 

尚敬王が「旧暦12月8日にムーチーを食べる」よう指示をだしたのが、西暦1735年。旧暦12月8日にムーチーを食べるこの行事は、約300年経った今もなお、沖縄で続いている伝統行事なのです。

 

マルキヨ製菓のムーチーをよろしくお願いします

沖縄ではムーチーを食べる頃、気温が低くなると言われており、それを沖縄の言葉で「ムーチービーサ」と言います。現時点で旧暦12月8日(新暦12月30日)の予想最高気温は21度、最低気温は17度となっています。

 

ここ数日に比べると温かい1日となりそうです。「ムーチービーサは少し遠のいている」とも言えますし、去った週末をムーチーが近づく頃ととらえるなら、けっこう冷え込んでいたので「ムーチービーサが来た」とも言えるでしょう。

 

次回のブログ更新日は金曜日で、ムーチー当日となります。

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マルキヨ製菓のムーチーを紹介する予定ですので、お楽しみに。

 

実は少しずつ行事「ムーチー」から撤退する業者もあり、その分、マルキヨ製菓に多めに注文が入っています。今回のムーチーではマルキヨ製菓史上、最大数の注文を受けています。

 

それでも現実的に製造できる範囲での注文数だけ受けており、日程的に不可能な分はお断りしています。正月と重ならなければ、もっとムーチーの注文も受けられたのが悔しいところですが、こればかりは仕方ありません。

 

現在もスタッフ一同フル回転でムーチーを作っているところ。明日から少しずつ店頭に並ぶ予定なので、見かけたら是非、手にとって下さい。

 

同時に正月用のお餅である

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「ナントゥもち」と「紅白巻もち」も製造中です。大きな行事が重なって、大晦日までフル回転のマルキヨ製菓。1つでも多くの商品を手にとっていただければ、スタッフの苦労も報われます。

 

今度の金曜日にムーチー、日曜日に正月が気持ちよく迎えられるよう、マルキヨ製菓は美味しいお菓子作りを頑張りたいと思います。

 

今回はこの辺で。

 

平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。

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