スタッフブログ

ハチウクシー・ヒヌカンウンケー・ナンカヌシク(旧暦1月の行事②)

2023年01月27日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。気がつけば1月も残りわずか。2023年も12分の1が終わろうとしています。時の流れのはやさを感じつつ、相変わらず行事に追われているマルキヨ製菓です。

 

今は10日後にやってくる大きな行事「ジュウルクニチー」に向け、行事用お菓子をたくさん製造しているところです。旧暦の世界で1月はまだ始まって1週間も経っていません。そして旧暦1月にはたくさんの行事があります。

 

前回に続き、今回も旧暦1月の行事についてお話ししましょう。

 

バックナンバー

旧暦1月1日はもちろん旧正月です。明治政府によって1872年に新暦が採用されてからも、沖縄ではずっと旧暦で正月をお祝いしてきました。新暦でもお祝いするようになったのは戦後になります。

⇒【旧正月(旧暦1月の行事①)

 

ハチウクシー

「ハチウクシー」は「初起こし」と書いて、仕事始めの儀式を表す言葉です。旧暦1月1日に旧正月を済ませると、翌日の1月2日、もしくは1月3日に仕事に関する安全祈願や豊作・豊漁などの祈願をします。

 

漁業の場合は豊漁や安全祈願の儀式を行い、これを「フナウクシー(船起こし)」と言います。農業の場合は豊作や安全祈願を行い、これを「ハチバル(初原)」と言います。

 

「ハチウクシー」を行うのは主に漁業関係者・農業関係者・大工など、いわゆる職人タイプの仕事の人達。仕事で扱う道具を洗ったり、手入れしたり、所定の場所に配置したりします。実際の仕事始めは「ハチウクシー」の翌日となります。

 

漁業が盛んな糸満市の例を見てみましょう。旧暦1月2日の早朝、満潮になる頃に合わせて「フナウクシー」を行います。船を持つ者は自分の船に大漁旗を掲げその年の豊漁を祈願します。塩や花米、お餅やお酒をお供えし、その年の航海安全も祈願します。

 

その日に漁へ出る事はありません。翌日は漁業組合で集まり、宴席などを用意して全体の「ハチウクシー」を行います。それらが終われば、仕事始めする人もいるし、翌日から本格的に仕事始めとする人もいます。

 

渡名喜島での「ハチウクシー」は、また少し違います。旧暦1月2日の満潮時に合わせ、三線や太鼓などを持って漁船に乗り込みます。漁船の舳先(へさき)をガジュマルや松の枝で飾り立て、料理もお供えします。

 

そして楽器を演奏し、歌を歌って盛り上げ、その年の豊漁や航海安全を祈願します。実際に漁へ出るのは翌日以降となります。

 

農家における「ハチバル」は、朝に畑を3度ほど鍬(くわ)で耕し、農具の様子をチェックします。そして畑の周囲を見回った後、農具に酒や米、塩をお供えしてその年の豊穣を祈願します。本格的な農作業は翌日以降となります。

 

漁業における「フナウクシー」、農業における「ハチバル」。これら「ハチウクシー」は伝統的に男性が担ってきた行事であり、今も男性が行うのが一般的です。

 

ヒヌカンウンケー

旧暦12月24日に家を見守っていたヒヌカンが天へ昇ります。ヒヌカンに対するお供え物やお酒、米などを新しくし、チャーギと呼ばれる植物も用意します。そして、ヒヌカンに手を合わせ、丁重に送り出します。これが「ウガンブトゥチ」という行事で、以前にも紹介しました。

 

これと対(つい)になる行事が「ヒヌカンウンケー」です。ヒヌカンは天に昇った10日後にあたる旧暦1月4日、再び各家庭へと舞い戻ってきます。特にヒヌカンが鎮座すると言われている台所まわりはしっかり掃除し、綺麗にしておきます。

 

「ウガンブトゥチ」同様、酒や米、ウチャヌクなどのお供え物も新しくし、チャーギも用意します。丁重にヒヌカンをお迎えし、手を合わせます。そして「昨年、家を守っていただいた事」に感謝し、「今年も家をしっかり守って下さい」と祈願します。

 

