スタッフブログ

シバサシ

2021年09月7日

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。9月もちょうど1週間というところ、いかがお過ごしでしょうか。ここ数日は曇り空を見かける事も多く、カタブイ(急に降り出す短時間の雨)もちょこちょこありましたが、今日は朝からいい天気。

 

今のところ1日中晴れの予報が出ている快晴の沖縄です。さて、旧暦の世界では今日から新しい月。8月1日となっています。そしてこの時期は行事が立て続けにやってきます。

 

来週はシバサシ、再来週には彼岸と十五夜。なんと3つの行事が短期間にやってくるのです。

 

行事日程

3つの行事日程は以下の通りです。

 

9月16日:シバサシ(行事期間は9月15~17日)

9月21日:十五夜

9月23日:秋彼岸(行事期間は9月20~26日)

 

行事の開始日に注目すると、9月15日にシバサシが始まり(シバサシ当日は16日になります)20日に彼岸入り、翌21日には十五夜もやってきます。1週間の間に3つの行事が押し寄せてくるわけです。

 

この3つの行事に対応するため、すでにマルキヨ製菓はフル回転状態。沖縄の行事を支える使命の元、今日もスタッフ一同頑張っています!

 

旧暦8月はマジムンが…

沖縄のスーパー等では「シバサシ」という形で説明される事が多いですが、実際は「ハチグヮチカシチー」という行事の中で行われる儀式が「シバサシ」です。

 

「ハチグヮチカシチー」は旧暦8月9~11日に行われる厄払いの行事。沖縄では旧暦の8月にはマジムン(妖怪や悪いもの)が現れやすい時期とされ、いくつか魔除けの行事が存在します。

 

「ハチグヮチカシチー」は小豆などを炊き込んだ強飯(こわめし)をヒヌカン(火の神)や仏壇に供え、玄関などマジムンが家の中に入ってきそうなルートに「シバサシ」を設置して、悪いものが入ってこないようにする行事です。

 

「シバサシ」は漢字で「柴差し」と書き、文字通り「柴」を差す事を表します。まずはこの「シバサシ」にまつわる伝説を紹介しましょう。

 

シバサシにまつわる伝説

むかしむかし、沖縄本島南部・南風原(はえばる)の兼城(かねぐすく)という地域に、安平田(あひだ)という名前のお百姓さんがいました。農作業を終えたある日の帰り道、大雨に遭遇したため、近くの岩穴に入って雨宿りすることに。

 

雨がやむのを待っていると、ふと後ろから髪の毛を引っ張られました。岩穴の奥にあった墓石の隙間から白い手が伸び、彼の髪の毛を引っ張っていたのです。恐怖の出来事におののいた安平田は、声も出せずにその場で固まってしまいました。ふと

 

「驚かしてすいません」

 

若い女性の声が聞こえました。その声は墓石の中から聞こえてきます。その声にさらに驚いた安平田は、何とかその場から逃げ出そうとします。

 

「私は幽霊やマジムンではありません。」

 

そんな彼に、声はさらに語りかけてきました。

 

「私は兼城(かねぐすく)按司(あじ)の娘。病気で寝ていたのですが、死んだと勘違いされてしまい、こうしてお墓に葬られてしまったのです。どうか助けて下さい」

 

按司(あじ)とは、地域を収める者の事を言います。つまり、その声の主は兼城を収める権力者の娘だと主張しているわけです。安平田は恐ろしいと同時に、ふりほどこうとした手に温かさを感じました。そのぬくもりで落ち着きを取り戻した安平田。

 

「状況はわかりました。すぐに人を呼んできます。もう心配しないで」

 

と優しい声をかけると、雨の中、兼城按司のお屋敷へと走っていきました。安平田は、按司に会うと事情を説明。話を聞いた按司はすぐにお墓へ行き、墓石をどかしました。するとそこには、死んだと思っていた娘が弱々しくいたのです。

 

按司は娘を抱きしめ、魔除け・厄除けの効能があると言われるススキと桑の枝を束ねた「シバ」を作り、お墓の周りをお祓いしました。

 

屋敷に戻った按司は、その夜、娘の無事を盛大に祝いました。小豆入りの強飯(カシチー)を炊いて娘の健康を祈願し、今後このような事がないようにと、ススキと桑で作った魔除けの「シバ」を屋敷の四隅や門にさして、マジムンが入ってこないようにしました。

 

百姓の安平田は助けた彼女と結婚。身分の違う百姓が、按司の婿養子として迎えられたのですから、逆玉の輿となったわけです。めでたし、めでたし。

 

マジムンのしわざ

この伝説の中で、まだ生きているはずの娘が死んだと勘違いされて葬られたとあります。「そんな事あるのか」と思う方もいるでしょうが、沖縄ではこういう不可解な事は「マジムンのしわざ」とされます。

 

マジムンは時に不思議な力で、人に迷惑をかけます。なので、按司の娘がまだ生きているのに、周りには死んだと思わせるような事もマジムンのしわざに違いない…というわけです。

 

逆玉の輿にのった安平田ですが、彼が娘を助けたとされる日が旧暦の8月10日。それ以来、8月10日を中日(なかび)とする8月9~11日には、ススキと桑で作った魔除けの「シバ」を家の周りにさす風習が生まれました。

 

それが魔除けの行事「シバサシ」というわけです。魔除けのお守りアイテムという役割の「シバ」ですが、例えば食べ物と一緒に入ったカバンに入れたりする人もいます。食べ物がすぐに腐るのはマジムンのせいとされ、それを防ぐために「シバ」でマジムンをはねつけるというわけです。

 

小豆入りの強飯(カシチー)を炊いて神仏にお供えし、家族の健康を祈願する行事「ハチグヮチカシチー(八月強飯)」という風習も、沖縄本島を中心に広まっていきます。「シバサシ」はこの行事の一環として行われる儀式です。

 

個人的にこれらの行事は「鬼は外、福は内」というイメージです。シバサシをさして「マジムンは外」、強飯をお供えして健康祈願する「福は内」といった感じですね。

 

「シバサシ」がピックアップされる事の多い行事ですが、「ハチグヮチカシチー」という行事の中の儀式だという事も覚えておいて欲しいですね。

 

この行事ではヒヌカンにお供えものをします。強飯や

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ウチャヌクなどもお供えしたりしますので、来週の「シバサシ」(「ハチグヮチカシチー」)に向け、こちらの商品もチェックしておいて下さい。

 

来週から訪れる行事ラッシュの波にのまれないよう、今週はしっかりと準備をしたいと思います。沖縄県内各スーパー、マルキヨ製菓の行事用お菓子だけでなく3時のおやつも手に取っていただければ幸いです。

 

今回はこの辺で。

 

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