旧正月(旧暦1月の行事①)
2023年01月24日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。気がつけば1月も残り1週間ですね。2023年の最初の月が早くも終わろうとしている事に驚き、時の流れの速さを実感しているところです。
今日は新暦1月24日ですが、旧暦の世界だと1月3日。すなわち、今日で正月三が日が終わるところです。旧暦の世界では新年になったばかり。そして、新年になると色々な行事があります。
今日は旧正月について、簡単にお話ししてみたいと思います。
旧正月
明治政府によって現在の新暦が採用されても、沖縄では旧暦の元日(1月1日)に正月を行っていました。それゆえ本土の新暦で行われる正月は「ヤマトソーグヮチ(大和正月)」と呼んで、沖縄の旧正月とは区別されていました。
沖縄ではかつて旧暦1月1日になると、早朝に若水を汲(く)みに行く風習がありました。若水とは、元日の早朝に汲んできた水のことです。今でこそ各家庭に水道水が通っていますが、昔は井戸や泉から水を汲んでいました。
水は人間にとって必要不可欠なもの。神が人間へ贈った「若返りの水」という事で、若水と言います。神様からの贈り物なので、幸せを呼ぶ水とも言われます。
元日、まだ初日の出が昇る前、男の子が集落にあるカー(泉)から若水を汲んで家に持ち帰り、ヒヌカンや仏壇にお供えしたのです。若水を汲むのは男の子の仕事だったようですが、糸満など地域によっては女性が汲みに行くところもあります。
仏壇には神仏に供える米「花米」をお供えし、その花米には炭と昆布をのせます。何年経っても変化しない炭は「家が永遠に存続しますように」という意味があり、昆布は「よろこぶ」の「こぶ」にかけて喜びを表しています。
ここで、ある歌を紹介しましょう。8886のリズムで詠まれる琉球独特の琉歌です。
「アラタマヌトゥシニ タントゥクブカザティ ククルカラスィガタ ワカクナユサ」
(あら玉の年に 炭と昆布かざて 心からすがた 若くなゆさ)
詠み人知らずで知られるこの琉歌。意味は「新しい年の始めに (縁起物の)炭と昆布を飾れば 心から姿まですっかりと 若くなったようだ」となります。琉歌にも詠まれるほど、炭と昆布が縁起物だというわけです。
仏壇やヒヌカンへのお供え物を新しく準備し、鏡餅やしめ縄など必要なところに飾れば正月の準備は完了。「明けましておめでとうございます」は、ウチナーグチ(沖縄の言葉)で「イーソーグヮチデービル」と言いますよ。
ご先祖様やヒヌカン(この時は家ではなく天にいる)に新年の挨拶をしておきましょう。
正月にお屠蘇(おとそ)を飲む家庭も多いと思いますが、沖縄だとお屠蘇の代わりに泡盛を飲むところもあります。また、お雑煮の代わりに「ソーキ汁」や「イナムドゥチ」、「中身汁(なかみじる)」を食べるのも定番と言えるでしょう。
「ソーキ汁」は豚の骨付きあばら肉を柔らかく煮込んですまし汁に仕立てたもの。「イナムドゥチ」はこんにゃくやかまぼこなど(家庭によって大根やにんじん、しいたけ等も)を具材とし、甘味噌で味をつけた味噌汁。
「中身汁」は豚の大腸や胃などの内臓を具とし、すまし汁で仕立てたもの。いずれも琉球独特の郷土料理です。現在でも、お祝い事があるとこれらを作る家庭は多いですよ。
元日は基本的に家庭内でお祝いします。それらが一段落すると、ムンチュー(門中)や親戚の家を訪れる年頭の挨拶廻りをします。
これを「年頭廻礼(ニントゥーマーイ)」と呼び、訪れた先の仏壇に持参したお供え物をお供えし、手を合わせてあちら側の人たちにも新年の挨拶をします。
この「年頭廻礼」は男の役割で、廻った先で「長居はしない」というマナーも存在します。特に仏壇を持たない家庭では、玄関先での挨拶程度に済ませる事もありました。なお、喪中の場合はニントゥーマーイは行いません。
新暦の正月は運動によって広まった
新暦が明治政府によって採用されたのは明治5年(1872年)で、今から約150年前にあたります。しかし政府が新暦を採用しても、沖縄での正月はずっと旧暦で行われていました。
沖縄で新暦による正月が導入されるのは明治時代の後半。とはいえ、新暦の正月を祝っていたのは、内地から沖縄にやってきた人でした。沖縄全体としては旧暦で正月を祝い続けるところがほとんどで、明治が過ぎ、大正・昭和の時代となっても、沖縄で正月といえば旧正月の事でした。
沖縄で新暦の正月が広く祝われるようになったのは、何と戦後です。1956年(昭和31年)当時、米軍統治下におかれていた琉球政府は「新生活運動」を展開します。これは地域社会の生活水準を向上させる目的で日常生活を見直す取り組みでした。
その運動の中で強く進められたのが「新正月一本化運動」であり、新暦で正月を祝う事が強く推奨されました。この運動により、沖縄でも徐々に新暦で正月を祝う家庭が増えていきます。
「新生活運動」では「新正月一本化運動」以外にも、長時間におよぶ「冠婚葬祭の簡素化」や、「時間厳守の実行」なども提唱されています。沖縄県民は「時間にルーズ」と言われていますが、60年以上前から「時間厳守の実行」が叫ばれていたんですね。
令和の今、新暦で正月をお祝いするようになった沖縄ですが、同時に旧暦でもお祝いする家庭はたくさんあります。今の高齢者は若い時、旧暦の正月を祝っていた事から「旧正月は大人の正月」、それと対照的に「新正月は子どもの正月」とも呼ばれています。
最低気温9度
今日は最高気温は20度なのに、最低気温は9度となっています。沖縄で1桁気温になるのは1年を通してもあるかどうかレベル。しかも今日は朝から風が強くて、体感気温はさらに下がりそうです。
20度を切った時でさえガタガタ震える沖縄の人にとって、10度切る事は極寒に匹敵するかもしれません。しかも今日だけで最高と最低で気温差11度ですから、寒暖差で体調を崩す可能性も十分あります。
今日は温かくして過ごしましょう。年中半袖の私も、さすがに10度を切ると寒さを感じます。今日は長袖を着用し、温かい飲み物を飲みながら仕事を頑張りたいと思います。この忙しい時期に風邪をひくわけにはいきませんからね。
全国的にとても冷え込むとの事で、皆さんも温かくお過ごし下さい。
今回はこの辺で。
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