「ハチウクシー」は伝統的に男性が行う行事ですが、「ヒヌカンウンケー」は伝統的に女性が行う行事となっています。ヒヌカンを祀っている家庭はしっかり手を合わせ、家内安全を祈願しましょう。

 

ナンカヌシク

「正月三が日」という言葉もありますが、沖縄では地域によって旧暦1月7日に正月の飾り付けを片付ける所もあり、その日を「ナンカヌシク(七日の節句)」と言います。

 

他にも旧暦1月14日や15日、20日に正月飾りを片付ける地域もあり、その日を「ソーグヮチグワー(小正月)」と言います。

 

沖縄だけでなく、日本全体でも「七日の節句」を行う所は多く、その日はいわゆる春の七草(せり,なずな,ごぎょう,はこべら,ほとけのざ,すずな,すずしろ)を焚いた七草がゆを食べ、無病息災を祈ります。

 

沖縄だとデークニバー(大根の葉っぱ)や、フーチバー(よもぎ),ビラ(ねぎ)等を入れたナージューシー(菜雑炊)をヒヌカンにお供えしたり、家族で食べたりします。

 

「七日の節句」自体は歴史がとても古く、1000年以上も前の9世紀に中国から伝わった行事です。いわゆる五節句

 

1月7日:人日 (じんじつ)の節句

3月3日:上巳(じょうし)の節句

5月5日:端午 (たんご)の節句

7月7日:七夕(しちせき)の節句

9月9日:重陽(ちょうよう)の節句

 

の1つにあたります。中国ではとても重要な節目とされている日で、日本でも3月3日のひな祭りや5月5日のこどもの日、7月7日の七夕などの行事が行われます。

 

9月9日の重陽の節句も中国では大事な日とされていますが、この節句だけは日本で特に何かするというのは一般的ではないようです。

 

ソーグヮチグワー

「ソーグヮチグワー(小正月)」は旧暦1月14日、もしくは15日に行われる行事であり、1月7日に正月飾りを片付けない家庭はこの日で片付ける事になります(1月20日に片付ける地域もあります)。

 

この日をもって「生きている人の正月は終わり」とする区切りの日となります。そう、その次に「すでに亡くなったご先祖様の正月」が始まる事になります。

 

この「ご先祖様の正月」に対する行事が、現在マルキヨ製菓が対応中の「ジュウルクニチー」という行事になります。

 

マルキヨ製菓3大忙しい行事の1つに「シーミー」がありますが、実は首里から遠い地域は「シーミー」より「ジュウルクニチー」を盛大に行ったりします。それゆえ、今のマルキヨ製菓も大忙しというわけなのです。

 

次回ブログではその「ジュウルクニチー」についてくわしくお話しする予定です。旧暦1月は1年の最初の月という事もあり、本当にたくさんの行事があります。

 

その全てにマルキヨ製菓が対応するわけではありませが、ご先祖様やヒヌカンにお供えするお菓子が必要な家庭にはちゃんと行き渡るよう、対応していきたいと思います。

 

まずは10日後の「ジュウルクニチー」という大きな行事に向け

22_0215_03

行事用お菓子を作るため、誠実に頑張りたいと思います。

 

今回はこの辺で。

 

平日は毎日更新。Facebookもよろしくお願いします。

⇒【マルキヨ製菓:Facebook

mozu08

 

ブログランキング参加中です。よかったらポチッとお願いします。

 ↓

br_c_3110_1

沖縄 ブログランキングへ

商品取り扱い店舗

  • ・タウンプラザかねひで
  • ・イオン琉球㈱
  • ・リウボウストアー
  • ・㈱丸大
  • ・㈱サンエー
  • ・ユニオン
  • ・コープおきなわ
  • ・JAおきなわAコープ
  • ・野原食堂(宮古島)
  • (順位不同)

※工場でもご購入可能です。毎日製造する商品は異なりますので、事前にお問合わせください。

ご注文・お問合せはこちら 下記の電話番号・お問合せフォームからお気軽にお問合せください。 お問合せフォーム 098-878-8583

マルキヨ製菓通信販売

過去の記事

商品取り扱い店舗

  • タウンプラザかねひで
  • イオン琉球㈱
  • リウボウストアー
  • ㈱丸大
  • ㈱サンエー
  • ユニオン
  • コープおきなわ
  • JAおきなわAコープ
  • 野原食堂(宮古島)