理想郷と言われた琉球｜マルキヨ製菓

こんにちは、マルキヨ製菓広報担当の仲宗根です。先週末は晴れ間がのぞき、気持ちよく散歩をしていましたが、まだまだ天気は不安定な沖縄です。

今回は「去年、ブログに書こうと思ってたけどまだ書いてないネタ」を記そうかなと思います。

沖縄の県庁近くにパレット久茂地（くもじ）というデパートがありまして、その４階に「那覇市歴史博物館」という展示会場があります。去年「バジル・ホール来琉２００周年記念 ウランダーがやってきた！」という企画展をやっていました。

１８１６年、バジル・ホールを艦長とするイギリス船が琉球に訪れてきたのですが、その時の「イギリス側の記録」と「琉球側の記録」を展示する企画展でした。

いっけんすると健全な交流に見えるのですが、その裏には「小国である琉球」が「大国であるイギリス」に対し、知恵を絞った外交をしていた事が読み取れるのです。

バジル・ホールはイギリス人の海軍将校であると同時に旅行家でもあり、中国や中南米にも訪れています。さらには作家でもあり、その旅行記は欧米でベストセラーになりました。

今回はそんな「バジル・ホールから見た琉球」と「戦略的にもてなした琉球」、両方の側面についてのお話です。

【マルキヨ製菓　CM①】

時は１８１６年９月、琉球調査のためにやってきたイギリス軍艦ライラ号とアルセスト号が那覇港に到着しました。ライラ号の艦長がバジル・ホール。イギリス側の記録には、彼らの接待を担当した２人の琉球人「マデーラ」「アニャ」の名前が出てきます。

琉球側の記録によれば「マデーラ」は「真栄平（まえひら）房昭（ぼうしょう）」、「アニャ」は「安仁屋（あにや）政舗（せいほ）」の事で、彼らは「異国通事」という、いわば外国語の通訳をする役職でした。

「マデーラ（真栄平）」について、イギリス側の記録では「非常に聡明で、社交的である」と高評価されています。

「アニャ（安仁屋）」はイギリス人達が去った後も英語通訳を続け、のちの異国通事・牧志朝忠（まきしちょうちゅう）という人物に英語を教えた事でも知られます。

牧志朝忠は琉球史の中では有名な人物で、彼の来歴について話すと長くなるのですが…

少しだけ話しますと、彼は英語だけでなく、中国語やフランス語も学んでおり、非常に優秀な人材として琉球王府の官僚となります。その実力は薩摩までとどろき、薩摩藩の島津斉彬(しまづなりあきら)にも認められる事に。

薩摩でジョン・万次郎の取り調べを行った際にアメリカの政治体制も聴き出しており、ペリーが琉球に訪れた際の通訳を務めた際は、アメリカの事情に聡明であった彼にペリーは驚いたと伝わります。

そんな牧志朝忠の最期は悲劇的なものとなりますが、それはまた別の機会に。話を戻しましょう。

【マルキヨ製菓　CM②】

「マデーラ（真栄平）」と「アニャ（安仁屋）」。２人の有能さや人格は、イギリス側にも感銘を与えたようで、非常に印象のよい記録が残っています。

後にバジル・ホールは「朝鮮・琉球航海記」という著書を世に送り出し、ベストセラーになりました。この本で「琉球」を「Lew-chew（リュー・チュー）」と表記し、「武器を持たず、戦争のない理想の国」だと紹介しています。

これがきっかけで欧米における琉球の知名度があがり、後にペリーが琉球に訪れるに至ります。バジルは琉球についての見聞を直接ナポレオンに報告した事でも知られ、「武器を持たない国」と聴いたナポレオンは非常に驚いたそうです。

イギリス側には琉球の印象がよい記録が多く残っているため、非常に友好的な交流が行われたかのように見えるのですが…　その裏で、琉球王府側にはとある「したたかな戦略」が見え隠れするのです。

この話は、来週あたりに続く予定です。

さぁ、今日は降水確率３０％と微妙な数値の沖縄。まずはお昼御飯をしっかり食べ、午後からの仕事に備えたいと思います。天気が不安定で気分も滅入りがちですが、仕事は「きっちり」「誠実に」をモットーに頑張りたいと思います！

今回はこの辺で。

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