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宮古島のパーントゥ

2022年10月11日

 

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。久しぶりにクーラーがなくても過ごせる火曜日。今日は最高気温26度で、最低気温は22度。連日30度超えだったのですが、昨日から気温が落ち、涼しい沖縄です。

 

とはいえ、明後日以降は再び最高気温が30度を超える日が続く予報となっています。まぁ、これから徐々に気温も落ちていき、秋らしさが明確になっていく事でしょう。

 

先週、ニュースを見ていたら「パーントゥ」の話題を取り上げていました。那覇大綱挽同様、コロナウィルス感染拡大防止のため2年連続中止になっていましたが、3年ぶりに復活した行事です。

 

沖縄県外の人が聞くと「パーントゥって何?」となる人も多いでしょう。沖縄にたくさんある厄払いの行事の中でもかなり独特なものなので、今回はその行事についてお話ししましょう。

 

島尻地区と野原地区で行われる

パーントゥは宮古島で旧暦9月に行われる厄払いの行事に登場します。仮面をつけ、植物を全身に巻き付ける独特の出で立ちをし、さらに泥まみれとなった「パーントゥ」が地域を訪れ、何と出会った人達に泥をなすりつけていくのです。

 

「パァ」は「食(は)む」、「ピトゥ」からなまった「ントゥ」は「人」を意味する言葉から来ており、「パーントゥ」は「お化け」や「鬼」、「神」を表す言葉となります。

 

以前「鬼」とは「荒ぶる神」を表すという話をしましたが、「パーントゥ」はそういう認識でいいでしょう。この「パーントゥ」の行事は宮古島の平良島尻地区と上野野原(うえののばる)地区の2カ所で行われますが、開催日は異なります。

 

島尻地区では旧暦の9月、野原地区では旧暦12月に行われます。島尻地区で行われる「パーントゥ」ですが、かつては旧暦9月戊(つちのえ)の日に開催していましたが、諸事情により今は行事ギリギリまで開催日は知らされません。

 

何故、開催日が知らされないのかは後ほど。野原地区の「パーントゥ」は旧暦12月の丑の日に行われます。

 

独特な出で立ち

とにかく「パーントゥ」は見た目のインパクトがあまりにも強いです。まず、不気味な仮面をかぶっているのが1つ。その仮面は古い昔、宮古島(みやこじま)平良(ひらら)の島尻という地域の海岸に流れ着いたものと伝わります。

 

「パーントゥ」は3体いまして、当然、仮面も3つあります。親パーントゥ・中パーントゥ(中年)、フファパーントゥ(子供)の3体で、それぞれの仮面は別々の場所に保管されています。

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「パーントゥ」と聞くと、泥を塗る行事だと思われがちですが、それだけではありません。島尻の祭祀行事「パーントゥプナハ」の一部に、パーントゥが登場するのです。まず、パーントゥが現れる前日には、「スマッサリ」という集落に対する清めの行事が行われます。

 

そして、行事当日は仮面が保存されている3カ所に出向き、そこで神に祈りを捧げます。パーントゥに扮する人が仮面を手にすると、カー(泉)へ行き、そこで泥をすくって全身に塗りたくったあと、キャーンと呼ばれるツルを頭や体に巻き付けます。

 

その準備が完了すると、人がいる地域へ向かっていきます。この泥まみれのパーントゥは、道行く人に泥を塗りつけ、さらには新築の家に上がり込んで泥を塗り、子供が生まれた家があればそこに出向いて子供に泥を塗るのです。

 

泥を塗ることで厄払いとし、丈夫な体になると言われています。

 

怪しい仮面、泥まみれの全身にはつる草が巻かれている。そんな不気味な何者かが、突然自分に向かってきて攻撃する(泥を塗りつけてくる)となれば、行事を知らない観光客などプレデターやエイリアンに襲われるような恐怖となるでしょう。

 

行事を知っている子供達でも、あまりにも恐ろしい出で立ちゆえ、泣き叫ぶ者が続出。例年、パーントゥに泥を塗られて泣き出す子や、本気でパーントゥから逃げる子供達がニュース映像で流れます。

 

ちなみに、旧暦12月最後の丑の日に、上野野原(うえののばる)地区でもパーントゥが現れますが、島尻のパーントゥほど派手に立ち回りません。

 

こちらは小学生の男の子が仮面をつけてパーントゥに扮します。その後ろに太鼓やホラ貝などの楽器演奏者や厄払いのアイテムを持った女性が続いて、集落を賑やかに回る事で厄払いとする行事になります。

 

観光客とのトラブル

コロナ前に問題となったのが、観光客とのトラブル。宮古島の人々にとっては伝統行事なのですが、それを理解しない観光客からの苦情が相次ぎました。

 

ここ数年は宮古島にも多くの観光客が訪れています。その観光客から、「パーントゥに泥で服を汚された」という苦情が増加していました。さらには服を汚され怒った観光客がパーントゥに暴行をくわえるなどの事件も発生。

 

伝統行事である事を伝達してもなかなか観光客にそれが伝わらない面もあり、観光客の増加に伴いそのトラブルも増加傾向にありました。

 

いっときは「パーントゥを中止に」という話もでましたが、宮古島としては観光客対策として、この行事の開催日の告知を直前まで非公開にし、パーントゥの周囲には何かあった時のための人員も配置するようになりました。

 

出来れば観光客の方にも、「この行事は昔から地域で行われている伝統行事だ」という事を理解して欲しいですね。

 

ユネスコの無形文化遺産に登録

この行事は「宮古島のパーントゥ」として、1993年に「重要無形民俗文化財」に指定されています。さらには2018年、UNESCO(ユネスコ)の「無形文化遺産」へも「男鹿(秋田)のナマハゲ」らと共に登録された事は、ニュースで話題になりました。

 

先週の10月5日と6日、3年ぶりに宮古島に現れたパーントゥ。那覇大綱挽も(トラブルはありましたが)3年ぶりに開催されましたし、少しずつコロナ前のイベントが復活してきています。

 

色んな行事がコロナ前のように、活気ある形で復活できることを期待します。その日が来ることを心待ちにしながら、今日も仕事を頑張ります!

 

今回はこの辺で。

 

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