黄金の瓜実(うりざね) ~ 後編 ~
2018年12月20日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。ここ最近は非常にいい天気が続いています。空気はひんやり冷たく、太陽の光は温かく差し込んでくれます。
特に今日の日差しなら「洗濯物干したら、よく乾くだろうなぁ」と思っている人も多いはず。年中、こんな気候ならいいなと思いながら、今日も朝からお仕事頑張っていますよ。
さて、前回のブログでは「黄金の瓜実(うりざね)」という伝説の前半を紹介しました。白樽(しらたる)夫妻が久高島に移住し、そこで五穀豊穣と子孫繁栄をお祈りし、その祈りが通じて島が豊かになっていく話をしました。
⇒【黄金の瓜実 ~ 前編 ~】
今回はその続きとなります。
一男二女の子供に恵まれた白樽夫妻ですが、長男は家を継ぎ、長女は祝女(ノロ)として久高島のウタキで行事を執り行いました。次女の思樽兼(おみたるかね)もまたノロとして活躍するのですが、久高島ではなく本島の玉城(たまぐすく)王の元へ仕えていました。
非常に美しくひかえめな性格だった思樽兼は、王に見そめられ王の子どもを身ごもります。そして、王妃となりました(側室だったという説もあり)。
王の寵愛を受け、男児なら跡継ぎとなるであろう子どもも生まれるとあり、幸せの絶頂だった思樽兼。しかし、側室達の嫉妬は凄かったようです。そんなある日、事件が起きてしまいます。
思樽兼が王や側室達がいる前で、おならをしてしまったのです。側室達は鬼の首を取ったように思樽兼をあざけり、「王妃とあろうものが」と非難しました。
ここら辺もいくつか説があり、強い嫉妬を感じた側室が「思樽兼が人前でおならをした」とでっちあげ、それをいいふらしたとも言われています。
あまりにもひどい嘲笑に心を痛めた思樽兼は、やがて久高島へと戻ってしまいました。そして本来は王の跡継ぎになるはずだった男児を産みました。
「思金松兼(おみかねまつがに)」と名付けられた男の子は大事に育てられ、元気に育っていきます。そして思金松兼が8歳になった頃、母親の思樽兼に父親の事を聞きました。
しかし思樽兼は「父親はいない。親は母である私だけ」と答えます。それでもしつこく聞いてくる思金松兼ですが、「父はいない」の一点張り。父の事を知る事が出来ない思金松兼は毎日泣いて、だんだんとやせ細っていきます。
やつれていく我が子を見た思樽兼は、ついに息子へ「父親が王様であること」「おならをした事でいたたまれなくなり、城を飛び出して久高島に戻ってきたこと」を話しました。
自らの境遇や母親の不遇を知った思金松兼は、伊敷浜までおもむき、神に祈りました。伊敷浜は白樽夫妻が小麦の種が入った壺を得た場所です。そこで、「どうか私を、父親と会わせて下さい」と祈りました。
毎日祈ること7日目。波間にまばゆい光を放つ何かが流れてきました。その正体は「黄金の瓜実」(瓜の種)。「父と会うために、神が授けたものに違いない」と確信した思金松兼は、黄金の瓜実を手に取ると浦添城まで行きました。
赤く縮れた髪の毛、みすぼらしい姿の思金松兼は門前払いをくらいます。それでも「国王に会わせてください」と頼み続ける思金松兼の熱意が通じ、ついに父親である国王に謁見する事が許されました。
国王と対面した思金松兼は黄金の瓜実を差し出し、「琉球にとっての宝物です。これを植えれば、きっと黄金の実を結ぶことでしょう」と言いました。黄金の瓜実に目を奪われる国王に対し、思金松兼は「ただし、おならをした事のない女性に植えさせれば」と続けました。
それを聞いた国王は「この世に、おならをしない人間などおるものか」と返します。その言葉を待っていた思金松兼は「では、何故、おならをした我が母を久高島に帰したのでしょう? おならをする事は罪ですか?」と尋ねました。
そして自分の母親はかつて、おならをした事で周りからの嘲笑を受け、久高島に戻って自分を産んだという事を話しました。それを聞いた国王は、目の前にいる人物が息子である事を理解しました。
国王は思金松兼と思樽兼を城へと戻す事を約束。それからしばらく、国王に跡継ぎが出来なかった事から2人を城へと呼び戻しました。
国王が死去すると、思金松兼が次の国王として即位。わずか10歳の時でした。幼くして「西威王(せいいおう)」となった新国王の時代から、3年に1度久高島へ国王自らおもむき、五穀豊穣を祈るために参拝する事になりました。
以上が「黄金の瓜実」伝説です。2回に分けてお送りしました。
思金松兼の行動力、そして国王の心を動かす機転も利いていましたね。その時はまだ10歳にも満たない幼子。その年齢でこれだけの行動力や機転が利くというのは、国王としての資質があったという事でしょう。
自ら運命を切り開いた思金松兼の姿勢は、大いに学ぶべきものがあると思います。2019年は彼を見習って、もっと行動を起こしていこうと思います。
さぁ、今年も残すは11日。「ナントゥもち」に「紅白巻もち」を準備中です!
写真は2018年正月バージョンで、今は2019年正月バージョンの調整をしていますよ。
年が明けたらすぐにムーチーもやってきますので、この年末年始も大忙しのマルキヨ製菓です。正月の三が日は休みの予定なので、それまではラストスパートとして走り抜ける予定です。
みなさんが良い年始を迎えられるよう、今日も1日頑張ります!
今回はこの辺で。
Dee沖縄さんによる「マルキヨ製菓工場見学」の記事はこちらです。
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