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ジュウルクニチー(旧暦1月の行事③)

2023年01月31日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今朝の気温は10度で沖縄としてはかなり寒い方でしたが、お昼には20度近くまで気温が上がりました。明日以降はさらに気温が上がるようで、ここ最近の冷え込みからは脱出できそうです。

 

今日は新暦1月の最終日ですが、旧暦の世界では1月10日。新年が始まって、まだ10日ほどしか経過していません。そして旧暦1月はとても行事が多い月。

 

前回に引き続き、今回も旧暦1月の行事を紹介します。特に今回紹介する「ジュウルクニチー」は、かなり大きな行事となっていますよ。

 

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旧暦1月1日はもちろん旧正月です。沖縄は明治政府によって1872年に新暦が採用されてからも、ずっと旧暦で正月をお祝いしてきました。新暦でもお祝いするようになったのは戦後になります。

⇒【旧正月(旧暦1月の行事①)

 

旧暦1月2~3日に行われる仕事始めの儀式を「ハチウクシー」と言います。旧暦1月4日は天から家へ降りてくるヒヌカンを迎え入れる「ヒヌカンウンケー」という行事や、旧暦1月7日に正月飾りを片付ける「ナンカヌシク」という行事もあります。

⇒【ハチウクシー・ヒヌカンウンケー・ナンカヌシク(旧暦1月の行事②)

 

ジュウルクニチー

「ジュウルクニチー」は「16日」をウチナーグチ(沖縄の言葉)で言ったものです。旧暦1月16日に行われる行事をさす言葉でもあり、2023年だと新暦の2月6日月曜日がその行事の日にあたります。

 

旧暦1月1日に「旧正月」で正月をお祝いし、旧暦1月4日の「ヒヌカンウンケー」では火の神様であるヒヌカンを家に迎え入れます。

 

ヒヌカンは家の中にいる人々の事もしっかり見ているわけですから、その日以降、我々人間は慎ましい生活を送ることになります。特に正月でハメをハズしてしまった人は大人しくしましょう。

 

1月の上旬は神様優先の行動を取り、その間はご先祖様の墓参りなども控える事になります。地域によって差はありますが、1月14~15日になると正月飾りを片付ける「ソーグヮチグワー(小正月)」という行事がやってきます。

 

この日は「生きている人間の正月は終わり」という区切りになります。「生きている人間の正月」があるなら、「亡くなっている人間の正月」もあるわけで、それこそが「ジュウルクニチー」という行事になります。

 

「ソーグヮチグワー(小正月)」で正月飾りを片付けたら、仏壇に手を合わせ、ご先祖様に「今日をもって我々の正月は終わりになります」と報告。そして1月16日からはご先祖様、すなわちすでに亡くなっている人間の正月を行う事になります。

 

この「ジュウルクニチー」という行事の別名は「グソーヌショウグヮチ」。「グソー(後生)」は「あの世」を意味する沖縄の言葉ですから「あの世の正月」という意味になります。「仏の正月」と呼ばれる事もありますよ。

 

「ジュウルクニチー」にはご先祖様の墓参りをしたり、仏壇には線香をあげると共に御馳走やお菓子もお供えします。「ジュウルクニチー」でご先祖様に出す料理は、基本的に法事料理と同じになります。

 

沖縄では「3度、正月がやってくる」と言われることもしばしば。

 

  1:新暦1月1日の「正月」

  2:旧暦1月1日の「旧正月」

  3:旧暦1月16日の「あの世の正月」

 

この3つの正月です。そんな「あの世の正月」ジュウルクニチーですが、地域によって行事の規模が違います。首里に近い南部では、この「ジュウルクニチー」自体を行わない、あるいは行っても小規模にする家庭が多いです。

 

逆に首里から離れた沖縄本島北部や宮古・八重山などでは盛大に行事を執り行ったりします。これらの地域では「シーミー」よりも「ジュウルクニチー」の方を盛大に執り行う事も珍しくありません。

 

例えば「シーミー」は「旧盆」と並び、ご先祖様に手を合わせる行事として、非常に大きな行事です。どちらも「マルキヨ製菓三大忙しい行事」に数えられるほどですからね。

 

もともと「シーミー」は首里を中心に広まった行事であり、首里に近い地域の人々は「シーミー」の方を盛大にお祝いし、首里から遠い地域になるほど行事の規模は縮小していきます。「シーミー」に限らず、首里発祥の行事ではよく見られる現象です。

 

そして「シーミー」に力を入れるため、同じご先祖様に手を合わせる行事である「ジュウルクニチー」は小規模になりがち、というわけなのです。逆に「シーミー」があまり浸透してこなかった地域では、「ジュウルクニチー」の方に力を入れるというわけです。

 

ずっと北部に住んでいる人の中には「シーミーはやらないけどジュウルクニチーはしっかりやる」という方も実際にたくさんいますよ。

 

首里に近い地域ほど

 

  「シーミー」 > 「ジュウルクニチー(十六日祭)」

 

首里から遠い地域ほど

 

  「シーミー」 < 「ジュウルクニチー(十六日祭)」

 

となる傾向が強いのです。同じ沖縄ですが、面白いですね。さらに地域や家庭によって、「家にある仏壇にお供えをして、ご先祖様に手を合わせる」「直接墓参りをして、ご先祖様に手を合わせる」など、行事の執り行い方には違いがあります。

 

宮古・八重山地方では「ジュウルクニチー」に合わせて地元へ戻り、仏壇に手を合わせて家族や親戚と交流を深めます。

 

本島在住の離島出身者で、どうしてもこの日に地元へ戻れないという人は、那覇港入り口にある三重城(ミーグスク)という所に出向き、故郷の方向へ向かってお供え物を並べて拝みます。いわゆる「遥拝(ようはい)」です。

 

「遥拝」とは、離れた所へ向かって拝む事を意味します。どんな形にせよ「ジュウルクニチー」でしっかりご先祖様に手を合わせる人はとても多いのです。

 

「ジュウルクニチー」はご先祖様に対する行事ですから、マルキヨ製菓はお供え用お菓子をたくさん製造しているところです。レモンケーキ、かるかん、マドレーヌ、お餅各種などを頑張って作っていますよ。

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菓子セットもオススメですので、店頭でこれらを見かけたら、是非、手にとって下さいね。

 

明日から2月

気がつけば1月も今日で終わり。2023年、早くも最初の1ヶ月が終わろうとしています。来年がオリンピックイヤーというのも、にわかに信じがたい事実ですよね。

 

月末処理が残っているので、今月の仕事を来月に持ち越さないよう頑張りたいと思います。とりあえずは目の前の「ジュウルクニチー」という行事に向け、そして2月以降もやってくる行事に向け、1つ1つ丁寧に、そして誠実に対応していきたいと思います。

 

今回はこの辺で。

 

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