普天間宮の伝説(遺老説伝)
2022年01月28日
こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。今朝は太陽の光がまぶしく、気持ちのいい朝でしたね。午後以降は曇りの予報となっていますが、雨は降らなさそう。昨夜は突然のカタブイにやられて濡れちゃいましたが、今日はその心配はなさそうです。
今回のブログが1月としては最後。年が明けたばかりと思っていた2022年ですが、早くも1ヶ月が過ぎようとしているわけです。
そんな事を繰り返して、気が付いたら2023年になっているのかもしれません。まさに光陰矢のごとしですね。
先日、無事にウガンブトゥチという行事が終了しましたが、旧暦の世界では4日後に新年、いわゆる旧正月がやってきます。マルキヨ製菓は、正月用の菓子
「ナントゥもち」や
「紅白巻もち」を作っていますよ。正月が過ぎると、すぐにまた大きな行事がやってくるため、マルキヨ製菓スタッフはまだまだ息つく暇がありません。
さて、今回のブログでは正月にお参りする人も多い普天間宮の伝説を紹介したいと思います。
遺老説伝(いろうせつでん)
『遺老説伝(いろうせつでん)』は、琉球王府によって1743年から45年にかけて編纂された正史『球陽』の外巻(げかん)として製作されました。
琉球王国の歴史を記している『球陽(きゅうよう)』ですが、『遺老説伝』はいわゆる説話集。説話とは古くから語り継がれる伝説や昔話の事などを指します。
『遺老説伝』は琉球各地に散らばる神話や伝説・昔話などをまとめたものが、142話収録されています。琉球の生き字引とも言えるお年寄りによってそれらの話は語られ、編纂されました。
口頭のみで後の世に伝えられる文学の事を口承文学(こうしょうぶんがく)と言いますが、『遺老説伝』はその口承文学の始まりとも言われています。
不思議な話や物語が142話。当時の琉球でどんな事が語られていたのかを知る、非常に貴重な資料。それが『遺老説伝』なのです。
普天間宮伝説
普天間宮にまつわる伝説は2つ収録されています。今回はその中の1つを紹介しましょう。普天間宮の伝説ですが、舞台は普天間から遠く離れた首里になります。桃原町(とうばるちょう)という所に、とても仲の良い姉妹がいました。
美人と評判の姉は性格も非常に良かったため、多くの男達が彼女に結婚を申し込みにきました。しかし姉はあまり人と接するのが得意ではありません。いわゆるコミュ障でした。
とはいえ、美人という評判は広く知れ渡ります。外を歩けば色々な人達、特に男性陣に声をかけられます。やがて姉は人に顔を見られる事をいやがるようになり、家に引きこもって外に出なくなってしまいました。
妹もそんな姉を気遣い、誰かを姉に会わせるようにはしませんでした。時が流れ、妹の方が先に結婚し、家を出て行ってしまいます。姉は相変わらず人前に出る事を嫌い、結婚式の時ですら妹の旦那に会うことはしませんでした。
そんな妹の旦那さんは「美人と評判な君の姉を見てみたい」と、妹に懇願します。姉の性格を知る妹は「やめた方がいい」と拒否しますが、旦那さんは「君の姉は私にとって義理の姉にあたる。他人ではないはずだ」と、なかば強引に会おうとします。
根負けした妹は、旦那と一緒に姉の居る実家を訪れました。ただし姉には旦那も一緒に来ている事は言っていません。
仲の良い姉妹は久々の再会に話がはずみます。ところが、その様子をこっそりと覗いていた妹の旦那さん。覗かれている事に気づいた姉は、すぐに家を飛び出し、走り去って行きました。
森を抜け、山も越え、とにかく走り続ける姉。普天間の鍾乳洞に入っていったという目撃情報を最後に、姉の行方がわからなくなってしまいました。それ以降、姉は家に戻る事もなく、誰かの目に触れる事もありませんでした。
そして女神になった
結局、妹の旦那さんが覗き見した事をきっかけに、姉は行方不明。姿を消した姉は普天間宮の女神になったのだと伝わるようになりました。
首里から普天間となると、かなり離れています。自動車道を使っても15km近く。道が整備されていない当時だと20km以上は走り続けたのではないでしょうか?
首里の桃原町には普天間宮権現誕生の地として権現様が祀られている場所があります。そこは仲の良かった姉妹の家があったと伝わります。
普天間宮は王府から特別の扱いを受けた「琉球八社」の1つであり、由緒ある神社です。パワースポットとしても知られていますので、機会があれば是非、普天間宮を訪れて下さい。
「すごく美しい女神が見守っている」。そう思うと、テンションも上がるのではないでしょうか?
Dee Okinawa さんのサイトでは、この普天間宮伝説についての漫画もありますのでオススメです。
是非、こちらもチェックしてみて下さい。遺老説伝には他にも面白い説話がたくさんありますので、またいつか今回とは違うお話を紹介したいと思います。
次回のブログ更新は旧暦の元日になります。2021年、たいへんお世話になりました。旧暦2022年も、マルキヨ製菓をよろしくお願いします。
今回はこの辺で。
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