ムーチー伝説
2024年12月20日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。昨日は最高気温17度で曇り空だったため、1日中肌寒かったです。今日は21度まで気温が上がり、しかも太陽の光もまぶしく日中は温かい沖縄です。
今年も残すところ11日。マルキヨ製菓は正月用の商品と、1月7日にやってくる大きな行事「ムーチー」のため、毎日慌ただしくしています。特に「ムーチー」は「マルキヨ製菓三大忙しい行事」の1つに数えられる行事です。
マルキヨ製菓三大忙しい行事
「シーミー」「旧盆」「ムーチー」。この3つが「マルキヨ製菓三大忙しい行事」に数えられている行事です。
「シーミー」は4月に行われるご先祖のお墓参りをする行事。ゴールデンウィーク明けまで、約1ヶ月続きます。多くの人は土日にお墓参りするので、その土日に合わせてお供え用お菓子を作ります。
ただし、雨が降ると「お墓参りは来週に延期しよう」という人も多く、天候に大きく左右される行事となります。1ヶ月も続く行事の上、天気によっては売り上げも大きく落ちる時があり、非常に難しい行事なのです。
「旧盆」は旧暦7月13~15日に行われる行事。ご先祖様があの世からこちらの世界に降りてくるので、おもてなしします。「シーミー」と違って3日間に集中して行われるため、その3日に大量のお菓子を準備しなければなりません。
旧盆の1ヶ月前からスタッフ一同フル回転で大量のお菓子を用意するため、とても忙しい行事というわけです。
そして「マルキヨ製菓三大忙しい行事」の3つ目「ムーチー」。旧暦12月8日に行われるこの行事は、そのたった1日で沖縄中の人が「ムーチー」を購入するため、三大忙しい行事の中でも最もきつい行事となります。
その旧暦12月8日は、2025年1月7日にやってきます。現時点で「ムーチー」まで3週間をきっていますが、毎日平常のお菓子や正月用お菓子を作りつつ、「ムーチー」の準備もしているというわけです。
そんな「ムーチー」については、沖縄に伝わる伝説があります。毎年この伝説を紹介していますが、今一度それについてお話しします。来月やってくる「ムーチー」の前に、伝説の内容を確認しておきましょう。
鬼と化した兄
昔、首里の金城(かなぐすく)という所に兄と妹の2人兄妹(きょうだい)がいました。仲のよい兄妹でしたが、ある年、妹は結婚して久高島へ渡っていきました。
妹と離れた兄は鬼となりました(残された資料には鬼となった経緯の説明がありません)。大里村にある洞窟を拠点とし、周辺の家畜や小さな子どもを捕まえては食べてしまうのです。
「大里に鬼が出る」。そんな噂は大里の外にも広がり、やがて久高島にいる妹の耳にも届きました。「兄が鬼となり、家畜や子どもを食べている」と言われても、簡単には信じられない妹。
気になった妹はその真偽を確かめるため、兄の住む大里まで足を運びました。大里に到着すると、鬼が住んでいるという洞窟の中へ入って行きます。
中には家畜の骨が散乱し、奥にはとても大きな鍋がありました。そしてその鍋の中には人間の子どもが入って、グツグツ煮込まれていたのです。鍋の横には口が裂け、目は赤く輝き、牙を生やし、赤黒い毛に覆われ、まさに鬼の姿になった兄がいたのです。
鬼は妹と目が合うと、自分の妹である事を認識しつつ「こいつも食べてやろう」と思いました。結婚前の妹とは仲がよく、かわいがっていたのに、今の兄にとっては食べる対象に過ぎません。
妹もそれを感じとり、すぐにこの場を離れようとします。しかし走って逃げたところで、体格の良い兄にすぐ捕まってしまう。そこで妹は「用を足してくる」と兄に言って外へ出ようとします。
しかし、兄は「ここでやれ」と命令。しかし妹は「兄妹とはいえ、目の前で用をたす事は出来ない」と言い、外へ出ようとします。
兄は妹の手首に縄をつけて逃がさないようにしたあと、「用を足してこい。終わったら、ここへ戻ってくるんだ」と、妹を外へ出しました。兄は時々縄を引っ張り、手応えがあることから妹の存在を確認します。
「洞窟に戻ったら、食べられる」。そう確信した妹は外に出て縄をほどくと、大きな石にそれを結び付け、すぐにその場から走り去りました。
洞窟の兄は縄が石に巻かれてるとも知らず、手ごたえのある縄をひいて、妹を食べる事しか考えていません。しかし、いつまで経っても妹が戻ってこなかったため、兄は洞窟の外へ出ますが、妹はそこから逃げ去った後でした。
鬼退治する妹
鬼(兄)から逃げのびた妹は、「あれはすでに兄ではない。これ以上、人様に迷惑をかけないよう、私が退治する」と決意します。とはいえ、相手は怪力の鬼。非力な妹が力で勝てるはずもありません。しかし、妹は賢く、鬼を退治するための戦略を立てます。
兄は餅が好きだった事から、「お餅の中に鉄を入れて食べさせた後に…」という作戦を立て、実行に移します。「鉄入りの餅」を持った妹は、昔兄妹で一緒に住んでいた金城に兄を呼びよせます。鬼退治を出来る場所が、そこにあるのです。
金城に呼び出された兄(鬼)は、目の前にいる妹に対し「スキあらば食べてやろう」と思っていました。妹は「綺麗な景色が見える所で、一緒に餅を食べましょう」と、言葉巧みに崖の上へ誘います。
崖の上で妹は自分用の普通の餅を取り出し、パクパク食べます。そして兄には「鉄入り餅」を差し出しました。餅好きの兄はそれを手に取り、口の中に放り込みました。しかし鉄入りなので、なかなか餅を噛み切る事が出来ません。
食べあぐねている兄に対し、突然妹は着物の前をはだけ、陰部が見えるようにしました。これもまた、兄を動揺させる作戦なのです。
妹の様子に気づいた兄は「お前の下はなんだ?」と問い、妹は「上の口は餅を食べる口。下の口は鬼を食べる口!」と言って下がはだけたまま、兄に迫っていきました。
かつて目の前で用を足すことをこばんだ妹なのに、「どういう事だ?」と動揺する兄。そんな兄を、妹は容赦なく崖の上から突き落とします。地面にたたきつけられた兄は転落死。こうして鬼のいなくなった大里の村には、再び平穏が戻りました。
妹が鬼退治をした日が旧暦12月8日と言われています。この伝説を元に、旧暦12月8日に「ムーチー」を食べる行事が生まれたと言われていますが、行事の「ムーチー」に関しては来週にその話を続けたいと思います。
マルキヨ製菓は行事「ムーチー」に向け、今日も朝から準備を進めています。正月用お菓子の準備も含め、大晦日までお菓子を作り続けます。
今年(2024年)も沖縄の行事を支えたという自負があります。来年も沖縄の行事を支え続けますので、これからもマルキヨ製菓のお菓子をよろしくお願いします。
今回はこの辺で。
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