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旧盆⑧「お金を燃やす」

2021年08月6日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。連日オリンピックで日本チームや選手を応援中。まだまだ野球やレスリングなどメダルが期待出来る競技が残っていて楽しみです。

 

旧暦の世界では明日で6月が終わり。来週の土曜日には「旧の七夕」という、旧盆前の行事がやってきます。来週の旧の七夕、再来週の旧盆と、行事用お菓子を作るマルキヨ製菓は1年の中でも最も忙しい時期となっています。

 

ご先祖様に手を合わせる行事で必須アイテムと言えるのが「ウチカビ」です。今回はその「ウチカビ」についてお話ししましょう。

 

バックナンバー

お釈迦様の弟子・目連の母親は、飢えや渇きで苦しむ地獄へ堕ちてしまいます。目連は自らの神通力を使って母親に食事を与えようとするもうまくいきません。そこでお釈迦様はあるアドバイスをします。

⇒【地獄へ堕ちた母

 

僧侶達が死者の苦しみを取り除き、成仏させる儀式を「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言います。その意味はなんと「逆さづり」で、それが「盆」の語源になります。

⇒【逆さづり

 

特に旧盆の時期、沖縄で踊られる事の多いダイナミックな踊り「エイサー」。その語源はいくつかの説がありした。

⇒【エイサー

 

袋中上人という人物が、福島県の伝統芸能である「じゃんがら念仏踊り」に経文(きょうもん)をつけて、琉球に広めます。これが「エイサー」の起源だと言われています。

⇒【エイサーを広めた人物

 

「盆踊り」の起源は「踊り念仏」でした。最初は念仏を唱える事が主流でしたが、だんだん踊りなど芸能面の色が濃くなって「念仏踊り」に。特にお盆の時期に踊る「念仏踊り」が「盆踊り」になっていきました。

⇒【盆踊り

 

旧暦だと7月中旬に行うお盆ですが、新暦だと8月中旬に行います。その1ヶ月のズレは「月送り」という風習、そして太平洋戦争が関係していました。

⇒【旧暦7月15日と新暦8月15日

 

お盆の期間中、親戚の子どもにお小遣いをあげる「お盆玉」という風習があります。江戸時代の山形県にあった風習が由来と言われています。沖縄のお盆玉は、固有の相場金額というのがあるそうです。

⇒【お盆玉

 

あの世で使えるお金

旧盆の最終日、ウークイ。ご先祖様が再びあの世へ帰る際に燃やすものと言えば「ウチカビ」です。まずは、この風習の由来について。

 

14世紀以降の琉球では、多くの中国人がやってきて固有のコミュニティを形成します。特に、那覇の久米村に住んでいた彼らの勢力は大きなものでした。そんな彼らを通して、中国の文化や風習が沖縄に入ってきます。

 

輸入された風習の1つに「紙銭を燃やす」というのがありました。当初は久米村の士族間で行われていた紙銭を燃やす風習。それが首里の士族へと広まります。

8082302こちら、沖縄でよく見るタイプのウチカビですが「紙銭」と書いているのが見えますよね。沖縄の言葉では「紙銭」と書いて「カビジン」と言います。

 

1726年に編纂された「四本堂家礼」という資料には、「シーミー(清明)の時に、ウチカビを燃やした」という記述があります。18世紀当時は、ウチカビを燃やすのは士族までで、一般市民へその風習が広がるのは明治以降になります。

 

「ウチカビを燃やす」事は、あの世へ戻るご先祖様に「あの世で使えるお金を渡す」事を意味します。

 

古代中国では「この世にある物を燃やせば、あの世でも使えるようになる」という考え方があり、今もそれは受け継がれています。なので、お金も燃やす事であの世で使えるようになるというわけなのです。

 

とはいえ、本物のお金を燃やすわけにはいきませんので、紙や藁など燃えやすい素材で「あの世のお金」を作り、それを燃やして、あの世で使ってもらおうというわけです。

 

沖縄の人にとって「ウチカビを燃やす」という風習は身近に感じるものですが、日本を見渡した時、その風習があるのは沖縄と奄美の一部地域だけです。

 

ただし国外では、けっこう「紙銭を燃やす」風習は見られます。由来となった中国はもちろん、台湾や韓国、ベトナムでも「あの世のお金を燃やす」風習は今も見られます。

 

中国のウチカビは大きかったり、台湾のウチカビはやけにたくさん燃やしたりと、国によって「ウチカビ」の個性があるのが面白いところです。

 

基本、ウチカビは室内で燃やす事が多いです。外で燃やすと風の影響で、灰が飛び散ったりして大変ですからね。ボウルに水を引いて、その上にアルミホイルなどを敷き、その上でウチカビを燃やしたりします。

 

ただ、マンションなどにお住まいの方は、ウチカビを燃やす際、火災探知機が反応しないよう気をつけて下さい。探知機が反応すると、ご先祖様もあの世に戻りづらくなるでしょう。

 

ウチカビの価値

8082301こちらの写真は5パックで縛られている標準的に販売されているウチカビですが

90815011パックにつき、20束のウチカビがあります。さらに、

9081502

1束につき5枚の薄いウチカビが入っています。

 

過去に調べたところ、5枚1束があの世に送金する1回分のお金のようで、その価値「5万ぐゎん」。「ぐゎん」=「貫(かん)」で、これは銀と銅の重さを基準に決められた単位。

 

現代の価値にしますと(計算の仕方はいくつかあるそうですが)、約7500万円。1人1束燃やすと7500万円をグソーに送金している事になるわけです。4人で燃やせば3億円! 

 

あの世って、そんなに物価が高いのかな? と思う今日この頃です。

 

マドレーヌ

旧盆用お菓子も紹介。今回は

21_0326_02洋風お菓子の「マドレーヌ」。これもまた、昔からの定番お供え用お菓子ですね。

21_0326_04そのまま食べてもいいですが、レンジで15秒ほどチンしてから食べるとアチコーコーで美味しいですよ。

21_0326_15さらに、蜂蜜やシロップなどかけ、フォークで食べれば高級デザートっぽくなります。オススメの食べ方なので、是非、お試しあれ。

 

来週は旧の七夕がやってきますので、それについてお話しします。旧盆も含め、緊急事態宣言下の行事となりますが、ご先祖様を敬う気持ちを大切に自分達が出来る事をしっかりやっていきたいと思います。

 

今回はこの辺で。

 

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