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シバサシ

2022年08月30日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。ちょっと台風11号が気になる火曜日。発達が早く、非常に強い勢力になっているとのこと。現時点で、水曜日の午前には大東島地方に直撃しそうなコースをたどっています。

 

沖縄本島も影響を受けますので、今日の夜は沖縄の全域で台風対策が必要かもしれません。今後の台風情報に注目し、必要な対策はしっかり取りましょう。

 

さて、来週は「シバサシ」という行事がやってきます。30年前ぐらいは、それほど取り上げられるような行事ではなかったイメージですが、最近はスーパーでも「シバサシ」をアピールするなど、執り行う人が多い行事となっています。

 

「シバサシ」とはどんな行事なのでしょうか? そして「シバサシ」にまつわる伝説とはどんなものなのでしょうか? 来週、この行事がやってくる前に学んでおきましょう。

 

日程

シバサシの行事期間としては、旧暦8月9日~11日となりますが、メインは旧暦8月10日となります。2022年の旧暦8月10日は、新暦で9月5日、月曜日となっています。

 

「どんな行事なのか?」と聞かれたとき、簡単に答えるならば「魔除けの行事」と言えるでしょう。まずは、この行事にまつわる伝説から紹介しましょう。

 

シバサシにまつわる伝説

むかしむかし、沖縄本島南部・南風原(はえばる)の兼城(かねぐすく)という地域に、安平田(あひだ)という名前のお百姓さんがいました。農作業を終えたある日の帰り道、大雨に遭遇したため、近くの岩穴に入って雨宿りすることに。

 

雨がやむのを待っていると、ふと後ろから何者かが髪の毛を引っ張ってきました。振り返ると、奥にあった墓石の隙間から白い手が伸び、髪の毛を引っ張っていたのです。あまりの恐怖に、声も出せずにその場で固まってしまう安平田。すると

 

「驚かしてすいません」

 

という、若い女性の声が聞こえました。声は墓石の中から聞こえてきます。さらに驚いた安平田は、何とかその場から逃げ出そうとします。

 

「私は幽霊やマジムンではありません」

 

逃げようとする彼に、声はそう語りかけてきます。

 

「私は兼城(かねぐすく)按司(あじ)の娘。病気で寝ていたのですが、死んだと勘違いされてしまい、こうしてお墓に葬られてしまったのです。どうか助けて下さい」

 

按司(あじ)とは、地域を収める者の事です。声の主は兼城を収める権力者の娘だと主張し、勘違いで葬られたと言うのです。安平田は髪の毛をひっぱている手から温かさを感じました。そのぬくもりで落ち着きを取り戻し

 

「状況はわかりました。すぐに人を呼んできます。もう心配しないで」

 

と優しい声をかけました。そして雨の中、兼城按司のお屋敷へと走っていきます。安平田は、按司に会うと事情を説明。話を聞いた按司はすぐにお墓へ行き、墓石をどかしました。するとそこには、死んだと思っていた娘が弱々しく入っていたのです。

 

按司は娘を抱きしめ、魔除け・厄除けの効能があると言われるススキと桑の枝を束ねた「シバ」を作り、お墓の周りにそれをさしてお祓いしました。

 

屋敷に戻った按司は、娘の無事を盛大にお祝いました。小豆入りの強飯(カシチー)を炊いて娘の健康を祈願。今後このような事がないようにと、魔除けの「シバ」を屋敷の四隅や門にさし、マジムンが入ってこないようにしました。

 

百姓の安平田は助けた按司の娘と結婚。身分の違う百姓が、按司の婿養子として迎えられたので、逆玉の輿となったわけです。めでたし、めでたし。

 

シバサシは魔除けの行事

伝説の中で、まだ生きているはずの娘が死んだと勘違いされて葬られたとあります。「そんな事あるのか」と思う方もいるでしょうが、2日前のニュースで似たようなものがありました。

 

メキシコで脱水症状で亡くなった3歳の子の葬儀中、棺桶に入っていた子供の目が動いている事に気づいたというニュース。すぐに棺桶から出され、生きている事が確認されたものの、治療の甲斐もむなしく亡くなってしまったそうです。

 

最初の死亡判断がミスだったのか、あるいは一度亡くなったのに生き返ったのか。沖縄ではこういう不可解な事は「マジムンのしわざ」とされます。マジムンは時にその不思議な力で、人に迷惑をかける存在です。

 

なので、按司の娘がまだ生きているのに、周りには死んだと思わせるような事もマジムンのしわざに違いない…というわけなのです。

 

逆玉の輿にのった安平田が、按司の娘を助けたとされる日が旧暦の8月10日。それ以来、8月10日を中日(なかび)とする前後3日、8月9~11日にはススキと桑で作った魔除けの「シバ」を家の周りにさす風習が生まれました。

 

それが魔除けの行事「シバサシ」です。魔除け用アイテムの「シバ」ですが、屋敷を守るため、その周りにさしたりしますが、例えば食べ物と一緒に入ったカバンに入れたりする人もいます。

 

沖縄では、昔から「食べ物がすぐに腐るのはマジムンのせい」とされていたため、それを防ぐために「シバ」を弁当の近くにしのばせ、マジムンをはねつけるというわけです。間接的な防腐剤みたいなものですね。

 

小豆入りの強飯(カシチー)を炊いて仏壇や神棚にお供えし、家族の健康を祈願する行事「ハチグヮチカシチー(八月強飯)」という風習も、沖縄本島を中心に広まっていきます。「シバサシ」はこの行事の一環として行われる儀式なのです。

 

イメージとして、これらの行事は「鬼は外、福は内」という感じです。シバサシをさして「マジムンは外」、強飯をお供えして健康祈願する「福は内」というわけです。

 

沖縄のスーパーでは「シバサシ」がピックアップされ、アピールされる事の多い行事ですが、「ハチグヮチカシチー」という行事の中で行われるものだという事も覚えておいて欲しいですね。

 

次回は、この行事でお供えするお菓子である

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ウチャヌクを紹介しようかなと思います。お楽しみに。

 

気がつけば8月最後のブログ。今年の3分の2が終わろうとしています。来週やってくるシバサシ、そしてすぐ次にやってくる十五夜、さらに9月下旬には秋彼岸もやってきます。

 

行事の多い9月となっていますので、計画的に対応していきたいと思います。何かとせわしくなる時期だと思いますので、皆さんも計画的にお仕事や勉強を頑張って下さいね。

 

今回はこの辺で。

 

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