意外と知らない、ヒヌカンに対するあれこれ
2022年01月21日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今週はずっと最高気温が20度を下回り続け、肌寒い沖縄です。ただ、明日以降は20度を超える日々がしばらく続くので、沖縄の冬は今日が最後かもしれません。
今日は旧暦12月19日。旧暦の世界では年末となっています。沖縄は旧暦でも正月をお祝いしますので、マルキヨ製菓もそろそろ正月用のお菓子を作る予定です。
その前に年末の大きな行事「ウガンブトゥチ」がやってきます。この行事に関しては、前回の記事をお読み下さい。
今回は沖縄では手を合わせている家庭も多い「ヒヌカン」について、「これはやっちゃダメ」という内容をお話しします。
ヒヌカンは旧暦12月24日に天へ戻って、上司にその家の事を報告し、良いことだけでなく、悪い事も報告します。もしヒヌカンに対して、やってはいけないタブーを犯してしまったら、その家には不幸が訪れるかもしれません。
地域や家庭によっても細かなタブーは存在しますが、今回は一般的に言われる「ヒヌカンへのタブー」について話を進めます。知らなかったではすまない「ヒヌカンへのタブー」について、学んでみましょう。
目次
ヒヌカン関連の事は女性が行う
ヒヌカンに対して、チャーギという植物を添えたり、お酒やお菓子などのお供え物をしますが、それを行うのは女性というのが昔からのルールになっています。
カマドのある所に宿ると言われているヒヌカン。現代だと台所のある場所になりますが、そこを守るのは女性であるという一昔ふた昔前の考え方により、ヒヌカン関連の事は女性が行うとなっているのでしょう。
なので、沖縄の人でも男性陣は「ヒヌカン」という名前は聞いた事があっても、どんな神様で、こちら側の人間がどんな事をすればいいのか、よく知らない人も多いかと思います。
ひょとっしたら近い将来、時代の変遷と共に、男性陣がヒヌカンに手を合わせる事が普通になっている時が来るかもしれませんね。
ヒヌカンの前で愚痴・文句を言ってはならない
これもよく言われる事ですが、ヒヌカンを祀っている所で愚痴や文句を言うのは厳禁です。家庭を見守っている神様に対しての愚痴は、神様への愚痴と捉える事も出来ます。
したがって、愚痴や不平不満をヒヌカンの前で口にすると、ヒヌカンは自分への不満と捉えます。そんな事を上司に報告されたら、その家には禍(わざわい)がもたらされるかもしれません。
なので、多少不満な事があっても「ヒヌカンが見守っていなければ、もっと悪い事になっていたかも」と思い、ヒヌカンに感謝こそすれ不満や愚痴を言うのはやめましょう。
他にもヒヌカンに嘘の報告をしたり、ヒヌカンの前で家族ゲンカをしたり、子供を叱ったりする事もいけないと言われています。ヒヌカンの前では正直に、そして静かに過ごしましょう。
ヒヌカンを祀る位置をなるべく移動しない
これは一部地域(特に沖縄本島南部)でのタブーになりますが、ヒヌカンを祀る位置を頻繁に変える事はタブーとされています。もし、何らかの事情で移動したい場合は、例えば旧暦7月7日のタナバタヒーナシと呼ばれる日にやるといいでしょう。
その日は、細かいルールは気にしなくてよい日とされているからです。
また、ヒヌカンを祀る場所と玄関を対にしてはいけないというのもあります。これについて少しくわしくみてみましょう。
沖縄では「シバサシ」など、厄除けの行事も多数あります。この厄にあたるものは、沖縄では「マジムン(悪いもの)」と呼ばれます。
人に悪さをする妖怪だったり、悪い流れだったり、これらは家の門(玄関)から入ってくると言われています。従って、その悪いものが家に入り、一直線でヒヌカンの祀る場所へ行けるようにしてはいけない、というわけです。
玄関から見える位置にヒヌカンを祀る事は避けて下さい。また、ヒヌカンを祀るのに「良い方向」「悪い方角」というのもあります。良い方角は「午(うま)」、すなわち南にあたります。
これは「午(うま)の方角」に、豊穣(ほうじょう)の神が住んでいると言われるため、縁起がいい方向とされているからです。
逆に悪い方角とされるのが「申(さる)」で、これは西南西にあたります。この方角が何故、縁起が悪いのかについては諸説あるようです。
今やスマホでも自分のいる位置に対して、どこが東西南北かわかる時代です。家の中で方角を確認し、ヒヌカンを西南西の方角に祀る事は避けるようにしましょう。
ヒヌカンの灰をむやみに触ってはいけない
線香を立ててヒヌカンに手を合わせますが、残った灰に神様が宿るとされているため、それをむやみに触れる事はタブーとされています。
娘さんが結婚をして家を出る時は、ヒヌカンを継承をするため、その家のヒヌカンの灰を譲り受けます。あるいは、ウガンブトゥチでヒヌカンが天へ上る日は、ヒヌカン周りをキレイにするため、掃除する事はOKです。
大きな事がない限り、基本的に灰に触れる事はNGですが、香炉に灰が溜まって掃除しなければならない時は、一度ヒヌカンに手を合わせ「灰がたくさんになったので、お掃除しますね」とちゃんと報告しておきましょう。
実はこの灰には家の事が記録されているとも言われています。何でもない日に灰に触れたり掃除をすると、「家の悪い記録を消すため」とヒヌカンに思われてしまうため、良くない事だと言われているのです。
むやみやたらに、ヒヌカンの灰は触らない。覚えておきましょう。
他にも色々なローカルタブーがある
久米島などの一部離島地域では、「耳の悪口を言ってはいけない」(その地域のヒヌカンは耳が悪いとされるため)、沖縄本島北部では「肉や魚を供えてはいけない」(殺生にあたるため)など、ローカルでのタブーもたくさん存在します。
なので、お住まいの地域でヒヌカンに関する事をよく知る人に、あれこれ聞くことをオススメします。なかなか面倒くさいなと思う事もあるかもしれませんが、そう思う事もタブーなので、ヒヌカンの前ではちゃんとするよう心がけましょう。
次回ブログ更新予定は、ウガンブトゥチの前日になります。その日は
この行事でヒヌカンにお供えする「ウチャヌク」を紹介する予定です。実はムーチーよりも忙しい行事と言われている「ウガンブトゥチ」。今週はとにかくスタッフ全員に頑張ってもらい、ウチャヌクを作っています。
特にウガンブトゥチはヒヌカンという神様に対してかなり気を遣って行う行事ですから、ちゃんと執り行えるようにするためにも、マルキヨ製菓はウチャヌク作りに精を出して頑張りたいと思います!
今回はこの辺で。
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