鬼退治するための餅
2016年12月19日
こんにちは、ブログ担当の仲宗根です。さぁ、今年も来週末までですよ。みなさん、やり残した事はありませんか?
今年の年末年始は、お菓子業界にとっては非常に忙しい。まずは正月に向けて、正月用のお菓子を作りますよね。そして年が明けてすぐ、2017年の1月5日は、旧暦の12月8日。すなわち、「ムーチー」という行事がやってきます!
というわけで今回は「ムーチー」にまつわる伝説を、過去ブログの内容に若干編集を加えて紹介したいと思います。「ムーチー」は何故「鬼餅」と書くのか? その理由は沖縄で語り継がれてきたある伝説に由来するのです。
【マルキヨ製菓 CM①】
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【2016年1月11日のブログより】
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①ムーチーはいつやるの?
沖縄独特の行事である「ムーチー」は、毎年旧暦の12月8日に行われます。2017年は1月5日(木)がその日にあたりますので、マルキヨ製菓は正月休み返上でムーチーを作ります!
②ムーチーって、どんな事するの?
「ムーチー」とは「餅」の事です。沖縄では昔から「旧暦12月8日にムーチーを作り、食べる」風習があります。
③なぜ、餅を食べるの?
餅を食べる理由は2つあります。1つは「家族、特に子どもの健康祈願」。もう1つは「厄払い」です。
④ムーチーの由来は?
「ムーチー」は「餅」の事ですが、一般に漢字では「鬼餅」と書きます(「鬼餅」と書いて「ムーチー」と呼ぶ事もありますし、通常の「餅」を「ムーチー」と呼び、「鬼餅」はそれと区別して「ウニムーチー」と呼ぶ事もあります)。
つまり、ただの「餅」ではありません。この「鬼餅」の由来には、文字通り「鬼」にまつわる伝説が関係していのです。その伝説とは何なのか?
琉球の歴史を表した資料の1つ【球陽】の中に「鬼餅」の記録があります。その内容をかいつまんで紹介しましょう。
それは今から約800年前の舜天王(しゅんてんおう)の時代。首里の金城に兄と妹の兄妹がいました。妹は久高島へ嫁ぎ、兄は大里村に移り住みました。
大里に移ってからの兄は、村の家畜、時には人間さえも捕まえて食べてしまう鬼になってしまいました。その噂を聞いた妹は、兄の住んでいるという大里の洞窟まで足を運び、「本当に鬼になってしまったのか?」を確認しようとしました。
すると洞窟の中には家畜の骨が散乱し、鍋の中には人間の子どもが! そしてそこには口が裂け、目は赤く輝き、牙を生やし、赤黒い毛に覆われ、まさに鬼の姿と化した兄の姿がありました。
そんな兄に遭遇した妹は、トイレに行くふりをして逃げようとしましたが、兄は「ここでやれ」と言います。
「いくら兄妹とはいえ、兄の目の前で用をたす事は出来ない」と妹は拒否。そこで兄は妹の手首に縄をつけて逃がさないようにし、妹を外へ出しました。妹は外に出て縄をほどくと、大きな石にそれを結び付け、逃げ出しました。
洞窟の中で待ってる兄は、縄が石に巻かれてるとも知らず、手ごたえのある縄をひいて「戻ってきたら、食べてやろう」と思っていました。
異変に気付いた兄は、洞窟の外に出て、逃げた妹を追いかけます。追いつかれそうになった妹は、サバニ(船)をひっくり返してその中に隠れました。兄はそのサバニの上に立って妹を探しましたが、見つけられずに洞窟へと戻って行きました。
なんとか逃げのびた妹は、鬼になってしまった兄を退治する事を決意。「鉄入りの餅」を作り、昔一緒に住んでいた金城に兄を呼びよせました。
「スキあらば妹食べてやろう」とたくらむ兄、「綺麗な景色が見える所で、一緒に餅を食べましょう」と、言葉巧みに崖の上に誘う妹。
妹は、自分用の餅として用意した「普通の餅」をパクパク食べます。しかし兄に差し出した餅は「鉄入り餅」。なかなか噛み切れずにいた兄は、妹の着物の前がはだけ、陰部が見えている事に気付きました。
兄は「お前の下はなんだ?」と言うと、妹は「上の口は餅を食べる口。下の口は鬼をかみ殺す口」と言って着物をまくりあげ、下をはだけた状態で兄に迫ります。そして突然の事に動揺する兄を、崖の上から突き落としました。
こうして鬼となった兄は転落死を遂げ、大里の村には平和が戻りました。
妹が鬼を退治したのが12月8日。沖縄ではその日を「厄払いの日」として、鬼餅(ムーチー)を作って食べるようになったというわけです。
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【マルキヨ製菓 CM②】
はい。自分も以前書いたブログを読みながら「そうだったんだ」と思ったり。笑
というわけで、ムーチーというのは「鬼退治をするための餅」=「鬼餅」がその由来であり、伝説の通り「厄除け」「魔除け」の意味合いを持った行事というわけなのです。
言うまでもありませんが、我々が食べるムーチーは「鉄の入っていない餅」なのでご安心を。笑 現代には鬼がいません…(とは、言い切れない?)からね。
こちらは以前のムーチーの時に撮影したものです。
ちなみに首里の金城町には、今回紹介した伝説に登場する鬼の角を葬っている御嶽(うたき)があります。首里城の近くなので、観光などで近くを訪れた際は、是非、その御嶽を探してみてはいかがでしょう?
ちなみに私は、金城町のすぐ近く、歩いて数分の所に住んでいますが、まだその御嶽に行った事ないんですよねぇ。行ったら写真を撮って、ブログにアップしたいと思いますので、気長にお待ち下さい。
最近は風の強かった沖縄ですが、今日は朝から非常にいい天気。風も軽く吹き付ける程度で、太陽もさんさんと照っています。そして暑い! 今日ぐらいの天気なら、海に入っても快適に泳げるかと思うほどです。
どこかドライブへ行きたいではありますが,年末年始に向けて仕事がたくさん。コツコツと誠実に頑張りたいと思います!
皆さんも忙しいかとは思いますが、今年やれる事はしっかりこなしておきましょう!
今回はこの辺で。
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